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第1章
第23話:身勝手
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お父さんとお母さんがS級専用ダンジョンをいつ攻略されるのか?
とても難しく、ライバルと競争になっていると言っていた。
父さんとお母さんはウソつきではないけれど、駆け引きはされる。
僕との話を、ライバルに盗み聞きされている事くらい考えている。
もしかしたら、わざとライバルに聞かせているかもしれない。
ライバルに、宝物の発見には時間がかかると思わせるためかもしれない。
だとしたら、明日や明後日にも宝物を手に入れられるかもしれない。
直ぐに他のダンジョンに行かれるかもしれない。
宿題にこれ以上時間をかける訳にはいかない!
お姉さんたちには悪いけれど、先に地下51階に行っておかないといけない!
「地下51階まで一気に潜ります、ついて来て下さい」
「え、危険過ぎます、竜也さんらしくありません」
「いいね、いいね、私たちなら行けるかも?」
「ドンナモンスターガイルノカタノシミデス」
「へぇ、竜也君でもそんな無茶を言う事あるんだ、でも楽しみ」
「本当にやれると思っているのでしょうね?!」
「お姉さんたちは見学だけしていてください、僕だけが戦います!
とは言っても、極力戦いません。
僕の言う通りのタイミングでついて来て下さい!」
僕の家には、世界中のダンジョンの細かい情報があります。
その中には舞洲ダンジョンの情報もあります。
どの時間にどのルートを使えばモンスターに遭遇しないかが分かっています。
問題は、その時間とルートを正確に守るのがものすごく難しい事です。
僕だけなら簡単なのですが、6人で潜ると不可能に近いのです。
お父さんとお母さんはこうなると分かっていたのでしょうか?
もうこうなったら、お姉さんたちにも戦ってもらうしかないです。
全モンスターを僕が瞬殺するのは簡単ですが、お姉さんたち利益になりません。
レベル上げくらいは手伝わないと、深くまで付き合ってもらうのに、悪いです。
この深さで、できるだけ早く地下51階層にまで潜ろうと思うと、お姉さんたちの実力では多くの強いモンスターを出してしまいます。
余りにも実力差の大きいモンスターを短時間で倒し続けてしまうと、お姉さんたちがレベルアップ痛になるのはしかたありません。
これまでは、お姉さんたちが痛い思いをしないようにしてきました。
あまりに早くレベルアップすると涙が出るくらい体中が痛くなるからです。
僕はもう慣れっこになっていますが、初めての時はワンワン泣いてしまいました。
ずっと小さな頃だからしかたがなかったのです。
誰だって5つや6つで全身痛くなったら泣いてしまいます。
「きゃ!」
慎重なサクラが、ほんの少しタイミングがお遅くなって地亜竜を出してしまったので、僕が手足を斬り飛ばしてあげます。
「額に突きを入れて止めを刺して!」
慎重な桜なので直ぐに動けないかと心配していましたが、ちゃんと止めを刺してくれました。
葵は早すぎる事もなく遅すぎる事もなく時間通りルートを通過してくれました。
「オウ、ヤッチャイマシタ!」
集中力を欠いたルナが一舜早くモンスターが現れる通路に入ってしまいました。
0・1秒遅ければモンスターが現れないのに、困ったものです。
今回も僕が地亜竜の手足を斬り飛ばしてあげます。
「額に突きを入れて止めを刺して!」
これでは予定よりも早くお姉さんたちがレベルアップ痛になってしまいます。
途中で動けなくなるのが計算よりも早くなってしまいます。
このままでは地下51階に行けるのが明日になってしまいます。
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:すごい、信じられない、また地亜竜を瞬殺しているぞ!
Benno:瞬殺なんてもんじゃない、自分で倒せるのに女の子たちに譲っている!
雷伝五郎:これだと、経験値が女の子たちに入るんだよな?
Rafael:え、まじで、地亜竜の経験値を他人にあげるの?!
Kenneth:バカだ、アメリカ人はこんなバカな事はしない、あ!
Benno:バカはお前だ、今度こそ永久追放だぞ!
Kenneth:なし、なし、今の無し、直ぐ消す、全部消すから許して!
ノンバア:サイレントリュウヤが許してくれるだろうか……
Rafael:ヤンキーは本当に救いようのないバカだ!
Kenneth:今回だけは否定できねぇ。
ゆうご:バカなヤンキーは放っておくとして、竜也はなぜこんな事をしている?
Benno:何か急ぐ理由があるのだろうが、その理由が分からない。
ゆうご:地亜竜の経験値をパーティーメンバーに譲るほどの理由?
Benno:パーティーメンバー全員をC級冒険者にして国際デビューか?
豚キムチ:ウォオオオオ、尊い、みゆき姫の国際デビュー!
みゆき命:国内コンサートも良いが、国際デビューも尊い!
Rafael:そうだな、みゆき姫の国際デビューは見てみたいな!
Benno:待ってくれ、想像で言っただけだ、確証などない!
豚キムチ:そんな事は分かっている、だが強くなるのは間違いない!
みゆき命:そうだ、みゆき姫が強くなるのは間違いない!
豚キムチ:A級、これでみゆき姫も超一流冒険者の仲間入りか!
みゆき命:これでA級冒険者のアイドル、尊い!
Rafael:さっきからKennethが反応していない、永久追放になったのか?
雷伝五郎:諦めろ、サイレントリュウヤに逆らった者に明日はない!
豚キムチ:愚かな、一度アカウント消去されたのにこりなからだ!
みゆき命:みゆき姫のためなら書きたいことも言いたいこともガマンする!
Benno:余計な事は書くなよ、Kennethを助けようとしたら巻き込まれるぞ!
豚キムチ:分かっている、俺は自分が一番かわいい……
みゆき命:みゆき姫に比べればKennethなど無価値!
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
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<(_ _)>
とても難しく、ライバルと競争になっていると言っていた。
父さんとお母さんはウソつきではないけれど、駆け引きはされる。
僕との話を、ライバルに盗み聞きされている事くらい考えている。
もしかしたら、わざとライバルに聞かせているかもしれない。
ライバルに、宝物の発見には時間がかかると思わせるためかもしれない。
だとしたら、明日や明後日にも宝物を手に入れられるかもしれない。
直ぐに他のダンジョンに行かれるかもしれない。
宿題にこれ以上時間をかける訳にはいかない!
お姉さんたちには悪いけれど、先に地下51階に行っておかないといけない!
「地下51階まで一気に潜ります、ついて来て下さい」
「え、危険過ぎます、竜也さんらしくありません」
「いいね、いいね、私たちなら行けるかも?」
「ドンナモンスターガイルノカタノシミデス」
「へぇ、竜也君でもそんな無茶を言う事あるんだ、でも楽しみ」
「本当にやれると思っているのでしょうね?!」
「お姉さんたちは見学だけしていてください、僕だけが戦います!
とは言っても、極力戦いません。
僕の言う通りのタイミングでついて来て下さい!」
僕の家には、世界中のダンジョンの細かい情報があります。
その中には舞洲ダンジョンの情報もあります。
どの時間にどのルートを使えばモンスターに遭遇しないかが分かっています。
問題は、その時間とルートを正確に守るのがものすごく難しい事です。
僕だけなら簡単なのですが、6人で潜ると不可能に近いのです。
お父さんとお母さんはこうなると分かっていたのでしょうか?
もうこうなったら、お姉さんたちにも戦ってもらうしかないです。
全モンスターを僕が瞬殺するのは簡単ですが、お姉さんたち利益になりません。
レベル上げくらいは手伝わないと、深くまで付き合ってもらうのに、悪いです。
この深さで、できるだけ早く地下51階層にまで潜ろうと思うと、お姉さんたちの実力では多くの強いモンスターを出してしまいます。
余りにも実力差の大きいモンスターを短時間で倒し続けてしまうと、お姉さんたちがレベルアップ痛になるのはしかたありません。
これまでは、お姉さんたちが痛い思いをしないようにしてきました。
あまりに早くレベルアップすると涙が出るくらい体中が痛くなるからです。
僕はもう慣れっこになっていますが、初めての時はワンワン泣いてしまいました。
ずっと小さな頃だからしかたがなかったのです。
誰だって5つや6つで全身痛くなったら泣いてしまいます。
「きゃ!」
慎重なサクラが、ほんの少しタイミングがお遅くなって地亜竜を出してしまったので、僕が手足を斬り飛ばしてあげます。
「額に突きを入れて止めを刺して!」
慎重な桜なので直ぐに動けないかと心配していましたが、ちゃんと止めを刺してくれました。
葵は早すぎる事もなく遅すぎる事もなく時間通りルートを通過してくれました。
「オウ、ヤッチャイマシタ!」
集中力を欠いたルナが一舜早くモンスターが現れる通路に入ってしまいました。
0・1秒遅ければモンスターが現れないのに、困ったものです。
今回も僕が地亜竜の手足を斬り飛ばしてあげます。
「額に突きを入れて止めを刺して!」
これでは予定よりも早くお姉さんたちがレベルアップ痛になってしまいます。
途中で動けなくなるのが計算よりも早くなってしまいます。
このままでは地下51階に行けるのが明日になってしまいます。
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:すごい、信じられない、また地亜竜を瞬殺しているぞ!
Benno:瞬殺なんてもんじゃない、自分で倒せるのに女の子たちに譲っている!
雷伝五郎:これだと、経験値が女の子たちに入るんだよな?
Rafael:え、まじで、地亜竜の経験値を他人にあげるの?!
Kenneth:バカだ、アメリカ人はこんなバカな事はしない、あ!
Benno:バカはお前だ、今度こそ永久追放だぞ!
Kenneth:なし、なし、今の無し、直ぐ消す、全部消すから許して!
ノンバア:サイレントリュウヤが許してくれるだろうか……
Rafael:ヤンキーは本当に救いようのないバカだ!
Kenneth:今回だけは否定できねぇ。
ゆうご:バカなヤンキーは放っておくとして、竜也はなぜこんな事をしている?
Benno:何か急ぐ理由があるのだろうが、その理由が分からない。
ゆうご:地亜竜の経験値をパーティーメンバーに譲るほどの理由?
Benno:パーティーメンバー全員をC級冒険者にして国際デビューか?
豚キムチ:ウォオオオオ、尊い、みゆき姫の国際デビュー!
みゆき命:国内コンサートも良いが、国際デビューも尊い!
Rafael:そうだな、みゆき姫の国際デビューは見てみたいな!
Benno:待ってくれ、想像で言っただけだ、確証などない!
豚キムチ:そんな事は分かっている、だが強くなるのは間違いない!
みゆき命:そうだ、みゆき姫が強くなるのは間違いない!
豚キムチ:A級、これでみゆき姫も超一流冒険者の仲間入りか!
みゆき命:これでA級冒険者のアイドル、尊い!
Rafael:さっきからKennethが反応していない、永久追放になったのか?
雷伝五郎:諦めろ、サイレントリュウヤに逆らった者に明日はない!
豚キムチ:愚かな、一度アカウント消去されたのにこりなからだ!
みゆき命:みゆき姫のためなら書きたいことも言いたいこともガマンする!
Benno:余計な事は書くなよ、Kennethを助けようとしたら巻き込まれるぞ!
豚キムチ:分かっている、俺は自分が一番かわいい……
みゆき命:みゆき姫に比べればKennethなど無価値!
★★★★★★
作者です。
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