冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全

文字の大きさ
上 下
4 / 53
第1章

第4話:連続イレギュラー

しおりを挟む
 イレギュラーで現れた地竜タイプの亜竜など、世界一のトレジャーハンターになる僕の敵じゃない。

 でも、亜竜を倒してよろこんでいるようではトレジャーハンターじゃない。
 宝物を見つけてこそトレジャーハンターだ。

 僕は急いで広場になっている廊下の周りを探す。
 天井、壁、床に新しい隠し扉ができていないか確かめる。

 イレギュラーは、深い所に人が来なくなったダンジョンが起こす。
 そうおばあちゃんが教えてくれた。

 浅い層に人間がよろこぶ宝物を移動させる時に、深い層にいるモンスターが現れると教えてくれた。

 おばあちゃんに合格と言ってもらえるくらいの速さで隠し扉を探す。
 教えてもらっていた通り、10個の隠し扉に1個の宝石がある。

 宝石が入っていた隠し扉の壁を更に探す。
 1つ見つかったと油断してはいけない、その中にもう1つの隠し扉がある。
 1万回に1回の銅インゴットが見つかるけれど、外れの1kg1000円だ。

 100万回に1回しか見つからない銀のインゴットで1kg12万円
 1000万に1回しか見つからない金にインゴットで1kg990万円
 亜竜が現れたのだから、最低でも銀のインゴットがあるはずなんだ!

 さっき助けたお姉さんがお礼を言いたそうにしている。
 でも今はそれどころではない。
 宝探しは早い者勝ちだから、お姉さんたちよりも先に探し出さないといけない。

 異様な気配に思わずその場を飛び下がる。
 二度もイレギュラーがあるなんて、おばあちゃんも教えてくれなかった。
 違う、ダンジョンでは何があるか分からないと教えてもらっている。

 今度現れたのは、水竜タイプに亜竜だ。
 地上の動物だと、ナイルワニに似ていると教えてもらった。
 全長6メートル、体重が1000kgはあると思う。

 たぶんだけど、さっきの地竜タイプを倒したから出て来たのだと思う。
 僕があまりに早く倒してしまったから、宝物を地下2階まで運べなかった。
 だから今度こそ運ばせようと、もっと強いモンスターを造ったのだ。

「下がって、できたら逃げて」

 じゃまになりそうな、お姉さんたちには逃げてもらう。
 直ぐに倒していいのなら、この場にいてくれてもだいじょうぶだけれど、宝物が地下2階に運ばれるまで待たないといけないから、ちょっと危ない。

☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画

ゆうご:うそ、うそ、うそ、また亜竜? 今度は水竜タイプ?

ノンバア:いや、いや、いや、今度もヤラセでしょう、ありえないよ!

豚キムチ:2回連続のイレギュラーなんて聞いた事がないぞ!

みゆき命:みゆき姫逃げて!

豚キムチ:逃げて欲しいけれど、みゆき姫は子供を置いて逃げたりしない!

Kenneth:2回もヤラセかよ!

Benno:いや、ヤラセじゃない、俺は映像が本職なのだ、これはヤラセじゃない!

Rafael:いや、日本のアニメ技術ならやれる!

Alban:そんな事よりも通報しろ、地下2階に二度もイレギュラーなんて事件だぞ!

藤河太郎:おい、あの男の子の付添人の顔に一致する冒険者がいたぞ!
    :タカラブネだ、世界的冒険者一家のタカラブネだ!

Benno:なに、タカラブネだと、家族全員がS級だと言うバケモノ一家か!

みゆき命:なんだよ、タカラブネ一家なら子供でも亜竜くらい倒す。
    :みてみろ、みゆき姫はヤラセなど絶対にしない!

Kenneth:まて、まて、まて、タカラブネファミリーでも子供に亜竜は倒せない。

Rafael:アメリカ人の言う事に賛成したくないが、その通りだ。
    :ロシア人にできない事が日本人にできる訳がない!

みゆき命:あ、危ない、逃げて、みゆき姫逃げて!


★★★★★★

 作者です。

 作品を読んでいただきありがとうございます。

 作品のお気に入り登録や感想が作者のモチベーションに繋がります。

 作品のお気に入り登録をお願いします。

 <(_ _)>
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

少年騎士

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。

おばけブタのアート

モモンとパパン
児童書・童話
おばけのブタのアートはいろんなものに変身をしながら、イギリスへ 向かっていました。ただ遊びに行くのかと思いきや、しっかりした 目的がありました。

盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。

桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。 山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。 そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。 するとその人は優しい声で言いました。 「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」 その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。 (この作品はほぼ毎日更新です)

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

【完結】アシュリンと魔法の絵本

秋月一花
児童書・童話
 田舎でくらしていたアシュリンは、家の掃除の手伝いをしている最中、なにかに呼ばれた気がして、使い魔の黒猫ノワールと一緒に地下へ向かう。  地下にはいろいろなものが置いてあり、アシュリンのもとにビュンっとなにかが飛んできた。  ぶつかることはなく、おそるおそる目を開けるとそこには本がぷかぷかと浮いていた。 「ほ、本がかってにうごいてるー!」 『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』  と、アシュリンを旅に誘う。  どういうこと? とノワールに聞くと「説明するから、家族のもとにいこうか」と彼女をリビングにつれていった。  魔法の絵本を手に入れたアシュリンは、フォーサイス家の掟で旅立つことに。  アシュリンの夢と希望の冒険が、いま始まる! ※ほのぼの~ほんわかしたファンタジーです。 ※この小説は7万字完結予定の中編です。 ※表紙はあさぎ かな先生にいただいたファンアートです。

異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!

克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...