29 / 69
2章
28話
しおりを挟む
「いや、ちゃんと読んでいますよ。
ええ、読んでいますとも。
ええ、まあ、なんです。
商人は度し難い連中なのですよ。
金のためならどのような事もやる、下劣な者なのです。
ですが私は違います。
決して嘘などつきません」
ライアン王子が慌てて言い訳をしますが、何度も言葉に詰まっています。
口にしている内容も支離滅裂というか、聞いている事と論手が違います。
わざと論点を外そうとして上手く話しているのなら、交渉上手で頭がいいと考えられるのですが、ライアン王子は馬鹿が露呈したと言う状態ですね。
「まあ、そうですのね。
民度と性格の問題なのですね。
ゲラン王国の商人は金のためなら国の命令を聞かず、平気で嘘をつく。
それに、ゲラン王国には商人に命令を聞かせる威令がないのですね。
一方マイヤー王国の商人は、金のためであっても国の命令には背かない。
金のために嘘をついたりしない。
マイヤー王国には、商人に命令を聞かせる威令があると言う事なのですね」
ライアン王子は、最初私の言葉に唖然としていたようですが、徐々に顔色が青くなり、今では真っ赤になっています。
最初は言い訳が通じていない事に焦っていたのでしょうが、自分の事を反省するのではなく、私に怒りと憎しみにを感じたのでしょう。
国王代理としては、国のためにもっと上手にあしらわないといけないのでしょうが、これ以上こんな下劣な奴とは同じ部屋にいるのも嫌です。
「申し訳ありません、姫様。
我が国の商人が繰り返し罪を犯した事、伏してお詫び申し上げます。
姫様が申されるように、我が国に威がなく、商人に好き勝手された事、恥いるばかりでございます。
これからはこのような事がないように、商人に厳しい罰を与える事、王弟として商館長として約束させていただきます。
ですからどうかご容赦願います」
各国の王族大使がいる満座の席で、これ以上ライアン王子に馬鹿な事を口にさせないように、セオドア王弟が助け舟を出してきましたか、ですがタイミングが遅かったですし、口にした内容が悪いですね。
「では、セオドア殿下は商人が罪を犯した事も、お国がそれを防げなかった事も、相応しい罰を与えなかった事も、認められるのですね。
国王代理として、確かに聞きましたよ!
ねぇ、大使の皆様!」
セオドア王弟が顔を引きつらせています。
したり顔でライアン王子を助けに出てきましたが、自分で賢いと思っているほど、貴男は賢くないのです。
自分の事を賢いと思っている馬鹿ほど扱いやすい人間はいません。
今回の発言は完全な墓穴です。
これからどう対応して挽回するつもりですかね?
ええ、読んでいますとも。
ええ、まあ、なんです。
商人は度し難い連中なのですよ。
金のためならどのような事もやる、下劣な者なのです。
ですが私は違います。
決して嘘などつきません」
ライアン王子が慌てて言い訳をしますが、何度も言葉に詰まっています。
口にしている内容も支離滅裂というか、聞いている事と論手が違います。
わざと論点を外そうとして上手く話しているのなら、交渉上手で頭がいいと考えられるのですが、ライアン王子は馬鹿が露呈したと言う状態ですね。
「まあ、そうですのね。
民度と性格の問題なのですね。
ゲラン王国の商人は金のためなら国の命令を聞かず、平気で嘘をつく。
それに、ゲラン王国には商人に命令を聞かせる威令がないのですね。
一方マイヤー王国の商人は、金のためであっても国の命令には背かない。
金のために嘘をついたりしない。
マイヤー王国には、商人に命令を聞かせる威令があると言う事なのですね」
ライアン王子は、最初私の言葉に唖然としていたようですが、徐々に顔色が青くなり、今では真っ赤になっています。
最初は言い訳が通じていない事に焦っていたのでしょうが、自分の事を反省するのではなく、私に怒りと憎しみにを感じたのでしょう。
国王代理としては、国のためにもっと上手にあしらわないといけないのでしょうが、これ以上こんな下劣な奴とは同じ部屋にいるのも嫌です。
「申し訳ありません、姫様。
我が国の商人が繰り返し罪を犯した事、伏してお詫び申し上げます。
姫様が申されるように、我が国に威がなく、商人に好き勝手された事、恥いるばかりでございます。
これからはこのような事がないように、商人に厳しい罰を与える事、王弟として商館長として約束させていただきます。
ですからどうかご容赦願います」
各国の王族大使がいる満座の席で、これ以上ライアン王子に馬鹿な事を口にさせないように、セオドア王弟が助け舟を出してきましたか、ですがタイミングが遅かったですし、口にした内容が悪いですね。
「では、セオドア殿下は商人が罪を犯した事も、お国がそれを防げなかった事も、相応しい罰を与えなかった事も、認められるのですね。
国王代理として、確かに聞きましたよ!
ねぇ、大使の皆様!」
セオドア王弟が顔を引きつらせています。
したり顔でライアン王子を助けに出てきましたが、自分で賢いと思っているほど、貴男は賢くないのです。
自分の事を賢いと思っている馬鹿ほど扱いやすい人間はいません。
今回の発言は完全な墓穴です。
これからどう対応して挽回するつもりですかね?
0
お気に入りに追加
1,882
あなたにおすすめの小説
クズな義妹に婚約者を寝取られた悪役令嬢は、ショックのあまり前世の記憶を思い出し、死亡イベントを回避します。
無名 -ムメイ-
恋愛
クズな義妹に婚約者を寝取られ、自殺にまで追い込まれた悪役令嬢に転生したので、迫りくる死亡イベントを回避して、義妹にざまぁしてやります。
7話で完結。
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
公爵令嬢の立場を捨てたお姫様
羽衣 狐火
恋愛
公爵令嬢は暇なんてないわ
舞踏会
お茶会
正妃になるための勉強
…何もかもうんざりですわ!もう公爵令嬢の立場なんか捨ててやる!
王子なんか知りませんわ!
田舎でのんびり暮らします!
悪役令嬢は、いつでも婚約破棄を受け付けている。
ao_narou
恋愛
自身の愛する婚約者――ソレイル・ディ・ア・ユースリアと平民の美少女ナナリーの密会を知ってしまった悪役令嬢――エリザベス・ディ・カディアスは、自身の思いに蓋をしてソレイルのため「わたくしはいつでも、あなたからの婚約破棄をお受けいたしますわ」と言葉にする。
その度に困惑を隠せないソレイルはエリザベスの真意に気付くのか……また、ナナリーとの浮気の真相は……。
ちょっとだけ変わった悪役令嬢の恋物語です。
【完結】小悪魔笑顔の令嬢は断罪した令息たちの奇妙な行動のわけを知りたい
宇水涼麻
恋愛
ポーリィナは卒業パーティーで断罪され王子との婚約を破棄された。
その翌日、王子と一緒になってポーリィナを断罪していた高位貴族の子息たちがポーリィナに面会を求める手紙が早馬にて届けられた。
あのようなことをして面会を求めてくるとは??
断罪をした者たちと会いたくないけど、面会に来る理由が気になる。だって普通じゃありえない。
ポーリィナは興味に勝てず、彼らと会うことにしてみた。
一万文字程度の短め予定。編集改編手直しのため、連載にしました。
リクエストをいただき、男性視点も入れたので思いの外長くなりました。
毎日更新いたします。
馬鹿王子にはもう我慢できません! 婚約破棄される前にこちらから婚約破棄を突きつけます
白桃
恋愛
子爵令嬢のメアリーの元に届けられた婚約者の第三王子ポールからの手紙。
そこには毎回毎回勝手に遊び回って自分一人が楽しんでいる報告と、メアリーを馬鹿にするような言葉が書きつられていた。
最初こそ我慢していた聖女のように優しいと誰もが口にする令嬢メアリーだったが、その堪忍袋の緒が遂に切れ、彼女は叫ぶのだった。
『あの馬鹿王子にこちらから婚約破棄を突きつけてさしあげますわ!!!』
悪役令嬢は婚約破棄され、転生ヒロインは逆ハーを狙って断罪されました。
まなま
恋愛
悪役令嬢は婚約破棄され、転生ヒロインは逆ハーを狙って断罪されました。
様々な思惑に巻き込まれた可哀想な皇太子に胸を痛めるモブの公爵令嬢。
少しでも心が休まれば、とそっと彼に話し掛ける。
果たして彼は本当に落ち込んでいたのか?
それとも、銀のうさぎが罠にかかるのを待っていたのか……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる