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3章

48話

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「今ハンザ公爵が言った策は、王国の存亡にかかわる重大事です。
 そう簡単に国王陛下に奏上できる策ではありません。
 私とハンザ公爵も二人きりで話し合います。
 ですが諸侯も十分話し合い、忌憚のない意見を聞かせてもらいたいです。
 今日は一旦会議を中断し、それぞれが熟慮相談する事にしましょう」

 私は集まっていた重臣や有力貴族に解散を命じました。
 そしてハンザを伴って奥殿、早い話が王家のプライベート空間、その中でも寝室に相当する場所で話し合う事にしました。
 もちろん寝室とは言っても、不貞の疑惑を払うために、互いの側近が相手を監視しています。

 ハンザが浮気する分にはそれほど問題になりませんが、私が浮気をしてハンザ以外の相手の子供を生んでしまうと、戦争もありえる国際問題となります。
 そんな噂を立てられるだけでも、国際問題となるのです。
 だからこそ、互いの側近を配して相互監視しているのですが、今回に限っては忌憚のない話をするのに邪魔です。
 なんといっても、ハンザの側近はドレイク王国からのスパイでもあるのです。
 早い話がオレイク王がハンザにつけた監視要員という事です。
 互いに全ての側近を部屋から追い出して話をしました。

「ハンザは大陸の覇者になるつもりですか?」

「アルフィン様は話が早くて助かります。
 大陸の覇者になる野望が全くないとは言いません。
 ですが、まずは生き残ることです。
 今ゲラン王国に侵攻しなければ、百のうち九十九はマイヤー王国がゲラン王国に併合されます。
 そうなってからでは、ホワイト王国に全く勝ち目がなくなります。
 もっとゲラン王国とマイヤー王国が消耗してから攻め込むべきという意見も出てくるでしょうが、それでは危険すぎます。
 今攻め込むのが一番安全確実にホワイト王国を護る方法です」

「私もハンザの考えに同意します。
 ですが攻め込む必要がありますか?
 国境線の兵を集めて城砦を築き、圧力をかけるだけでいいのではありませんか?
 その方が安全確実ではありませんか?」

「それではホワイト王国の国庫に負担がかかり過ぎます。
 国内貴族に動員をかけるなら恩賞と費用が必要になります。
 ドレイク王国から集まってきた義勇軍を維持するにしても、莫大な費用がかっています」

 確かにハンザの言う通りです。
 王家の力の弱いホワイト王国では、貴族が無償で諸侯軍を出してはくれません。
 費用負担や勝利後の恩賞を約束する必要があります。
 ドレイク王国から集まってきた義勇軍は、あくまでも体裁を整えるための名称で、本当は傭兵です。
 日当を稼ぎたい者や、仕官や爵位を望む貴族士族家の部屋住みが
生活や欲のために集まっているのです。
 さて、どう決断すべきでしょうか?
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