19 / 53
第1章
第19話:圧力と不本意
しおりを挟む
お姉さんたちのファンは、色んな意味でとても力が強かった。
ファンたちが行う度重なるサーバー攻撃に、日本政府だけでなく表に出ていなかった抵抗勢力も膝を屈した。
お姉さんたちのファンは、表に出て反対していたバカだけでなく、陰で政治家を動かしていた連中を見つけ出し、彼らが重ねていた犯罪を公表した。
政治家は不逮捕特権を使って逃げ切ろうとしたが、新たな入札でテレビ放映権を手に入れた、まだ初々しいテレビ局の激しい追及に負けて国会議員を辞職した。
辞職したら不逮捕特権がないので、警察に連行され厳しい取り調べを受ける。
陰に隠れて政治家を動かしていた卑怯者は、とうぜん政治家よりも前に逮捕され、激しい取り調べを受けていた。
彼らがいなくなった事で、お姉さんたちの昇級をじゃまする者はいなくなった。
国際ダンジョン協会の圧力もあり、日本ダンジョン協会はお姉さんたちを直ぐに昇級させた。
深雪お姉さんと月奈お姉さんはB級冒険者に昇級した。
桜、葵、ルナの小学生3人組はD級冒険者に昇級した。
僕は晴れてC級冒険者に昇級する事ができた!
これでお父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜れる。
世界を渡り歩くトレジャーハンターになれる!
世界一のトレジャーハンターに一歩近づいた!
「竜也、お父さんから連絡だよ」
おばあちゃんの言葉に、僕が急いでドローンの映像通信を開くと、お父さんとお母さんが映っていた。
「C級昇級おめでとう、よくやったぞ」
「本当に良くやったね、竜也」
「ありがとう、お父さんと、お母さん、これで僕も一緒に潜れるね」
「それなんだけれどな、せっかくパーティーを組んだのだから、もう少しがんばれ」
「そうよ、竜也、男の子なのだから、女の子と仲良くなるのは大事よ」
「いやだよ、女の子なんかにきょうみないよ!
それよりもお父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜りたいよ」
「お父さんも竜也と一緒にダンジョンに潜りたいのだけど、直ぐには無理なんだ」
「そうなのよ、今潜っているダンジョンがS級専用なのよ」
「そんな、僕がC級になったら一緒に潜るって言っていたじゃないか!」
「ああ、約束通り、C級になったから一緒に潜るぞ」
「お母さんも約束通り一緒に潜るわよ」
「だったら何でだよ」
分かっている、本当は分かっているんだ。
こんな子供っぽい事を言いたい訳じゃない。
でも、分かっているのに、ガマンできずに口にしてしまった。
「今は誰も潜った事のない深さまで潜っているんだが、追いかけて来る奴らがいる」
「そうなのよ、今ここを出てしまったら、ライバルに負けちゃうのよ」
「うん、本当は分かっている、お父さんお母さんが負けるのは嫌だ。
タカラブネファミリーが他のファミリーに負けるのは見たくない。
お父さんとお母さんが勝ってから一緒に潜るよ」
「よく言った、それでこそ俺の息子だ」
「えらいわ、お母さんは竜也を誇りに思うわ」
「うん、お父さんとお母さんの子供として恥ずかしくないトレジャーハンターになるから、ケガをしないようにしてね」
「ああ、まかせろ、傷1つ負わずに勝つぞ」
「お母さんもかすり傷1つ負わずに帰るわね」
「うん、約束だよ」
「竜也、帰るまでの宿題を出すが、やれるか?」
「うん、お父さんが出してくれる宿題なら喜んでやるよ」
「そうか、だったら2つ出すから、そのうちの1つをやれれば合格だ」
「2つのうち1つでいいの?
2つともでもやってみせるよ!」
「1つはプライベートダンジョン以外で地下51階まで行く事。
これは竜也が1人でもできる事だから、がんばりなさい」
「はい!」
「もう1つは、パーティーメンバー全員をC級以上にする事。
これは自分の努力だけではできない事だし、無理をしたらパーティーが崩壊する。
だから絶対にやれとは言えないし、メンバー運がないと絶対にできない事だ」
「分かった、できる範囲でがんばるよ」
「分かっているだろうが、パーティーが解散するような事をしたら、1つめの宿題ができていても不合格にするからな!」
「だいじょうぶ、パーティーメンバーに無理はさせないよ。
命の危険にならない程度に、彼女達のためにもなりやり方でがんばるよ」
「絶対に無理をするなよ」
「女の子には優しくしてあげなさい」
「うん、分かっているよ」
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
作品のお気に入り登録をお願いします。
<(_ _)>
ファンたちが行う度重なるサーバー攻撃に、日本政府だけでなく表に出ていなかった抵抗勢力も膝を屈した。
お姉さんたちのファンは、表に出て反対していたバカだけでなく、陰で政治家を動かしていた連中を見つけ出し、彼らが重ねていた犯罪を公表した。
政治家は不逮捕特権を使って逃げ切ろうとしたが、新たな入札でテレビ放映権を手に入れた、まだ初々しいテレビ局の激しい追及に負けて国会議員を辞職した。
辞職したら不逮捕特権がないので、警察に連行され厳しい取り調べを受ける。
陰に隠れて政治家を動かしていた卑怯者は、とうぜん政治家よりも前に逮捕され、激しい取り調べを受けていた。
彼らがいなくなった事で、お姉さんたちの昇級をじゃまする者はいなくなった。
国際ダンジョン協会の圧力もあり、日本ダンジョン協会はお姉さんたちを直ぐに昇級させた。
深雪お姉さんと月奈お姉さんはB級冒険者に昇級した。
桜、葵、ルナの小学生3人組はD級冒険者に昇級した。
僕は晴れてC級冒険者に昇級する事ができた!
これでお父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜れる。
世界を渡り歩くトレジャーハンターになれる!
世界一のトレジャーハンターに一歩近づいた!
「竜也、お父さんから連絡だよ」
おばあちゃんの言葉に、僕が急いでドローンの映像通信を開くと、お父さんとお母さんが映っていた。
「C級昇級おめでとう、よくやったぞ」
「本当に良くやったね、竜也」
「ありがとう、お父さんと、お母さん、これで僕も一緒に潜れるね」
「それなんだけれどな、せっかくパーティーを組んだのだから、もう少しがんばれ」
「そうよ、竜也、男の子なのだから、女の子と仲良くなるのは大事よ」
「いやだよ、女の子なんかにきょうみないよ!
それよりもお父さんお母さんと一緒にダンジョンに潜りたいよ」
「お父さんも竜也と一緒にダンジョンに潜りたいのだけど、直ぐには無理なんだ」
「そうなのよ、今潜っているダンジョンがS級専用なのよ」
「そんな、僕がC級になったら一緒に潜るって言っていたじゃないか!」
「ああ、約束通り、C級になったから一緒に潜るぞ」
「お母さんも約束通り一緒に潜るわよ」
「だったら何でだよ」
分かっている、本当は分かっているんだ。
こんな子供っぽい事を言いたい訳じゃない。
でも、分かっているのに、ガマンできずに口にしてしまった。
「今は誰も潜った事のない深さまで潜っているんだが、追いかけて来る奴らがいる」
「そうなのよ、今ここを出てしまったら、ライバルに負けちゃうのよ」
「うん、本当は分かっている、お父さんお母さんが負けるのは嫌だ。
タカラブネファミリーが他のファミリーに負けるのは見たくない。
お父さんとお母さんが勝ってから一緒に潜るよ」
「よく言った、それでこそ俺の息子だ」
「えらいわ、お母さんは竜也を誇りに思うわ」
「うん、お父さんとお母さんの子供として恥ずかしくないトレジャーハンターになるから、ケガをしないようにしてね」
「ああ、まかせろ、傷1つ負わずに勝つぞ」
「お母さんもかすり傷1つ負わずに帰るわね」
「うん、約束だよ」
「竜也、帰るまでの宿題を出すが、やれるか?」
「うん、お父さんが出してくれる宿題なら喜んでやるよ」
「そうか、だったら2つ出すから、そのうちの1つをやれれば合格だ」
「2つのうち1つでいいの?
2つともでもやってみせるよ!」
「1つはプライベートダンジョン以外で地下51階まで行く事。
これは竜也が1人でもできる事だから、がんばりなさい」
「はい!」
「もう1つは、パーティーメンバー全員をC級以上にする事。
これは自分の努力だけではできない事だし、無理をしたらパーティーが崩壊する。
だから絶対にやれとは言えないし、メンバー運がないと絶対にできない事だ」
「分かった、できる範囲でがんばるよ」
「分かっているだろうが、パーティーが解散するような事をしたら、1つめの宿題ができていても不合格にするからな!」
「だいじょうぶ、パーティーメンバーに無理はさせないよ。
命の危険にならない程度に、彼女達のためにもなりやり方でがんばるよ」
「絶対に無理をするなよ」
「女の子には優しくしてあげなさい」
「うん、分かっているよ」
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
作品のお気に入り登録をお願いします。
<(_ _)>
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)

異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

落ちこぼれ魔女・火花の魔法改革!〜孤独なマーメイドと海の秘宝〜
朱宮あめ
児童書・童話
火花は天真爛漫な魔女の女の子。
幼なじみでしっかり者のノアや、臆病だけど心優しい親友のドロシー、高飛車なダリアンたちと魔法学校で立派な魔女を目指していた。
あるとき、授業の一環で魔女にとって魔法を使うための大切な燃料『星の原石』を探しに行くことに。
火花とドロシーが選んだのは、海の中にある星の原石。
早速マーメイドになって海の中を探検しながら星の原石を探していると、火花は不思議な声を聴く。
美しくも悲しい歌声に、火花は吸い寄せられるように沈没船へ向かう。
かくして声の主は、海の王国アトランティカのマーメイドプリンセス・シュナであった。
しかし、シュナの声をドロシーは聴くことができず、火花だけにしか届かないことが発覚。
わけを聞くと、シュナは幼い頃、海の魔女・グラアナに声を奪われてしまったのだという。
それを聞いた火花は、グラアナからシュナの声を取り戻そうとする。
海の中を探して、ようやくグラアナと対峙する火花。
しかし話を聞くと、グラアナにも悲しい過去があって……。
果たして、火花はシュナの声を取り戻すことができるのか!?
家族、学校、友達、恋!
どんな問題も、みんなで力を合わせて乗り越えてみせます!
魔女っ子火花の奇想天外な冒険譚、ここに誕生!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる