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第1章
第45話:家族会議
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僕は国際ダンジョン協会にこれまでの調査結果を報告した。
同時に一度は命を賭けて調査したので、これ以上の調査はできないと言い切った。
国際ダンジョン協会は調査の続行を頼んできたが、通常の礼金や報酬しか渡さないと言ってきたので、無視して帰った。
僕の命はそんなに安くはない!
「よく無事に戻ったね、今回はよくやった、手放しでほめてやるよ!」
おばあちゃんにここまでほめられるのは初めてだった。
幼い頃からの練習でも、公共の初心者ダンジョンに行くようになってからも、良い所はちゃんとほめてくれたけれど、これほどではなかった。
僕としてもがんばったとは思っていたけれど、これほどほめられるくらいの結果を出したのだとは、思ってもいなかった。
これで一人前と認められたのかな?
お父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜れるかな?
「これからの事なんだが、最悪の場合はもう1度あいつと戦ってもらう事になる」
「戦うのはだいじょうぶですが、秘密の魔術を使っても良いのですか?」
「その時は使ってもらう、竜也の命には代えられないからね」
「それは、モンスターが制限なしに動けるようになった時ですか?
それとも国や協会が正当な報酬を払った場合ですか?」
「両方だ、人間が滅ぶような状況で無視はできないし、強力な魔術を公開してもいいくらいの報酬を払う者がいるのなら、竜也を英雄にしても良い」
「お父さんやお母さんの方が英雄ふさわしいのではありませんか?」
「世界の英雄を家から出すのなら、その見返りは長く手に入れておきたい。
鷹雄よりも竜也の方が見返りを長く手に入れられる」
「分かりました、恥ずかしいですが、家の為ならやります」
「問題はあのモンスターの底が知れない所と、ダンジョンとの関係だね」
「あのモンスターがダンジョンの意志で外に出ているという事ですか?」
「よく分かっているじゃないか」
「全部おばあちゃんに習いましたから」
「そんな事を言うと、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが泣くよ」
「家族みんなに教えていただきました」
「ふっふふふふ、昔から『年寄りっ子は三文安い』と言うんだが、私としてはうれしいから仕方がないね」
「はい、安くなってもだいじょうぶなくらいがんばりました」
「そうだね、三文くらい安くなっても、竜也の価値は他人とは比べ物にならないさ。
話を戻すが、モンスターがダンジョンの意志なら並のやり方では倒せない」
「ダンジョンの恩恵であるレベルアップや魔術では倒せないということですね」
「ああ、ダンジョンに関係ない方法で倒さないといけないが、その方法がまだはっきりとしないから、しばらくはここで自分を鍛えていな」
「レベルアップの意味がないのに、レベルアップするのですか?」
「他に何をさせたらいいのか分からないから、これまで通りの訓練をするしかない。
それに、そのモンスターを超えるレベルなら倒せる可能性も少しはあるからね」
「分かりました、これまで通りの訓練をします」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪ファンクラブのライン
Benno:みゆき姫が寄付をしないと言いだすとは思わなかった!
ノンバア:竜也君に危険なマネをさせたくないのよ。
ゆうご:正直焼ける!
Rafael:あれだけの事を目の前で見せつけられてきたんだ、惚れるのも当然だ。
藤河太郎:認めない、俺は絶対に認めないぞ、みゆき姫は永遠の乙女だ。
雷伝五郎:言いたい、文句を言いたいが、言ったら永久追放だ。
Benno:そうだぞ、複雑な心境は分かるが、彼は良くやっている。
ノンバア:モスクワ臨時政府も色々準備しているそうだけど……
ゆうご:準備していると言っているだけで、何もしていない!
藤河太郎:すまん、しばらく黙っている。
雷伝五郎:俺も黙るわ。
Rafael:おい、おい、また人が減るのかよ!?
Benno:平静になるのを待とう、それにここはみゆき姫のライブ配信じゃない。
ノンバア:そうね、ライブまでに復帰してくれれば十分よ。
ゆうご:で、話を戻すが、みゆき姫たちは竜也が心配なのだな?
Rafael:当然だろう、あの魔術が効かなかったモンスターだぞ!
ノンバア:それに、国も国際ダンジョン協会もろくな礼金を支払わないわ!
Rafael:そうだな、そんな状態で命は賭けられないよな!
Benno:冒険者のファミリーやクラン間で駆け引きもあるようだ。
ゆうご:自国の冒険者を温存しようとしているのだな。
Rafael:そして竜也君にだけ危険を押し付ける!
Benno:家族や友人が戦わせたくないと思うのは当然だろう。
ノンバア:では私たちも資金集めを中止する?
Rafael:そうするしかないよな。
Benno:いや、ロシアはRafaelたちの母国だ、見捨てる訳には行かない。
ゆうご:そうだな、仲間を見捨てる訳には行かない!
ノンバア:そうね、竜也君に渡すのではなく、ロシア復興に使えばいいわ。
Rafael:ありがとう、うれしいよ、ありがとう!
Kenneth:数は少ないが、合衆国にもロシアの支援をする者がいるぞ!
豚キムチ:復活、ロシア美少女を助けないなんて許せない!
みゆき命:ロシア美少女は世界の至宝、何としても助けるべき!
Benno:こりない奴らだ、復活早々永久追放になるぞ!
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
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<(_ _)>
同時に一度は命を賭けて調査したので、これ以上の調査はできないと言い切った。
国際ダンジョン協会は調査の続行を頼んできたが、通常の礼金や報酬しか渡さないと言ってきたので、無視して帰った。
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「よく無事に戻ったね、今回はよくやった、手放しでほめてやるよ!」
おばあちゃんにここまでほめられるのは初めてだった。
幼い頃からの練習でも、公共の初心者ダンジョンに行くようになってからも、良い所はちゃんとほめてくれたけれど、これほどではなかった。
僕としてもがんばったとは思っていたけれど、これほどほめられるくらいの結果を出したのだとは、思ってもいなかった。
これで一人前と認められたのかな?
お父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜れるかな?
「これからの事なんだが、最悪の場合はもう1度あいつと戦ってもらう事になる」
「戦うのはだいじょうぶですが、秘密の魔術を使っても良いのですか?」
「その時は使ってもらう、竜也の命には代えられないからね」
「それは、モンスターが制限なしに動けるようになった時ですか?
それとも国や協会が正当な報酬を払った場合ですか?」
「両方だ、人間が滅ぶような状況で無視はできないし、強力な魔術を公開してもいいくらいの報酬を払う者がいるのなら、竜也を英雄にしても良い」
「お父さんやお母さんの方が英雄ふさわしいのではありませんか?」
「世界の英雄を家から出すのなら、その見返りは長く手に入れておきたい。
鷹雄よりも竜也の方が見返りを長く手に入れられる」
「分かりました、恥ずかしいですが、家の為ならやります」
「問題はあのモンスターの底が知れない所と、ダンジョンとの関係だね」
「あのモンスターがダンジョンの意志で外に出ているという事ですか?」
「よく分かっているじゃないか」
「全部おばあちゃんに習いましたから」
「そんな事を言うと、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが泣くよ」
「家族みんなに教えていただきました」
「ふっふふふふ、昔から『年寄りっ子は三文安い』と言うんだが、私としてはうれしいから仕方がないね」
「はい、安くなってもだいじょうぶなくらいがんばりました」
「そうだね、三文くらい安くなっても、竜也の価値は他人とは比べ物にならないさ。
話を戻すが、モンスターがダンジョンの意志なら並のやり方では倒せない」
「ダンジョンの恩恵であるレベルアップや魔術では倒せないということですね」
「ああ、ダンジョンに関係ない方法で倒さないといけないが、その方法がまだはっきりとしないから、しばらくはここで自分を鍛えていな」
「レベルアップの意味がないのに、レベルアップするのですか?」
「他に何をさせたらいいのか分からないから、これまで通りの訓練をするしかない。
それに、そのモンスターを超えるレベルなら倒せる可能性も少しはあるからね」
「分かりました、これまで通りの訓練をします」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪ファンクラブのライン
Benno:みゆき姫が寄付をしないと言いだすとは思わなかった!
ノンバア:竜也君に危険なマネをさせたくないのよ。
ゆうご:正直焼ける!
Rafael:あれだけの事を目の前で見せつけられてきたんだ、惚れるのも当然だ。
藤河太郎:認めない、俺は絶対に認めないぞ、みゆき姫は永遠の乙女だ。
雷伝五郎:言いたい、文句を言いたいが、言ったら永久追放だ。
Benno:そうだぞ、複雑な心境は分かるが、彼は良くやっている。
ノンバア:モスクワ臨時政府も色々準備しているそうだけど……
ゆうご:準備していると言っているだけで、何もしていない!
藤河太郎:すまん、しばらく黙っている。
雷伝五郎:俺も黙るわ。
Rafael:おい、おい、また人が減るのかよ!?
Benno:平静になるのを待とう、それにここはみゆき姫のライブ配信じゃない。
ノンバア:そうね、ライブまでに復帰してくれれば十分よ。
ゆうご:で、話を戻すが、みゆき姫たちは竜也が心配なのだな?
Rafael:当然だろう、あの魔術が効かなかったモンスターだぞ!
ノンバア:それに、国も国際ダンジョン協会もろくな礼金を支払わないわ!
Rafael:そうだな、そんな状態で命は賭けられないよな!
Benno:冒険者のファミリーやクラン間で駆け引きもあるようだ。
ゆうご:自国の冒険者を温存しようとしているのだな。
Rafael:そして竜也君にだけ危険を押し付ける!
Benno:家族や友人が戦わせたくないと思うのは当然だろう。
ノンバア:では私たちも資金集めを中止する?
Rafael:そうするしかないよな。
Benno:いや、ロシアはRafaelたちの母国だ、見捨てる訳には行かない。
ゆうご:そうだな、仲間を見捨てる訳には行かない!
ノンバア:そうね、竜也君に渡すのではなく、ロシア復興に使えばいいわ。
Rafael:ありがとう、うれしいよ、ありがとう!
Kenneth:数は少ないが、合衆国にもロシアの支援をする者がいるぞ!
豚キムチ:復活、ロシア美少女を助けないなんて許せない!
みゆき命:ロシア美少女は世界の至宝、何としても助けるべき!
Benno:こりない奴らだ、復活早々永久追放になるぞ!
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