10 / 53
第1章
第10話:しっと
しおりを挟む
もう一度ダンジョンに潜れて本当に良かった。
ただ、バックパックの中にある非常食と水は無駄づかいできない。
だから仕方なく、あまり美味しくない協会の食堂でご飯を食べた。
「みんなには隠し扉を確認してもらいます。
僕が指示した隠し扉を開けてみてください」
「「「はい」」」
僕と同じくらいの3人が返事をしてくれる。
おばあちゃんと2人のお姉さんは付添人として背中を守ってくれている。
「隠し扉の中に、もう1つ隠し扉がある事があります。
上、下、周囲を押し引きして、前後左右にスライドさせて、開かないか確かめて」
「「「はい」」」
3人がていねいに探していますので、時間がかかります。
僕だけでやった方が早いくらいですが、パーティーだからしかたありません。
パーティーを組むときは、一番未熟な人間に合わせないと死んでしまいます。
2人のお姉さんが驚いた表情をしています。
隠し扉の中にも隠し扉がある、この程度の事も知らなかったのでしょうか?
「宝船聖子様、私たちも隠し扉を探してみたいのですが、宜しいでしょうか?」
やっぱり知らなかったようです、トレジャーハンターとしては全然ダメですね。
でも、自分でやってみて確かめようとする性格はトレジャーハンター向きです。
「ああ、かまわないよ、見張りはまかせな」
おばあちゃんが見張りをしてくれるなら、何の心配もありません。
でも、油断せずに周囲を警戒しなければいけません。
この宝探しは、協会からF級冒険者免許を取るだけが目的ではありません。
僕がタカラブネファミリーとして外に出ても良いのかの試験でもあるのです。
1人で公共のダンジョンに入ってもだいじょうぶだと証明しなければいけません。
2人増えたパーティーメンバーが、不意討ちを喰らわないように警戒します。
一番強い僕がみんなを守らないといけないのです。
先の見通せない十字路や曲がり角から敵が現れても、余裕をもって逃げられるように考えて、調べる隠し扉を指示しなければいけません。
5人がどのようにして隠し扉を調べているか、直接は見えませんが、体の動きを見て、上手く確かめられているか判断しなければいけません。
「深雪さん、上を確認する時のスライドする角度が悪いです。
それでは見逃す事があります。
何度隠し扉が見つからなくても、ていねいに探し続けてください」
「ごめんなさい!」
「ルナ・ウィンターズさん、僕が次の隠し扉を指示する前に終わっても、曲がり角や十字路に近づいて探さないでください。
亜竜が現れた時に、助けが間に合わなくなります」
「ごめんね、次から気をつけるわ」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
雷伝五郎:お、配信が再開されたが、よくある事なのか?
豚キムチ:いや、こんな事は初めてだ!
みゆき命:3人の新人を入れたからじゃないか?
ゆうご:寝ないで良かった。
雷伝五郎:おい、おい、おい、さっきの超人少年が指示しているぞ!
豚キムチ:うそだろ、なんで男がパーティーメンバーに入っているんだ?!
みゆき命:殺せ、みゆき姫に近づく男は殺せ!
Kenneth:おっと、これはどういう事かな、先に来ていた人。
豚キムチ:分からない、信じられない、どうなっているんだ?!
Rafael:実力者をスカウトした、それだけだろ。
みゆき命:ダメだ、ダメだ、絶対にダメだ!
Alban:冷静になれ、イレギュラーが2回もあったのだ、ボディーガードは必要だ。
Benno:配信が中断している間に調べた。
:タカラブネファミリーはパーティーメンバーを嫁にするようだ。
藤河太郎:その話は知っている、冒険者の間では有名な話だ
みゆき命:ギャアアアアア!
Kenneth:うるさい、黙れ!
Rafael:お前の方がうるさい、黙れ!
Kenneth:なんだと、露助は黙っていろ!
Rafael:ヤンキーこそ黙っていろ!
ノンバア:管理人、ケンカする奴は追放して!
Kenneth:ごめん、追放は許して!
Rafael:悪い、追放は許して!
Benno:悪ふざけはもう止めろ、冒険者はもっと真剣に見ろ。
:ここにタカラブネファミリーの知識があるのだぞ。
:隠し扉の中に隠し扉がある事を知っていた者が何人いる?
:この動画を見ていれば、冒険者として一流になれるかもしれないぞ!
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
作品のお気に入り登録をお願いします。
<(_ _)>
ただ、バックパックの中にある非常食と水は無駄づかいできない。
だから仕方なく、あまり美味しくない協会の食堂でご飯を食べた。
「みんなには隠し扉を確認してもらいます。
僕が指示した隠し扉を開けてみてください」
「「「はい」」」
僕と同じくらいの3人が返事をしてくれる。
おばあちゃんと2人のお姉さんは付添人として背中を守ってくれている。
「隠し扉の中に、もう1つ隠し扉がある事があります。
上、下、周囲を押し引きして、前後左右にスライドさせて、開かないか確かめて」
「「「はい」」」
3人がていねいに探していますので、時間がかかります。
僕だけでやった方が早いくらいですが、パーティーだからしかたありません。
パーティーを組むときは、一番未熟な人間に合わせないと死んでしまいます。
2人のお姉さんが驚いた表情をしています。
隠し扉の中にも隠し扉がある、この程度の事も知らなかったのでしょうか?
「宝船聖子様、私たちも隠し扉を探してみたいのですが、宜しいでしょうか?」
やっぱり知らなかったようです、トレジャーハンターとしては全然ダメですね。
でも、自分でやってみて確かめようとする性格はトレジャーハンター向きです。
「ああ、かまわないよ、見張りはまかせな」
おばあちゃんが見張りをしてくれるなら、何の心配もありません。
でも、油断せずに周囲を警戒しなければいけません。
この宝探しは、協会からF級冒険者免許を取るだけが目的ではありません。
僕がタカラブネファミリーとして外に出ても良いのかの試験でもあるのです。
1人で公共のダンジョンに入ってもだいじょうぶだと証明しなければいけません。
2人増えたパーティーメンバーが、不意討ちを喰らわないように警戒します。
一番強い僕がみんなを守らないといけないのです。
先の見通せない十字路や曲がり角から敵が現れても、余裕をもって逃げられるように考えて、調べる隠し扉を指示しなければいけません。
5人がどのようにして隠し扉を調べているか、直接は見えませんが、体の動きを見て、上手く確かめられているか判断しなければいけません。
「深雪さん、上を確認する時のスライドする角度が悪いです。
それでは見逃す事があります。
何度隠し扉が見つからなくても、ていねいに探し続けてください」
「ごめんなさい!」
「ルナ・ウィンターズさん、僕が次の隠し扉を指示する前に終わっても、曲がり角や十字路に近づいて探さないでください。
亜竜が現れた時に、助けが間に合わなくなります」
「ごめんね、次から気をつけるわ」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
雷伝五郎:お、配信が再開されたが、よくある事なのか?
豚キムチ:いや、こんな事は初めてだ!
みゆき命:3人の新人を入れたからじゃないか?
ゆうご:寝ないで良かった。
雷伝五郎:おい、おい、おい、さっきの超人少年が指示しているぞ!
豚キムチ:うそだろ、なんで男がパーティーメンバーに入っているんだ?!
みゆき命:殺せ、みゆき姫に近づく男は殺せ!
Kenneth:おっと、これはどういう事かな、先に来ていた人。
豚キムチ:分からない、信じられない、どうなっているんだ?!
Rafael:実力者をスカウトした、それだけだろ。
みゆき命:ダメだ、ダメだ、絶対にダメだ!
Alban:冷静になれ、イレギュラーが2回もあったのだ、ボディーガードは必要だ。
Benno:配信が中断している間に調べた。
:タカラブネファミリーはパーティーメンバーを嫁にするようだ。
藤河太郎:その話は知っている、冒険者の間では有名な話だ
みゆき命:ギャアアアアア!
Kenneth:うるさい、黙れ!
Rafael:お前の方がうるさい、黙れ!
Kenneth:なんだと、露助は黙っていろ!
Rafael:ヤンキーこそ黙っていろ!
ノンバア:管理人、ケンカする奴は追放して!
Kenneth:ごめん、追放は許して!
Rafael:悪い、追放は許して!
Benno:悪ふざけはもう止めろ、冒険者はもっと真剣に見ろ。
:ここにタカラブネファミリーの知識があるのだぞ。
:隠し扉の中に隠し扉がある事を知っていた者が何人いる?
:この動画を見ていれば、冒険者として一流になれるかもしれないぞ!
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。
作品のお気に入り登録をお願いします。
<(_ _)>
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)

異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる