31 / 116
第2章
第31話:ファイターキングゴブリン
しおりを挟む
俺が名前も知らない家臣の一族が思わず声をあげている。
その表情は恐怖で歪み、逃げ出そうと腰を浮かしている。
俺が名前も覚えていない家臣一族の男だ。
可哀想だが俺は前世から名前を覚えるのが苦手なのだ。
特にどうでもいい相手の名前は直ぐに忘れてしまう。
この男も俺にとっては大切な家臣の一族というだけだ。
「心配しなくてもいい、ロードに勝てるゴブリンなどいない」
俺が少し強く言ったので、12人の側近の1人、槍術の名手トルージュが厳しい視線で一族の男を睨みつけた。
その視線を受けて、弱気な態度を見せていた男が小さくなっている。
トルージュが明らかに苛立っている。
天職が槍士で、強さに誇りを持っているだけに、一族の弱さが許せないのだろう。
それと、俺に臆病者の一族がいると思われるのも嫌なのかもしれない。
「まあ、安心してみていろ。
勝てない可能性があれば、地下深くに逃げてくれるから、何も心配はないよ」
ファイターキングゴブリンが想像以上に強くても、ロードが勝てない相手だとは思えない。
逃げるような事にはならないと思うが、万が一の場合の策も考えている。
俺は元々憶病で慎重な性格なのだ。
前世では、亡父に石橋をたたいて壊すくらい慎重だと揶揄された事もある。
だから事前に狭くて深い、ファイターキングゴブリンが追撃できないトンネルを掘っている。
安全確実な逃走路は確保しているのだ。
「キャアアアア」
側近一族の女性が悲鳴をあげ、子供達の表情が恐怖で引きつっている。
俺も内心の不安を表情に出さないようにするので精一杯だ。
想像以上にファイターキングゴブリンが強い!
ファイターキングゴブリンと4匹のファイターロードゴブリンは、信じられないくらい巨大で厚い岩を盾にして防御力を高めている。
大魔境の巨大な魔樹を、棍棒のように武器として使おうとしている。
危険を冒す気はなかったので、ロードの身体の一分を圧縮強化して地下を進ませ、不意討ちに下から突き上げた。
4匹のファイターロードゴブリンのうち1匹は不意討ちで刺し殺せた。
他の3匹も、一撃で斃せなくても連撃を加えることで斃すことができた。
だがファイターキングゴブリンには最初の一撃を楽々と避けられ、2撃目は魔樹棍棒で弾き返されてしまった。
3撃目も同じようにはじき返され、4撃目には盾を捨てた左手で捕まれてしまい、剛力と体裁きの勢いで、攻撃に使っていたロードの身体を捻じ切られてしまった。
側近一族の女性が悲鳴をあげ、子供達の表情が恐怖で引きつってしまったのは、その光景が内部に映し出されてしまったからだ。
俺は急いでロードが失った体が回復するように、無尽蔵の魔力を使って回復魔術をロードにかけた。
同時にロードも3万近い合体統合体を利用して回復魔術を使う。
更に同時に、4匹のファイターロードゴブリンを斃した事で手に入れた経験値分の体力まで満杯にした。
「ロード、斃したファイターロードゴブリンと失った体を取り込んで、ベビーとリトルを成長させるんだ。
スライムに進化した仲間を合体統合して、少しでも力を増強させるんだ」
その表情は恐怖で歪み、逃げ出そうと腰を浮かしている。
俺が名前も覚えていない家臣一族の男だ。
可哀想だが俺は前世から名前を覚えるのが苦手なのだ。
特にどうでもいい相手の名前は直ぐに忘れてしまう。
この男も俺にとっては大切な家臣の一族というだけだ。
「心配しなくてもいい、ロードに勝てるゴブリンなどいない」
俺が少し強く言ったので、12人の側近の1人、槍術の名手トルージュが厳しい視線で一族の男を睨みつけた。
その視線を受けて、弱気な態度を見せていた男が小さくなっている。
トルージュが明らかに苛立っている。
天職が槍士で、強さに誇りを持っているだけに、一族の弱さが許せないのだろう。
それと、俺に臆病者の一族がいると思われるのも嫌なのかもしれない。
「まあ、安心してみていろ。
勝てない可能性があれば、地下深くに逃げてくれるから、何も心配はないよ」
ファイターキングゴブリンが想像以上に強くても、ロードが勝てない相手だとは思えない。
逃げるような事にはならないと思うが、万が一の場合の策も考えている。
俺は元々憶病で慎重な性格なのだ。
前世では、亡父に石橋をたたいて壊すくらい慎重だと揶揄された事もある。
だから事前に狭くて深い、ファイターキングゴブリンが追撃できないトンネルを掘っている。
安全確実な逃走路は確保しているのだ。
「キャアアアア」
側近一族の女性が悲鳴をあげ、子供達の表情が恐怖で引きつっている。
俺も内心の不安を表情に出さないようにするので精一杯だ。
想像以上にファイターキングゴブリンが強い!
ファイターキングゴブリンと4匹のファイターロードゴブリンは、信じられないくらい巨大で厚い岩を盾にして防御力を高めている。
大魔境の巨大な魔樹を、棍棒のように武器として使おうとしている。
危険を冒す気はなかったので、ロードの身体の一分を圧縮強化して地下を進ませ、不意討ちに下から突き上げた。
4匹のファイターロードゴブリンのうち1匹は不意討ちで刺し殺せた。
他の3匹も、一撃で斃せなくても連撃を加えることで斃すことができた。
だがファイターキングゴブリンには最初の一撃を楽々と避けられ、2撃目は魔樹棍棒で弾き返されてしまった。
3撃目も同じようにはじき返され、4撃目には盾を捨てた左手で捕まれてしまい、剛力と体裁きの勢いで、攻撃に使っていたロードの身体を捻じ切られてしまった。
側近一族の女性が悲鳴をあげ、子供達の表情が恐怖で引きつってしまったのは、その光景が内部に映し出されてしまったからだ。
俺は急いでロードが失った体が回復するように、無尽蔵の魔力を使って回復魔術をロードにかけた。
同時にロードも3万近い合体統合体を利用して回復魔術を使う。
更に同時に、4匹のファイターロードゴブリンを斃した事で手に入れた経験値分の体力まで満杯にした。
「ロード、斃したファイターロードゴブリンと失った体を取り込んで、ベビーとリトルを成長させるんだ。
スライムに進化した仲間を合体統合して、少しでも力を増強させるんだ」
0
お気に入りに追加
357
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
奴隷勇者の転生物語
KeyBow
ファンタジー
主人公は異世界召喚直後に奴隷にされた後に命じられて魔王を討伐した。
その時に奴隷から逃れる為に転生術を発動するも、不完全で記憶を無くしての転生になった。
本来ありえない2つのギフトを得られており、同郷の者と冒険者をするも、リーダーがその可能性に気が付き、嫉妬により腐らせた挙げ句に暗殺に失敗する。
そして追放された。
絶望の最中一人の女性と出会い、その後多くの仲間を得る。しかし、初めて彼女ができるも、他の少女を救った事から慕われ、思い悩む事になる。
だが、転生前と違い、追放後はハッピーに生きようとするが、そうは問屋が・・・
次から次に襲ってくる女難?と悪意から乗り切れるか?
猟師異世界冒険記
PM11:00
ファンタジー
日本で猟師をしていた昌彦(75歳)は老衰によって亡くなってしまう。
昌彦は、長年害獣を駆除し続けた功績とその腕前を神に買われ、強大で凶暴な"モンスター"が暴れている世界、エイリエナへと送られた。
神によって若返らせてもらったその身体と、神から狩猟用に授かった猟銃を持って、昌彦(40歳)いざ異世界を冒険!
しかし、転生先の山には、人っこ1人見当たらなかった。山の頂上から周りを見渡しても、見えるのは、どこまでも連なる雄大な山々だけだった。
「…どこに行けば人里なのかも分からないな…そもそもこの世界に人って居るのか? まあ、どうしようもないか…あきらめて、この山で狩りをして暮らしていくしかないな」
昌彦の異世界サバイバル生活が、今始まった。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる