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1章
3話
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「待て!
待つのだ!
いや、待ってくれ、アルフィン嬢。
この度の事は全てリアムが悪い。
リアムには詫びさせる。
だからこの度のことはなかった事にしてくれ!」
「なにを馬鹿な事を申されるのですか?
父王陛下!
王家が臣下に頭を下げる必要はありません!」
「馬鹿者は黙っておれ。
リアムには厳しく言って聞かす。
そこにいる泥棒猫は厳罰に処す。
だからなかった事にしてくれ」
可哀想な国王陛下。
それに王妃殿下。
王太子の愚かな言動の報告を受けて、慌てて出てこられたのでしょう。
本来ならば、王家の威厳を見せつける為に、遅れて重々しく入って来られたかったでしょうに。
これほど慌てて汗だくで入って来られては、王家よりも侯爵家の方が力がある事を、満座の貴族家に知らしめることになってしまいましたね。
まあ、既に全ての貴族家が知っている事ではありましたが。
それにしても、なかった事はできない相談です。
私には好機なのですから。
「それは絶対にできません。
このデビュタントは、ホワイト侯爵家が私の為に、時間と労力と大金を投じて準備してきたのです。
その場所でこれほどの恥をかかされては、ホワイト侯爵家の面目が立ちません。
それに見てください。
マリー嬢のあの姿を!」
会場にいる全員が、マリー嬢の衣装を改めて注視しています。
そして私の衣装と見比べています。
ここはホワイト侯爵家が私の為に用意したデビュタントです。
絶対に守らなければならない礼儀と言うモノがあります。
純白のドレスと手袋。
同じく純白の羽飾り。
厳選した白い花で作ったブーケ。
これは私だけが身にまとう事を許された衣装なのです。
主役たる私のためだけのモノなのです。
それと全く同じモノを、マリー嬢が着ているのです!
貴族社会では絶対に許されない無礼です。
どの貴族家も、表に見せられない努力と節約を重ねて、娘の将来の為にデビュタントを開催します。
それを身に染みて知っている同じ貴族だからこそ、デビュタントを迎える令嬢には優しく接するのです。
それを、事もあろうに、王太子に婚約破棄を言わせた上に、私しか着てはいけないデビュタントの衣装を着て王太子の横に立って腕を組む。
絶対に許せないです!
「なんて、なんて酷い事を!
リアムがこれほど愚かとは思いませんでした。
陛下!
だから言ったではありませんか!
もっとリアムに厳しく接してくださいと。
そうしてくださっていれば、これほど愚かな事をしでかしたりはしなかったでしょうに」
「そんな事を言っても、お前」
「なにを言っておられるです。
母上様。
父王陛下。
私には神がついているのです。
家臣などに遠慮する必要はありません!」
なるほど。
そういう事でしたか!
待つのだ!
いや、待ってくれ、アルフィン嬢。
この度の事は全てリアムが悪い。
リアムには詫びさせる。
だからこの度のことはなかった事にしてくれ!」
「なにを馬鹿な事を申されるのですか?
父王陛下!
王家が臣下に頭を下げる必要はありません!」
「馬鹿者は黙っておれ。
リアムには厳しく言って聞かす。
そこにいる泥棒猫は厳罰に処す。
だからなかった事にしてくれ」
可哀想な国王陛下。
それに王妃殿下。
王太子の愚かな言動の報告を受けて、慌てて出てこられたのでしょう。
本来ならば、王家の威厳を見せつける為に、遅れて重々しく入って来られたかったでしょうに。
これほど慌てて汗だくで入って来られては、王家よりも侯爵家の方が力がある事を、満座の貴族家に知らしめることになってしまいましたね。
まあ、既に全ての貴族家が知っている事ではありましたが。
それにしても、なかった事はできない相談です。
私には好機なのですから。
「それは絶対にできません。
このデビュタントは、ホワイト侯爵家が私の為に、時間と労力と大金を投じて準備してきたのです。
その場所でこれほどの恥をかかされては、ホワイト侯爵家の面目が立ちません。
それに見てください。
マリー嬢のあの姿を!」
会場にいる全員が、マリー嬢の衣装を改めて注視しています。
そして私の衣装と見比べています。
ここはホワイト侯爵家が私の為に用意したデビュタントです。
絶対に守らなければならない礼儀と言うモノがあります。
純白のドレスと手袋。
同じく純白の羽飾り。
厳選した白い花で作ったブーケ。
これは私だけが身にまとう事を許された衣装なのです。
主役たる私のためだけのモノなのです。
それと全く同じモノを、マリー嬢が着ているのです!
貴族社会では絶対に許されない無礼です。
どの貴族家も、表に見せられない努力と節約を重ねて、娘の将来の為にデビュタントを開催します。
それを身に染みて知っている同じ貴族だからこそ、デビュタントを迎える令嬢には優しく接するのです。
それを、事もあろうに、王太子に婚約破棄を言わせた上に、私しか着てはいけないデビュタントの衣装を着て王太子の横に立って腕を組む。
絶対に許せないです!
「なんて、なんて酷い事を!
リアムがこれほど愚かとは思いませんでした。
陛下!
だから言ったではありませんか!
もっとリアムに厳しく接してくださいと。
そうしてくださっていれば、これほど愚かな事をしでかしたりはしなかったでしょうに」
「そんな事を言っても、お前」
「なにを言っておられるです。
母上様。
父王陛下。
私には神がついているのです。
家臣などに遠慮する必要はありません!」
なるほど。
そういう事でしたか!
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