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第2章
第21話:リドワーンの行方・カチュア王太女視点
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八方手を尽くして、ようやくリドワーン様の手がかりが見つかりました。
驚いたことに、待ち伏せされた大魔境から遥かに離れた、国境近くのジルナ伯爵領に現れたというのです。
刺客に追われながら大魔境から脱出されたのですね。
しかもヒュージスライムを従魔にしていたというのですから、驚嘆に値します。
歴史上ビッグスライムを従魔にした者すらいないのですよ。
それがヒュージスライムだなんて、歴史に残る快挙です。
スライム従魔士が従えられるのは低レベルのスライムだけだったはずです。
もっと詳しい話をリドワーン様から聞きたいのですが……
「ジルナ伯爵との連絡は未だにつかないのですか」
「申し訳ありません、ジルナ城はゴブリンの群れに包囲され、斥候だけではとても近づくことができない状態です」
恐ろしい事に、ジルナ伯爵領は数千のゴブリンの群れに襲われているのです。
錯綜する情報のなかには、リドワーン様が民を逃がすためにゴブリンの群れを迎え討って死んだというモノもあれば、ゴブリンの群れを恐れて逃げたというモノもありますが、どちらも全く信用できません。
そもそもそんな事を言っている連中自体が、ゴブリンを恐れてジルナ伯爵領を逃げ出した卑怯者共なのです。
「嘘偽りを申す者達の言葉を信じることなく、専門家に真実を聞きださせるのです。
それと、周辺の貴族達に動員をかけたいのですが、大丈夫ですか」
「それはお止めくださいカチュア王太女殿下。
王太女殿下の命令を聞かなくてすむ前例を作ってはいけません。
王太女殿下の命令には従わなければいけない前例を作るのです。
今回の件は、確実に勝てる王国軍を王太女殿下の命令で派遣するか、国王陛下の命令で領主軍を動員するか、そのどちらかが最善でございます」
軍師役の配下が的確な助言をくれます。
ある傭兵団に所属していたようですが、女であることで随分と辛い目に合ってきたと聞いています。
彼女達のような境遇の元女傭兵や元女冒険者を側に置いてから、不躾な男の視線がほとんどなくなりました。
彼女達にぶちのめされて、王都の社交界にいられなくなった貴族や士族の数は10指を超えますから、それも当然でしょうね。
「1日でも早く籠城している者達を助けたいです。
国王陛下に動員令を出してもらうように献策します。
ただ国王陛下の面目を潰す事もできません。
王国軍の動員も同時に始めたいのですが、大丈夫ですか」
「はい、大丈夫だとは思いますが、問題は王国軍の留守を狙う輩がいる可能性です。
王国の国庫から必要なお金が出せるのなら、傭兵団や冒険者を募集するべきです。
その点も国王陛下にお確かめください」
「分かりました、直ぐに奏上します」
驚いたことに、待ち伏せされた大魔境から遥かに離れた、国境近くのジルナ伯爵領に現れたというのです。
刺客に追われながら大魔境から脱出されたのですね。
しかもヒュージスライムを従魔にしていたというのですから、驚嘆に値します。
歴史上ビッグスライムを従魔にした者すらいないのですよ。
それがヒュージスライムだなんて、歴史に残る快挙です。
スライム従魔士が従えられるのは低レベルのスライムだけだったはずです。
もっと詳しい話をリドワーン様から聞きたいのですが……
「ジルナ伯爵との連絡は未だにつかないのですか」
「申し訳ありません、ジルナ城はゴブリンの群れに包囲され、斥候だけではとても近づくことができない状態です」
恐ろしい事に、ジルナ伯爵領は数千のゴブリンの群れに襲われているのです。
錯綜する情報のなかには、リドワーン様が民を逃がすためにゴブリンの群れを迎え討って死んだというモノもあれば、ゴブリンの群れを恐れて逃げたというモノもありますが、どちらも全く信用できません。
そもそもそんな事を言っている連中自体が、ゴブリンを恐れてジルナ伯爵領を逃げ出した卑怯者共なのです。
「嘘偽りを申す者達の言葉を信じることなく、専門家に真実を聞きださせるのです。
それと、周辺の貴族達に動員をかけたいのですが、大丈夫ですか」
「それはお止めくださいカチュア王太女殿下。
王太女殿下の命令を聞かなくてすむ前例を作ってはいけません。
王太女殿下の命令には従わなければいけない前例を作るのです。
今回の件は、確実に勝てる王国軍を王太女殿下の命令で派遣するか、国王陛下の命令で領主軍を動員するか、そのどちらかが最善でございます」
軍師役の配下が的確な助言をくれます。
ある傭兵団に所属していたようですが、女であることで随分と辛い目に合ってきたと聞いています。
彼女達のような境遇の元女傭兵や元女冒険者を側に置いてから、不躾な男の視線がほとんどなくなりました。
彼女達にぶちのめされて、王都の社交界にいられなくなった貴族や士族の数は10指を超えますから、それも当然でしょうね。
「1日でも早く籠城している者達を助けたいです。
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「はい、大丈夫だとは思いますが、問題は王国軍の留守を狙う輩がいる可能性です。
王国の国庫から必要なお金が出せるのなら、傭兵団や冒険者を募集するべきです。
その点も国王陛下にお確かめください」
「分かりました、直ぐに奏上します」
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