奴隷魔法使い

克全

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多摩編

七属性剣

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「彩、今日の往復は飛行魔法を使って時間短縮する」

「了解です、旦那様。空飛ぶ盥を使うのですか?」

「いや、あれは秘密にしておきたいから」

「はい、分かりました」

『冒険者組合買取所』

「買取お願いします」

「はい、いつも通り保管所で出して頂きます。ついてきてください」

「はい」

 俺と彩は、魔法袋の獲物を全部出して買取計算を依頼した。

「計算しますので、しばらくお待ちください」

「「はい」」

「旦那様、何故魔界の樹木を持って帰ったのですか?」

「今日創る、専用武具の材料にするためだよ」

「では、余った魔力で汎用魔法袋をつくるのですか?」

「そうだよ。いざとなれば高く売れるからね」

「尊様、計算できました。地竜種は千キログラム級二十頭、五百キログラム級五十頭、二百キログラム級百頭です。翼竜種は百キログラム級五十頭、五十キログラム級二百頭、十キログラム級五百頭です。合計八千八百四十万銅貨です。何時も通り魔晶石抜き、翼竜種皮抜き、革鞣し賃天引き、税金天引きさせていただいております」

「はい、了解しました」

「それとこれは以前ご依頼のあった、魔獣魔竜大図鑑です」

「ありがとうございます! 料金は?」

「今日の分から引かせていただいております。買取計算書をご確認ください」

「はい。」

「では現金をお支払いいたします。大金貨8枚、小金貨8枚、大銀貨4枚です。確認できましたら捺印お願いいたします」

『冒険者村旅館スイートルーム』

「先ずは魔術鍛錬からだ」

「はい旦那様」

「汎用魔法袋を作る。俺が一万二千キログラム。彩が三千五百キログラム」

「はい旦那様」

「さて、次が新しいタイプの属性剣だ。これは非常時に刀身が弓矢の様に打ち出せる」

剣の状況
刀身:九十センチメートル
鍔 : 九センチメートル
柄 :三十センチメートル
鍔厚: 三センチメートル

鍔は三種三枚
柄側は属性発生魔法陣を表裏に刻み込み、魔晶石を十二個埋め込む
真ん中は圧縮魔法陣を表裏に刻み込み、魔晶石を十二個埋め込む
刀身側は射出加速魔法陣を表裏に刻み込み、魔晶石を十二個埋め込む

「柄も鍔も岩製なの?」

「これなら自分一人で作れるからね」

「そうですね。これなら私たち二人だけで生きていけますね」

「そうなんだ。手前柄側は属性力を発生させる魔法陣。中はその魔力を圧縮収束させて刀身の形に整える魔法陣。刀身側は非常時に刀身を打ち出し攻撃する魔法陣」

「じゃ、遠方の敵も攻撃できるのですか?」

「そうだよ。でもこれは互角の敵と膠着状態になったり、遠方で危機に陥った味方を助けるものだよ。通常は鱗やブーメラン、十字手裏剣を魔力で操った方がいい」

「はい、分かりました!」

「では、彩の筋力を確認するね。筋力によって使う鍔の大きさが変わるから」

「鍔は何種類もあるの?」

「ああ。種類は木、火炎、岩石、鉄、水、風、氷の七つ。大きさは七センチメートル、十センチメートル、十五センチメートル、二十センチメートル、三十センチメートルだよ。でも大きさは自由に変更できるよ」

「大きい方が有利なのですか?」

「うん。筋力さえあれば、大きいほど魔法陣の魔力も大きくなるし、魔晶石も大きい物や数を多く埋め込めるよ」

 二時間かけて魔法剣を創りだした。

「七種創れたね」

「はい、旦那様。ありがとうございます」

「じゃ、一緒にお風呂に入ろう」

「はい」

 ああそうだよ。

 俺はマスターベーション覚えた猿と一緒だよ





「彩、今日も飛行魔法で行くよ」

「はい、旦那様」

 飛行魔法で狩場に着くと、他の冒険者達がいる。

「旦那様、私たちの狩場に他の冒険者たちが居ます!」

「ああ、俺たちのやり方をまねて狩る冒険者が増えている」

「追い払いますか?」

「いやいい、狩場を変えよう」

「いいのですか?」

「あいつらがあそこで狩って、肉食獣や肉食竜を集めてくれると、安全に魔界に入れるかもしれない」

「でも、危険ではありませんか?」

「彩が蛇竜の鱗で俺を支援できる範囲までしか入らないよ」

「・・・・・・でも心配です」

「大丈夫、十分安全には配慮するよ」

「はい、お気をつけて」

「境界線を見て回って、大型竜を探すよ」

「はい旦那様!」

 お、いた!

 あの群れはデカイな。

 図鑑で覚えたブラキオサウルスか?

 草食地竜の群れが数種類いるな。

 エドモンサウルスとサルタサウルス当たりが狩りごろか?

「彩、狩って戻って彩の魔法袋に移し替えて、安全確認したうえでまた狩る。雑魚は何時もの狩場に戻って狩る」

「はい、旦那様。御武運を!」

 俺は飛行魔法に隠密魔法を重ねてかけて、蛇竜の鱗を七つ周囲に展開し、草食竜の群れに近づく!

 図鑑によると
 ブラキオサウルスは五十トンから六十トン(五千から六千キログラム)を一頭。
 サルタサウルスは十トン前後(一万キログラム)を三頭。
 エドモンサウルは三トン前後(三千キログラム)を八頭。

 まずは狩り倒して、魔法袋に詰めるだけ詰んで、彩の袋に移し替えて、又詰めよう!

 よし、皮も鱗のたいした強度じゃない!

 蛇竜鱗で十分倒せる。

 目標数は倒した、後は回収だ。

「彩、もう少し元の狩り場から遠くに撒餌をしよう」

「はい旦那様」

「その後、元も狩り場で雑魚狩りだ」

「はい、冒険者は蹴散らしましょう」

「彩も強気になったね。」

「裏切られ、誘拐されそうになったんです。恨みしかありません!」

「うん、それでいいよ! 行こう」




「受付殿、買取お願いします」

「はい、保管所までおいでください」

「分かりました」

 結局今回の獲物は以下であった。
五十五トン:ブラキオサウルス:一頭
十トン  :サルタサウルス :三頭
三トン  :エドモンサウルス:八頭
四百キログラム:ガリミムス :三十頭
百キログラム:ケツァルコアトルス:百頭

合計百三十二トンで金額は一億四千七百八十四万銅貨だった。

「彩、何時もの魔術鍛錬が終わったら、外で武術訓練するよ」

「はい、旦那様」

 『冒険者村近くの森の中』

「彩、剣を出して。俺の攻撃を防ぎつつ、この木製円盤を使って攻撃と防御をしてくれ」

「はい旦那様」

「彩、甘い! 剣に集中すると、円盤操作が疎かになってる! 今の彩なら、剣は防御主体だ! もしかしたら剣で突いてくるかもと思わせるだけでいい。攻撃は円盤を左右後、特に足元と頚の同時攻撃を心がけて!」

「はい!」

「そうだ、それでいい!」

「四つ目以降の円盤は、自分の周囲を一定間隔で浮遊させていればいい」

「はい。」

「そうだ。そうしていれば、第三者は不意打ちし難い」

 俺は彩のすべての攻撃を、剣と盾で払いのけつつ指導する。

「次は攻撃をも加えるから、剣で防御して円盤で牽制と攻撃しろ! 本気で来い!」

「はい!」

「彩、躊躇するな! 本気でこい! 魔法防御のフルプレートアーマーだ。木盤では怪我もしない!」

「はい!」

 俺たちはこうして、多人数に二人又は一人でも対処できるように、修行を積み重ねることにした。
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