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第1章
第53話:夢
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僕は2つのタイミングを合わせる事に細心の注意を払っていた。
1つはレンジャー隊員が操るドローンとの連携。
もう1つがお父さんとお母さんと境界線を超えるタイミング。
まだお父さんとお母さんとは連絡が取れていない。
でも、家を出る時に決めた最終日時は絶対に守られると信じている。
お父さんとお母さんが僕との約束を破った事は1度もない。
レンジャー隊員が操るドローンが境界線を超えた。
数を増やし機動性を優先するために、非武装となったドローン。
万が一のことを考えてライブ配信機能だけは優秀な物を搭載している。
今回失敗する事になっても、次回以降に役立つ貴重な情報が残せる。
僕は1機目のドローンが破壊されたのを合図に境界線を超える。
これでモンスターと生死を分ける戦いを始める事になる。
戦いに入ったと同時に最大最強と思われる呪文の詠唱に入る。
今回も腹話術を使って呪文を隠す。
破壊力に応じて詠唱する言葉の数が増え時間が長くなってしまう。
間違えないように、咬まないように気をつける。
僕の呪文詠唱が終わると同時に失明するくらいの激しい光が生じる。
目の前だけでなく、正三角形に3つの輝きが現れる。
お父さんとお母さんが約束通り来てくれた。
3つの輝きがモンスターに向かって放たれ、光がモンスターで交差した。
だが僕はその場で黙って見ていたわけではない。
1つの呪文を唱え終わったと同時に次の呪文を唱え始めている。
モンスターに向かって全力で駆けている。
左右の手それぞれに、呪文を刻み込んだ大刀を握っている。
二刀流でモンスターと戦うのだ!
レベルアップした効果が発揮されているので、呪文の詠唱も脚力も腕力も、人の目には捕えられえない神速で行われる。
光に囚われるモンスターの前にたどり着くと、お父さんとお母さんがいた。
2人とも僕と同じように左右の手に一振りずつの大刀を握っている。
3人で六振りの大刀を振るって剣舞のような戦いを披露する。
僕はお父さんとお母さんにこれまで身に付けた技と力を見てもらいたくて、全身全霊を込めて大刀を振るう。
お父さんとお母さんが振るう大刀は本当に美しい。
見とれてしまいそうになる心に叱咤激励して、限界まで早く力強く大刀を振るう!
手足首腕脚を1度斬り落としただけでなく、何度も斬って細かくしていく。
最初に3人で唱えた光の魔術でモンスターを浄化するだけではない。
2度目の呪文も3人同時に唱えて大刀に光をまとわせている。
モンスターを切り刻む度にモンスターの切り口が浄化されていく。
表皮から徐々に浄化するだけでは時間がかかり過ぎる。
ダンジョンの意志が働いているなら回復してしまう可能性もある。
細胞の1つも残さないように切り刻んで、できるだけ早く浄化する!
お父さんとお母さんが休むまでは意地でも休まない!
「竜也、がんばったね、見違えるように強くなったね」
「うん、お父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜りたくてがんばったよ」
「竜也の頑張りを誇りに思うぞ」
「うん、もっとがんばってお父さんに追いついて見せるよ!」
「ねえ、鷹雄さん、竜也の夢をかなえてあげても良いのではなくて?」
「そうだな、これだけ強くなっているのならだいじょうぶだろう。
どうだ、竜也、このままビキンダンジョンに潜ってみるか?」
「良いの?!」
「良かったわね」
「行く、今直ぐ一緒に潜りたい」
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
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<(_ _)>
1つはレンジャー隊員が操るドローンとの連携。
もう1つがお父さんとお母さんと境界線を超えるタイミング。
まだお父さんとお母さんとは連絡が取れていない。
でも、家を出る時に決めた最終日時は絶対に守られると信じている。
お父さんとお母さんが僕との約束を破った事は1度もない。
レンジャー隊員が操るドローンが境界線を超えた。
数を増やし機動性を優先するために、非武装となったドローン。
万が一のことを考えてライブ配信機能だけは優秀な物を搭載している。
今回失敗する事になっても、次回以降に役立つ貴重な情報が残せる。
僕は1機目のドローンが破壊されたのを合図に境界線を超える。
これでモンスターと生死を分ける戦いを始める事になる。
戦いに入ったと同時に最大最強と思われる呪文の詠唱に入る。
今回も腹話術を使って呪文を隠す。
破壊力に応じて詠唱する言葉の数が増え時間が長くなってしまう。
間違えないように、咬まないように気をつける。
僕の呪文詠唱が終わると同時に失明するくらいの激しい光が生じる。
目の前だけでなく、正三角形に3つの輝きが現れる。
お父さんとお母さんが約束通り来てくれた。
3つの輝きがモンスターに向かって放たれ、光がモンスターで交差した。
だが僕はその場で黙って見ていたわけではない。
1つの呪文を唱え終わったと同時に次の呪文を唱え始めている。
モンスターに向かって全力で駆けている。
左右の手それぞれに、呪文を刻み込んだ大刀を握っている。
二刀流でモンスターと戦うのだ!
レベルアップした効果が発揮されているので、呪文の詠唱も脚力も腕力も、人の目には捕えられえない神速で行われる。
光に囚われるモンスターの前にたどり着くと、お父さんとお母さんがいた。
2人とも僕と同じように左右の手に一振りずつの大刀を握っている。
3人で六振りの大刀を振るって剣舞のような戦いを披露する。
僕はお父さんとお母さんにこれまで身に付けた技と力を見てもらいたくて、全身全霊を込めて大刀を振るう。
お父さんとお母さんが振るう大刀は本当に美しい。
見とれてしまいそうになる心に叱咤激励して、限界まで早く力強く大刀を振るう!
手足首腕脚を1度斬り落としただけでなく、何度も斬って細かくしていく。
最初に3人で唱えた光の魔術でモンスターを浄化するだけではない。
2度目の呪文も3人同時に唱えて大刀に光をまとわせている。
モンスターを切り刻む度にモンスターの切り口が浄化されていく。
表皮から徐々に浄化するだけでは時間がかかり過ぎる。
ダンジョンの意志が働いているなら回復してしまう可能性もある。
細胞の1つも残さないように切り刻んで、できるだけ早く浄化する!
お父さんとお母さんが休むまでは意地でも休まない!
「竜也、がんばったね、見違えるように強くなったね」
「うん、お父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜りたくてがんばったよ」
「竜也の頑張りを誇りに思うぞ」
「うん、もっとがんばってお父さんに追いついて見せるよ!」
「ねえ、鷹雄さん、竜也の夢をかなえてあげても良いのではなくて?」
「そうだな、これだけ強くなっているのならだいじょうぶだろう。
どうだ、竜也、このままビキンダンジョンに潜ってみるか?」
「良いの?!」
「良かったわね」
「行く、今直ぐ一緒に潜りたい」
★★★★★★
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