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第1章
第7話:換金
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僕が提出した金2個、銀1個、宝石7個の宝物に、受付のおばさんが驚いている。
驚くだけならいいのだけれど、信用できないのか何度も見直している。
宝物を見直すだけでなく、記録用ドローンで映像まで確認している。
僕は誇り高い宝船家の人間だよ、そこら辺にいる冒険者と一緒にしないで欲しい!
でも、映像記録まで確かめてくれたのなら、戦闘力も分かったよね?
この初潜りでC級免許をくれないかな?
「宝船様、提出していただいた宝物が本物なのは確認させていただきました。
現物で持ち帰られますか、現金にして持ち帰られますか?」
受付のおばさんが顔を引きつらせながら聞いてくる。
地上に出てしまうと、プライベートダンジョンでレベルアップした能力を発揮できなくなるから危険だ。
おばあちゃんがいてくれるから、本当はだいじょうなのだけれど、今は僕1人でもダンジョンに潜れるかの試験中だからね。
「危険なのでカードに振り込んでください」
「はい、そのようにさせていただきます」
受付におばさんが、仮免許に記録されている銀行口座に入金してくれる。
金のインゴットが2つで1980万円。
銀のインゴットが1つで12万円
宝石が7つで7000円
おこづかいが欲しくてダンジョンに潜っているE冒険者は、できるだけモンスターに出会わないように隠し扉を探して、宝石を30kgほど持ち帰る。
D級くらいになると、それなりにレベルアップしているから、100kgくらいは背負って動けるけれど、それもダンジョンの中だけ。
気をつけないと地上に出た時に腰を痛めてしまうから、多くの冒険者は限界までは持ち帰らないようにしているらしい。
「こちらに入金させていただいております、お確かめください」
受付のおばさんが、仮免許から銀行口座に入金した明細を渡してくれる。
僕はそれをおばあちゃんに確認してもらう。
これで手持ちの現金はない、もう一度ダンジョンに潜れる。
「はい、ありがとうございます、間違いありません。
それで、僕の仮免許はどうなりますか?
記録を見てくださったのなら、C級でも大丈夫だと分かりますよね」
「申し訳ありません、未成年者の免許申請はとても厳しくなっております。
実力があっても許可されないことが多く、審査も時間がかかるのです」
「では、僕はずっと仮免許のままなのですか?
家の有る玉島から舞洲ダンジョンにまで通わないといけないのですか?」
「その件に関しまして、相談したいことがあると所長が申しております。
宝船聖子様、宜しいでしょうか?」
僕を通り越しておばあちゃんに確認しだした。
未成年だと何も自分で決められない。
C級免許を取って世界に出たら、一人前に扱ってもらえるのに!
「所長だけかい、ネット回線で本部の連中にも聞かれるのかい?」
「それは、私のような受付には分かりません」
「そうかい、だったら所長に合うしかないね」
「ご案内させていただきます、こちらにどうぞ」
受付のおばさんが案内してくれる後をついて行く。
地上でもおばあちゃんが背中を守ってくれる。
地上2階の一番奥の部屋にまで、おばさんの後をついて行く。
「所長、宝船聖子様と宝船竜也様をご案内させていただきました」
「ありがとう、入ってもらってくれ」
受付のおばさんがドアを開けてくれる。
「やあ、よく来てくださいました。
ここで宝船一家の聖子様に会えるとは思いもしませんでした」
「お世辞はいいから、そこにいるお嬢さんたちが誰なのか、紹介してくれるかしら」
おばあちゃんが言うように、案内された所長室にいるのは所長だけじゃなかった。
僕が助けたお姉さんたちがいた。
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
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<(_ _)>
驚くだけならいいのだけれど、信用できないのか何度も見直している。
宝物を見直すだけでなく、記録用ドローンで映像まで確認している。
僕は誇り高い宝船家の人間だよ、そこら辺にいる冒険者と一緒にしないで欲しい!
でも、映像記録まで確かめてくれたのなら、戦闘力も分かったよね?
この初潜りでC級免許をくれないかな?
「宝船様、提出していただいた宝物が本物なのは確認させていただきました。
現物で持ち帰られますか、現金にして持ち帰られますか?」
受付のおばさんが顔を引きつらせながら聞いてくる。
地上に出てしまうと、プライベートダンジョンでレベルアップした能力を発揮できなくなるから危険だ。
おばあちゃんがいてくれるから、本当はだいじょうなのだけれど、今は僕1人でもダンジョンに潜れるかの試験中だからね。
「危険なのでカードに振り込んでください」
「はい、そのようにさせていただきます」
受付におばさんが、仮免許に記録されている銀行口座に入金してくれる。
金のインゴットが2つで1980万円。
銀のインゴットが1つで12万円
宝石が7つで7000円
おこづかいが欲しくてダンジョンに潜っているE冒険者は、できるだけモンスターに出会わないように隠し扉を探して、宝石を30kgほど持ち帰る。
D級くらいになると、それなりにレベルアップしているから、100kgくらいは背負って動けるけれど、それもダンジョンの中だけ。
気をつけないと地上に出た時に腰を痛めてしまうから、多くの冒険者は限界までは持ち帰らないようにしているらしい。
「こちらに入金させていただいております、お確かめください」
受付のおばさんが、仮免許から銀行口座に入金した明細を渡してくれる。
僕はそれをおばあちゃんに確認してもらう。
これで手持ちの現金はない、もう一度ダンジョンに潜れる。
「はい、ありがとうございます、間違いありません。
それで、僕の仮免許はどうなりますか?
記録を見てくださったのなら、C級でも大丈夫だと分かりますよね」
「申し訳ありません、未成年者の免許申請はとても厳しくなっております。
実力があっても許可されないことが多く、審査も時間がかかるのです」
「では、僕はずっと仮免許のままなのですか?
家の有る玉島から舞洲ダンジョンにまで通わないといけないのですか?」
「その件に関しまして、相談したいことがあると所長が申しております。
宝船聖子様、宜しいでしょうか?」
僕を通り越しておばあちゃんに確認しだした。
未成年だと何も自分で決められない。
C級免許を取って世界に出たら、一人前に扱ってもらえるのに!
「所長だけかい、ネット回線で本部の連中にも聞かれるのかい?」
「それは、私のような受付には分かりません」
「そうかい、だったら所長に合うしかないね」
「ご案内させていただきます、こちらにどうぞ」
受付のおばさんが案内してくれる後をついて行く。
地上でもおばあちゃんが背中を守ってくれる。
地上2階の一番奥の部屋にまで、おばさんの後をついて行く。
「所長、宝船聖子様と宝船竜也様をご案内させていただきました」
「ありがとう、入ってもらってくれ」
受付のおばさんがドアを開けてくれる。
「やあ、よく来てくださいました。
ここで宝船一家の聖子様に会えるとは思いもしませんでした」
「お世辞はいいから、そこにいるお嬢さんたちが誰なのか、紹介してくれるかしら」
おばあちゃんが言うように、案内された所長室にいるのは所長だけじゃなかった。
僕が助けたお姉さんたちがいた。
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
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