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第2章

第41話:歓心・カチュア王太女視点

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「素晴らしいですわ、リドワーン様。
 スライムが話せるようになるなんて、前代未聞の大発見ではありませんか。
 大陸中にリドワーン様とスライムの素晴らしさを知らしめるべきです」

「ありがとうございます、カチュア王太女殿下」

「リドワーン様、今は私的な場所ではありませんか、カチュアと呼び捨てにしてくださらないと嫌でございます」

 リドワーン様は真面目過ぎます。
 キング、いえ、サクラの体内にいる間は、誰に見られる心配もありませんのに。
 常に互いの側近が複数いる時にしか会ってくださいません。

 絶対に私達の秘密を漏らない側近しかいない時でも、スキンシップをしてくださろうとしません。
 私、寂しく物足らないです。

「ただこの研究成果のせいで、直ぐに王都に行くことができなくなりました。
 ファイターキングゴブリン達を絶対に逃さないためにも、サクラの食糧を安定確保するためにも、レベル3ロードスライムをレベル5に成長させて、その後でレベル6ロードスライムを2匹のレベル3ロードスライムに分離させるまでは、私がここで直接指示しなければいけません。
 申し訳ありませんが、カチュア王太女殿下だけで王都に戻っていただけませんか」

「嫌でございます、絶対にいやでございます。
 絶対に私1人では王都に戻りません。
 私が王都に戻る時はリドワーン様と一緒です」

 リドワーン様は私の評判を気にしてくれていますが、そんなモノは不要です。
 誰になんと思われようと構わないのです。

 いえ、むしろリドワーン様との評判が広まる方がいいのです。
 リドワーン様の素晴らしさとキングスライムの強さが大陸中に広まれば、リドワーン様を狙う女狐が押し寄せてきます。

 そんな蟲共を少なくするためにも、親密さを知らしめなければいけないのです。
 それが王家のためであり、王国のためでもあるのです。

「しかしながらカチュア王太女殿下、国王陛下も王妃殿下も心配されておられます」

「リドワーン様はそんな些細な事を気にされずに、スライムの研究に邁進されてください。
 それが王家王国のためになるのですから。
 そうそう、今まではスライムの事を匹と数えていましたが、これからは頭と数えた方がいいのではりませんか。
 人間のために役に立つ益獣は頭と数えるのですから、スライムも1頭2頭と数えるべきですわ」

「ありがとうございます、カチュア王太女殿下、これからそうさせていただきます」

 よかった、リドワーン様に喜んでいただけました。
 嫉妬や独占欲だと非難されるかもしれませんが、リドワーン様を他の女に取られるのは絶対に嫌です。

 リドワーン様の心を得るための努力は惜しみません。
 リドワーン様をここまで熱中させるスライムに対する嫉妬はありますが、人間の女が近づくよりはずっとましです。

「主なスライム」
レベル1キングスライム:1頭
レベル6ロードスライム:1頭
レベル3ロードスライム:1頭
ヒュージスライム:9頭
ビッグスライム :35頭
「各種特殊スライム」
アシッドスライム :331頭
マジックスライム :279頭
ポイズンスライム :3912頭
ポーションスライム:933頭
ウッドスライム  :1432頭
ロックスライム  :942頭
ブロンズスライム :37頭
アイアンスライム :81頭
シルバースライム :8頭
ゴールドスライム :6頭
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