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第1章
第27話:ライブ配信
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僕は8時間で200回を超える戦いをした。
隠し扉を探す事もなく、ただひたすら戦って回った。
水亜竜を1頭倒すだけで良いのならもっと早いのだが、運が悪いとジェネラルスケルトンとナイトスケルトンが1000以上出て来るので、時間がかかるのだ。
「戻りました、レベルアップ痛はどうですか?」
僕は、剣を持ち警戒態勢を崩さない深雪お姉さんと月奈お姉さんに声をかけた。
3人の女の子たちはまだ横になっている。
「ありがとう、もう私たちはだいじょうぶ、問題はこの子達なのだけれど……」
「今のまま休んでいるよりも、レベルアップした方が早く痛みが取れます」
「ホントウ?」
ルナが真っ青な顔をこちらに向けて聞いてきた。
痛いのは痛いが、そんな顔色になるくらい痛いか?
「僕もつい最近まで毎日レベルアップ痛になっていたからね」
「ダッタラタオス、モンスターヲタオス」
「私も、こんな痛いのはもう嫌、モンスターを倒して楽になる」
「竜也君がウソを言う訳がないし、私もモンスターを倒します」
ルナ、葵、桜の順で起きてきた。
ほんの少し移動するだけでモンスターを出現させる場所がある。
地下46階だと、どこにいても少し移動するだけでモンスター出現地帯がある。
5人とも万全の状態ではないから、僕がモンスターを出現させる。
直ぐに手足や尻尾など、攻撃に使う場所を斬り落として無力化する。
後は5人が止めを刺してくれればいい。
深雪お姉さんと月奈お姉さんは、痛みに耐えながらモンスターに止めを刺す。
異常に早くなった手足の動き、自分で思っている以上に出てしまう力、それがコントロールできなくて急所を正確に突けないでいる。
「急所は狙わない、ひたすら武器を叩き込む」
僕の言葉を聞いて、深雪お姉さんと月奈お姉さんが戦い方を変えた。
僕は2人を見ながら、3人の女の子たちの方を重点的に気をつける。
彼女達の方が痛みが強い上に、体のコントロールを失っている。
余りに早くレベルアップしたせいで、頭の中にあるこれくらいできるという感覚と、実際にできる事が違い過ぎている。
モンスターに近づくつもりが通り越してしまったり、モンスターに当てるつもりだったのにはるか手前の床に武器を叩きつけたりしてしまう。
「盾を構えてゆっくり近づく、武器の届く所まで近づいてから叩きつける。
狙いは真ん中、上から下に叩きつける!」
レベルアップ痛で動けなる直前と同じ戦い方は絶対にできない。
1番良い頃、自由自在に身体と武器を動かしていた時の戦い方をしようとしても、今の状態では絶対に無理なのだ。
子供の頃、初めての遊びを覚える時のように、少しずつ慣れていくしかない。
「すごい、一瞬で痛みがなくなりました!」
桜が1番最初に僕の言う通りにしてくれた。
慎重な性格だけれど、僕の言う事はうたがわずに実行してくれる。
「あ、私も、私も痛みがなくなりました!
葵は自分で色々試したい性格で、最初は自分なりに工夫しようとしていた。
だけど、目の前でお姉さん2人が俺の言う通りするのを見て、従ってくれた。
直ぐにレベルアップして楽になるだろう。
ルナが最後まで自分で何とかしようとしたけれど、友達2人が痛みから解放されたのを見て、僕の言う通りにした。
それでも、ついつい自分なりのくふうを加えようとしてしまうから、少し狙いをはずしたり、モンスターの攻撃を許したりしてしまう。
僕ならモンスターの攻撃を防げるのだけれど、痛い思いをしないと直らないので、ルナには命の心配のない攻撃を受けてもらう。
今のルナの力なら、十分よけられる攻撃だから、当たるのは本人が悪い。
攻撃する時に隙ができるクセは、今のうちに直しておいた方が良い。
今回は1時間に4つもレベルアップさせない方が良い。
レベルアップ痛にならないように少なめにもンスターを倒させる。
体の動かし方を身に付けるだけなら、ダンスでも構わない。
今日は疲れただろうから、ダンジョン内で歌とダンスを終わらせてあげよう。
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:レベルアップしたらレベルアップ痛が治るだと?
Benno:こんな情報、見たことがないぞ!
雷伝五郎:またタカラブネファミリーの秘匿情報が明らかになった!
Rafael:秘匿情報と言われても、再現できる者がいるのか?
ノンバア:レベルアップ痛の間にもう1度レベルアップするだと!
ゆうご:不可能に決まっているじゃないか!
Benno:それ以前に、初心者でもレベルアップ痛になる者なんていない!
ゆうご:大金を積んで誰かにレベルアップさせてもらうならできるだろう。
:だが普通の冒険者には絶対に無理だ!
Benno:できるのは敵対する大規模ファミリーか、よほどの金持ちボンボンか?
Rafael:それなら分かるが、直ぐに誰も助けてくれなくなるぞ!
Benno:タカラブネファミリーに頼んだらC級くらいまでは簡単にやってくれるぞ。
Rafael:敵対するファミリーでも同じ事をしているのだろうか?
雷伝五郎:ありえる話だな、ロシアマフィアならやっているかもしれない。
Rafael:それを言うのなら、世界中のマフィアがやっているだろう?
Benno:うぉ、なんだ、5人がダンスを始めたぞ?!
藤河太郎:5人にしては下手過ぎるな?
Benno:レベルアップして体が上手く動かせないんだ!
Rafael:戦い方だけじゃなくて、ダンスにも影響するのか……
ノンバア:ぎこちないが、手足の早さが普通じゃない!
ゆうご:手足が止まった時しか分からない、動かしている時は消えている!
雷伝五郎:どれだけ早く動けるようになっているんだ!
藤河太郎:あいつらがいたら騒がしかっただろうな……
Rafael:本当に永久追放になったのだろうか?
ノンバア:あれ以来まったく反応がないから、恐らく……
ゆうご:サイレントリュウヤは恐ろしい!
Benno:黙って見るようになっているのなら、残っているのなら良いのだが……
藤河太郎:もう諦めろ、いなくなった者はしかたがない
雷伝五郎:ここも見るだけ場所になってしまうのか?
Rafael:2000万人もいて、さみしいな……
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
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水亜竜を1頭倒すだけで良いのならもっと早いのだが、運が悪いとジェネラルスケルトンとナイトスケルトンが1000以上出て来るので、時間がかかるのだ。
「戻りました、レベルアップ痛はどうですか?」
僕は、剣を持ち警戒態勢を崩さない深雪お姉さんと月奈お姉さんに声をかけた。
3人の女の子たちはまだ横になっている。
「ありがとう、もう私たちはだいじょうぶ、問題はこの子達なのだけれど……」
「今のまま休んでいるよりも、レベルアップした方が早く痛みが取れます」
「ホントウ?」
ルナが真っ青な顔をこちらに向けて聞いてきた。
痛いのは痛いが、そんな顔色になるくらい痛いか?
「僕もつい最近まで毎日レベルアップ痛になっていたからね」
「ダッタラタオス、モンスターヲタオス」
「私も、こんな痛いのはもう嫌、モンスターを倒して楽になる」
「竜也君がウソを言う訳がないし、私もモンスターを倒します」
ルナ、葵、桜の順で起きてきた。
ほんの少し移動するだけでモンスターを出現させる場所がある。
地下46階だと、どこにいても少し移動するだけでモンスター出現地帯がある。
5人とも万全の状態ではないから、僕がモンスターを出現させる。
直ぐに手足や尻尾など、攻撃に使う場所を斬り落として無力化する。
後は5人が止めを刺してくれればいい。
深雪お姉さんと月奈お姉さんは、痛みに耐えながらモンスターに止めを刺す。
異常に早くなった手足の動き、自分で思っている以上に出てしまう力、それがコントロールできなくて急所を正確に突けないでいる。
「急所は狙わない、ひたすら武器を叩き込む」
僕の言葉を聞いて、深雪お姉さんと月奈お姉さんが戦い方を変えた。
僕は2人を見ながら、3人の女の子たちの方を重点的に気をつける。
彼女達の方が痛みが強い上に、体のコントロールを失っている。
余りに早くレベルアップしたせいで、頭の中にあるこれくらいできるという感覚と、実際にできる事が違い過ぎている。
モンスターに近づくつもりが通り越してしまったり、モンスターに当てるつもりだったのにはるか手前の床に武器を叩きつけたりしてしまう。
「盾を構えてゆっくり近づく、武器の届く所まで近づいてから叩きつける。
狙いは真ん中、上から下に叩きつける!」
レベルアップ痛で動けなる直前と同じ戦い方は絶対にできない。
1番良い頃、自由自在に身体と武器を動かしていた時の戦い方をしようとしても、今の状態では絶対に無理なのだ。
子供の頃、初めての遊びを覚える時のように、少しずつ慣れていくしかない。
「すごい、一瞬で痛みがなくなりました!」
桜が1番最初に僕の言う通りにしてくれた。
慎重な性格だけれど、僕の言う事はうたがわずに実行してくれる。
「あ、私も、私も痛みがなくなりました!
葵は自分で色々試したい性格で、最初は自分なりに工夫しようとしていた。
だけど、目の前でお姉さん2人が俺の言う通りするのを見て、従ってくれた。
直ぐにレベルアップして楽になるだろう。
ルナが最後まで自分で何とかしようとしたけれど、友達2人が痛みから解放されたのを見て、僕の言う通りにした。
それでも、ついつい自分なりのくふうを加えようとしてしまうから、少し狙いをはずしたり、モンスターの攻撃を許したりしてしまう。
僕ならモンスターの攻撃を防げるのだけれど、痛い思いをしないと直らないので、ルナには命の心配のない攻撃を受けてもらう。
今のルナの力なら、十分よけられる攻撃だから、当たるのは本人が悪い。
攻撃する時に隙ができるクセは、今のうちに直しておいた方が良い。
今回は1時間に4つもレベルアップさせない方が良い。
レベルアップ痛にならないように少なめにもンスターを倒させる。
体の動かし方を身に付けるだけなら、ダンスでも構わない。
今日は疲れただろうから、ダンジョン内で歌とダンスを終わらせてあげよう。
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:レベルアップしたらレベルアップ痛が治るだと?
Benno:こんな情報、見たことがないぞ!
雷伝五郎:またタカラブネファミリーの秘匿情報が明らかになった!
Rafael:秘匿情報と言われても、再現できる者がいるのか?
ノンバア:レベルアップ痛の間にもう1度レベルアップするだと!
ゆうご:不可能に決まっているじゃないか!
Benno:それ以前に、初心者でもレベルアップ痛になる者なんていない!
ゆうご:大金を積んで誰かにレベルアップさせてもらうならできるだろう。
:だが普通の冒険者には絶対に無理だ!
Benno:できるのは敵対する大規模ファミリーか、よほどの金持ちボンボンか?
Rafael:それなら分かるが、直ぐに誰も助けてくれなくなるぞ!
Benno:タカラブネファミリーに頼んだらC級くらいまでは簡単にやってくれるぞ。
Rafael:敵対するファミリーでも同じ事をしているのだろうか?
雷伝五郎:ありえる話だな、ロシアマフィアならやっているかもしれない。
Rafael:それを言うのなら、世界中のマフィアがやっているだろう?
Benno:うぉ、なんだ、5人がダンスを始めたぞ?!
藤河太郎:5人にしては下手過ぎるな?
Benno:レベルアップして体が上手く動かせないんだ!
Rafael:戦い方だけじゃなくて、ダンスにも影響するのか……
ノンバア:ぎこちないが、手足の早さが普通じゃない!
ゆうご:手足が止まった時しか分からない、動かしている時は消えている!
雷伝五郎:どれだけ早く動けるようになっているんだ!
藤河太郎:あいつらがいたら騒がしかっただろうな……
Rafael:本当に永久追放になったのだろうか?
ノンバア:あれ以来まったく反応がないから、恐らく……
ゆうご:サイレントリュウヤは恐ろしい!
Benno:黙って見るようになっているのなら、残っているのなら良いのだが……
藤河太郎:もう諦めろ、いなくなった者はしかたがない
雷伝五郎:ここも見るだけ場所になってしまうのか?
Rafael:2000万人もいて、さみしいな……
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