28 / 53
第1章
第28話:B級冒険者昇級活動
しおりを挟む
僕たちは地上のダンジョン協会事務所で宝物の清算をした。
ほとんどはダンジョン宝石だが、アルミニウムや銀や胴もあった。
単価は安いけれど、数が多いのでそれなりの金額になる。
だが今回は、宝物の清算だけが目的ではない。
1番の目的は、冒険者レベルの昇級申請だ。
動画のコピーを提出して実力に見合ったレベルに昇級させてもらう。
待っているだけでは昇級させてくれないので、こちらから要求する。
僕のB級冒険者昇級だけではなく、3人の女の子たちをC級冒険者にする。
少し難しいけれど、深雪お姉さんと月奈お姉さんをA級冒険者にする。
1度でダメでもあきらめず、2度3度と要求する予定だ。
受付嬢に申し込むだけでなく、所長にも直接お願いする。
所長には深雪お姉さんたちとパーティーを組むのを頼まれている。
おばあちゃんに言わせれば貸しがあると状態だ。
だが以前の貸しを返してもらうのではない、貸しはもっと重要な時に使う。
所長が官僚の立場を利用して僕にパーティー入りを勧めたのだ。
こちらも女の子たちの両親、官僚の力を使って優遇してもらう。
「私的には、竜也さん、桜さん、葵さん、ルナさんの昇級は当然だと思っておます。
ですが、本部役員の多くが早過ぎると言っているのです」
「これほど明確に実力を示しても反対されるのですか?」
「はい、なにぶん4人とも小学生です。
高校生ならば、未成年でも進学していなければ働いている年齢ですから、まだ認められるか可能性もあるのですが……」
僕の言葉に所長が答えるが、分かっているのかな?
「ダンジョン協会の方々はよほど正しい生活を送られてきたのですね」
「ダンジョン協会を脅迫されるのですか?」
なんだ、分かっているじゃないか。
「脅かす気などありません、貴方たちの言う無力な小学生に、大人をおどかすような力などありません」
「貴方たちがひと言口にしたら、ファンの方々が一斉に動くのですよ!」
「おどかすために何か言う訳ではありません。
昇級を楽しみにしているファンの方々に、昇級できなかったと報告するだけです」
「そんな報告がされたら、協会の幹部は、内臓の中まで調べられてしまう」
「協会幹部の方々だけではすまないでしょう。
部下の失敗や犯罪は、上司の監督不行き届きになるのでしょう?
家族の犯罪は、夫や父親が責任を取るのだとおばあちゃんが言っていました」
「今の竜也君の言葉を公表したら、脅迫罪になりますよ」
「ええ、いいですよ、今の言葉だけで脅迫罪になるのなら、逮捕してもらいなさいとおばあちゃんが言っていました。
タカラブネファミリーは、以前から誘われていた合衆国に移民するそうです」
「そんな事になったら、日本ダンジョン協会が潰れてしまいます!」
「おばあちゃんが、官僚の天下り先がなくなって清々すると言っていました」
「少しだけ待ってください、私が話しをつけてきます」
「もう遅いと思いますよ」
「何ですって?」
「所長の最初の話を聞いた時点で、おばあちゃんが動いています。
この場面がライブ配信されています」
「竜也君、脅迫罪になるのを覚悟でライブ配信していたのですか?!」
「僕の脅迫罪より前に、協会幹部の私的な昇級基準に触れていたでしょう?
天下りをさせていた官庁にも攻撃があるのではありませんか?
もうすでに激しい攻撃が始まっているのではありませんか?」
「今まで言っていた事は私の個人的な見解であって、証拠のある話ではない」
「ですが、本部の幹部に命令されて僕たちの昇級を認めなかったのですよね?
それで幹部の方々が、僕たちが昇級できない事に関係していないと言われても、今更誰も信じてくれませんよね?」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:バカだ、日本ダンジョン協会はバカだ。
Benno:日本ダンジョン協会がバカなのは認めるが、この所長もバカなのだろうか?
雷伝五郎:どういうことだ?
Rafael:俺も分からん、何を言っているのだ?
ノンバア:ライブ配信の可能性を全く考えなかったのがおかしいのでしょう?
ゆうご:現役のダンジョン協会事務所所長なら、ライブ配信は熟知しているはずだ。
Benno:その通り、この所長は俺たちに介入させようとしてる味方だ!
ゆうご:考え過ぎだろう。
Benno:いや、こいつには、みゆき命や豚キムチの臭いを感じる。
Rafael:あいつらの事はもう言うな!
Benno:仲間を、同志を忘れろというのか?!
Rafael:違う、どこかで見ているかもしれないあいつらを、あおるんじゃない!
雷伝五郎:そうだな、あおられて出てきたら通報されるぞ。
Rafael:Kennethのように、ひっそり戻っているかもしれない。
Benno:そうか、そうだな、悪かった。
藤河太郎:それにしても、もう攻撃が始まっているみたいだな。
Benno:ああ、日本ダンジョン協会幹部の不正や犯罪がネットに暴露されている。
Rafael:こりない連中だな、政治家やマスゴミが潰されたのを見てきただろうに。
ノンバア:自分達だけはだいじょうぶだと思っていたのだろう。
ゆうご:霞が関の官僚だからな、今回もうやむやになるのか?
雷伝五郎:法務省とグルになって実刑にはならないのか?
藤河太郎:キャリアならそれくらいの力があるかもしれない。
Rafael:おい、協会だけでなく官庁にまで攻撃が始まったというのは本当か?
ノンバア:法務省、財務省、総務省、ホームページにつながらない!
ゆうご:サイレントリュウヤは恐ろしい!
雷伝五郎:我ら、みゆきファンクラブも動いているかもしれないぞ。
Benno:豚キムチやみゆき命はそっちに行っているのかもしれないな……
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
作品のお気に入り登録をお願いします。
<(_ _)>
ほとんどはダンジョン宝石だが、アルミニウムや銀や胴もあった。
単価は安いけれど、数が多いのでそれなりの金額になる。
だが今回は、宝物の清算だけが目的ではない。
1番の目的は、冒険者レベルの昇級申請だ。
動画のコピーを提出して実力に見合ったレベルに昇級させてもらう。
待っているだけでは昇級させてくれないので、こちらから要求する。
僕のB級冒険者昇級だけではなく、3人の女の子たちをC級冒険者にする。
少し難しいけれど、深雪お姉さんと月奈お姉さんをA級冒険者にする。
1度でダメでもあきらめず、2度3度と要求する予定だ。
受付嬢に申し込むだけでなく、所長にも直接お願いする。
所長には深雪お姉さんたちとパーティーを組むのを頼まれている。
おばあちゃんに言わせれば貸しがあると状態だ。
だが以前の貸しを返してもらうのではない、貸しはもっと重要な時に使う。
所長が官僚の立場を利用して僕にパーティー入りを勧めたのだ。
こちらも女の子たちの両親、官僚の力を使って優遇してもらう。
「私的には、竜也さん、桜さん、葵さん、ルナさんの昇級は当然だと思っておます。
ですが、本部役員の多くが早過ぎると言っているのです」
「これほど明確に実力を示しても反対されるのですか?」
「はい、なにぶん4人とも小学生です。
高校生ならば、未成年でも進学していなければ働いている年齢ですから、まだ認められるか可能性もあるのですが……」
僕の言葉に所長が答えるが、分かっているのかな?
「ダンジョン協会の方々はよほど正しい生活を送られてきたのですね」
「ダンジョン協会を脅迫されるのですか?」
なんだ、分かっているじゃないか。
「脅かす気などありません、貴方たちの言う無力な小学生に、大人をおどかすような力などありません」
「貴方たちがひと言口にしたら、ファンの方々が一斉に動くのですよ!」
「おどかすために何か言う訳ではありません。
昇級を楽しみにしているファンの方々に、昇級できなかったと報告するだけです」
「そんな報告がされたら、協会の幹部は、内臓の中まで調べられてしまう」
「協会幹部の方々だけではすまないでしょう。
部下の失敗や犯罪は、上司の監督不行き届きになるのでしょう?
家族の犯罪は、夫や父親が責任を取るのだとおばあちゃんが言っていました」
「今の竜也君の言葉を公表したら、脅迫罪になりますよ」
「ええ、いいですよ、今の言葉だけで脅迫罪になるのなら、逮捕してもらいなさいとおばあちゃんが言っていました。
タカラブネファミリーは、以前から誘われていた合衆国に移民するそうです」
「そんな事になったら、日本ダンジョン協会が潰れてしまいます!」
「おばあちゃんが、官僚の天下り先がなくなって清々すると言っていました」
「少しだけ待ってください、私が話しをつけてきます」
「もう遅いと思いますよ」
「何ですって?」
「所長の最初の話を聞いた時点で、おばあちゃんが動いています。
この場面がライブ配信されています」
「竜也君、脅迫罪になるのを覚悟でライブ配信していたのですか?!」
「僕の脅迫罪より前に、協会幹部の私的な昇級基準に触れていたでしょう?
天下りをさせていた官庁にも攻撃があるのではありませんか?
もうすでに激しい攻撃が始まっているのではありませんか?」
「今まで言っていた事は私の個人的な見解であって、証拠のある話ではない」
「ですが、本部の幹部に命令されて僕たちの昇級を認めなかったのですよね?
それで幹部の方々が、僕たちが昇級できない事に関係していないと言われても、今更誰も信じてくれませんよね?」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:バカだ、日本ダンジョン協会はバカだ。
Benno:日本ダンジョン協会がバカなのは認めるが、この所長もバカなのだろうか?
雷伝五郎:どういうことだ?
Rafael:俺も分からん、何を言っているのだ?
ノンバア:ライブ配信の可能性を全く考えなかったのがおかしいのでしょう?
ゆうご:現役のダンジョン協会事務所所長なら、ライブ配信は熟知しているはずだ。
Benno:その通り、この所長は俺たちに介入させようとしてる味方だ!
ゆうご:考え過ぎだろう。
Benno:いや、こいつには、みゆき命や豚キムチの臭いを感じる。
Rafael:あいつらの事はもう言うな!
Benno:仲間を、同志を忘れろというのか?!
Rafael:違う、どこかで見ているかもしれないあいつらを、あおるんじゃない!
雷伝五郎:そうだな、あおられて出てきたら通報されるぞ。
Rafael:Kennethのように、ひっそり戻っているかもしれない。
Benno:そうか、そうだな、悪かった。
藤河太郎:それにしても、もう攻撃が始まっているみたいだな。
Benno:ああ、日本ダンジョン協会幹部の不正や犯罪がネットに暴露されている。
Rafael:こりない連中だな、政治家やマスゴミが潰されたのを見てきただろうに。
ノンバア:自分達だけはだいじょうぶだと思っていたのだろう。
ゆうご:霞が関の官僚だからな、今回もうやむやになるのか?
雷伝五郎:法務省とグルになって実刑にはならないのか?
藤河太郎:キャリアならそれくらいの力があるかもしれない。
Rafael:おい、協会だけでなく官庁にまで攻撃が始まったというのは本当か?
ノンバア:法務省、財務省、総務省、ホームページにつながらない!
ゆうご:サイレントリュウヤは恐ろしい!
雷伝五郎:我ら、みゆきファンクラブも動いているかもしれないぞ。
Benno:豚キムチやみゆき命はそっちに行っているのかもしれないな……
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
作品のお気に入り登録をお願いします。
<(_ _)>
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)

異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

落ちこぼれ魔女・火花の魔法改革!〜孤独なマーメイドと海の秘宝〜
朱宮あめ
児童書・童話
火花は天真爛漫な魔女の女の子。
幼なじみでしっかり者のノアや、臆病だけど心優しい親友のドロシー、高飛車なダリアンたちと魔法学校で立派な魔女を目指していた。
あるとき、授業の一環で魔女にとって魔法を使うための大切な燃料『星の原石』を探しに行くことに。
火花とドロシーが選んだのは、海の中にある星の原石。
早速マーメイドになって海の中を探検しながら星の原石を探していると、火花は不思議な声を聴く。
美しくも悲しい歌声に、火花は吸い寄せられるように沈没船へ向かう。
かくして声の主は、海の王国アトランティカのマーメイドプリンセス・シュナであった。
しかし、シュナの声をドロシーは聴くことができず、火花だけにしか届かないことが発覚。
わけを聞くと、シュナは幼い頃、海の魔女・グラアナに声を奪われてしまったのだという。
それを聞いた火花は、グラアナからシュナの声を取り戻そうとする。
海の中を探して、ようやくグラアナと対峙する火花。
しかし話を聞くと、グラアナにも悲しい過去があって……。
果たして、火花はシュナの声を取り戻すことができるのか!?
家族、学校、友達、恋!
どんな問題も、みんなで力を合わせて乗り越えてみせます!
魔女っ子火花の奇想天外な冒険譚、ここに誕生!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる