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第6章:夜の公園にいる子供
第21話:徘徊児童・谷口郁恵視点
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夏の暑い盛りが過ぎると夜も過ごしやすくなる。
温暖化と騒ぐ人もいるけれど、冬が温かいのは良い事だ。
施設の仲間から、雪の降る夜に家を出される辛さを聞いた事がある。
お腹が背中に引っつくほど飢えている時に、寒さと孤独と絶望に震えるのだ。
幼心に日本が常夏の国なら良かったのにと思った事を、今でも覚えている。
少なくとも私は、無理矢理雪の降る日に家を出された事はない。
恐ろしく寒い夜に震えた事はあるけれど、あれは自分で施設を飛び出したからだ。
それに、我慢できないくらい寒かったりひもじかったりしたら、天子さんたちの所にさえいけば、温かなご飯をお腹一杯食べられた。
私は本当に運がよかった、天子さんたちがいてくれたから、苛立ちに暴れる事はあっても、世の中に絶望する事はなかった。
天子さんたちから色々言われたが、未だにキャパクラを辞める決心がつかない。
本気で真剣に考えたけれど、やっぱり水商売が好きだ。
ただ、これほど遅くなる店は替わった方が良いかもしれない。
私的には、法律に違反していようと、お金になるのなら、店の中でのアフターていどなら構わないけれど、また天子さんたちに負担をかけてしまった。
まだ小学生の明菜を1人留守番させる訳ないはいかないと、今日も子ども食堂で預かってくれている。
天子さんたちの子ども食堂は、昔から年中無休の24時間営業で、施設を脱走して行くところがなかった私は、何度も寝泊まりさせてもらった。
私のような保護者のいる明菜が寝泊まりさせてもらう事で、そんな子供が逃げ込めなくなってしまうかもしれない。
天子さんたちなら何十人でも笑って寝泊まりさせてくれるだろう。
だが今なら分かる、子供1人育てるのがどれだけ大変なのか。
まして相手は何時誰に訴えられるか分からない訳ありの子供たちばかりだ。
私が母親になった明菜を、これ以上子ども食堂に寝泊まりさせる訳にはいかない。
せめて日付が変わるまでには迎えに行けるようにしないと。
「僕、こんな時間にどうしたの?」
子ども食堂まで少し距離がある児童公園の横を、自転車で通りかかったら、小学校低学年くらいの男の子が1人でベンチに寝ころんでいた。
「う~ん、おばちゃんだれ?」
「僕こそどうしてこんな所に1人でいるの?」
「おかあさんがしごとだから、家にいるのはさみしいの。
ここは明るいからさみしくないの」
よかった、少なくともお母さんにまで捨てられたわけではない。
いえ、もしかしたら、お母さんが捨てて行く時に仕事と言ったのかもしれない。
そう言われて、空腹を我慢してずっと待っていた言う子が施設にいた。
「もっと明るくて暖かい所があるから、おばさんと一緒に行く?」
「しらない人について行ったらだめって言われているの」
「お母さんはいつ帰って来るの?」
「明るくなるまえにかえってくるよ。
明るくなるまえにお家に帰ったらさみしくないの。
おかあさんがおいしいごはんをつくってくれるの」
よかった、本当にお母さんは仕事に行っているだけのようだ。
だけど、このままここに置いていたら、変な奴に攫われるかもしれない。
ちゃんとお母さんに話をしないと、秋になったら凍えてしまうかもしれない。
「じゃあ、明るくなるまえにお家に送っていくから、それまでお店に行こうか?
おばさん、美味しいご飯を食べさせてくれるところを知っているの」
「おかあさんが、おかしをあげるといわれても、ついていっちゃだめだって。
あかるくなったらおかあさんのごはんたべるからいい」
困ったな、無理矢理連れて行くわけにもいかない。
かといって、この子をここに置いて行くのも嫌だ。
でも、明け方までここにいると、明菜を預けっぱなしになる。
いつまで経っても天子さんたちに頼る自分が恥ずかしい。
でも、天子さんたちは、こんな時に電話して相談したらほめてくれるんだよなぁ。
「すみません、郁恵です、児童公園で子供が1人でいるのを見つけました……」
スマホで天子さんたちに連絡して詳しい状況を話した。
直ぐに次郎さんがヤマトを連れてやってきた。
「うわぁあああああ、わんちゃんだ!」
子供が歓声をあげてヤマトに抱きついた。
「わんちゃんあったかい、よし、よし、いいこにするんだよ」
ヤマトは子ども食堂で飼われているボディーガード犬だ。
白髪稲荷神社の神使だと聞いたけど、神々しさはない。
神々しさではなく、優しさに満ちあふれている。
私も含めて、子ども食堂に通う子供たちの人気者だった。
子ども食堂の中には絶対に入って来ないけれど、白髪稲荷神社の境内で遊ぶ時には、いつも側にいてくれた。
小さい子が勝手に境内から出て行こうとしたら、その子の服の背中を咬んで優しく連れ戻してくれる。
同時に、子供たちの中で1番年長の子に『ワン』と吠える。
遊びに夢中になって、小さい子を見ていなかった事を注意する。
子供たちだけで遊ぶ時のルールを教えてくれた。
ヤマトたちは、白髪稲荷神社境内の外にも縄張りがあって、毎日巡回する。
夜に巡回して、虐待する親に家を出された子を助けて来る事もあった。
それくらい賢く優しい子たちで、天子さんたちを手助けしていた。
「郁恵ちゃんは早く帰ってやりな、明菜ちゃんが待っているぞ」
「次郎さんが残ってくれるのですか?」
「ああ、見守るだけならヤマトだけでも大丈夫なんだが、郁恵ちゃんから聞いた話をお母さんにしなければいけないからな」
「ごめんなさい、寝る時間を奪ってしまいました」
「子供を見殺しにした罪悪感で苦しむ方が、寝不足よりも辛い。
郁恵ちゃんも同じ気持ちだろう、だからこの子を置いて帰らなかったんだろう?
それに、最近はボランティアが増えて休憩時間が長くなった。
子ども食堂に戻ったら幾らでも眠れる、郁恵ちゃんは何も気にしなくていい。
さあ、早く明菜ちゃんを迎えに行ってやれ」
「はい、ありがとうございます」
次郎さんに背中を押され、ヤマトに『ワン』と叱られた。
急いで子ども食堂に帰ったけど、夜中の3時前に大きな声はかけられない。
「遅くなりました」
小さな声であいさつして中に入る。
「お帰り、明菜ちゃんは小さな子たちと二階で寝ているよ。
もう今日はこのままここで寝かしておいてやりない。
起こして連れて帰る方がかわいそうだよ」
「はい、ごめんさない、そうさせていただきます」
「それと、二階の部屋を貸してやるから、今日からここに住みな。
私たちも明菜ちゃんが小さい子たちと添い寝してくれると助かる」
「いえ、それでは明菜が勉強できなくなります」
「だったら、明菜ちゃんが寝入る前に帰って来な。
そうしないと、前に言っていたように、私たちが明菜ちゃんを引き取るよ」
温暖化と騒ぐ人もいるけれど、冬が温かいのは良い事だ。
施設の仲間から、雪の降る夜に家を出される辛さを聞いた事がある。
お腹が背中に引っつくほど飢えている時に、寒さと孤独と絶望に震えるのだ。
幼心に日本が常夏の国なら良かったのにと思った事を、今でも覚えている。
少なくとも私は、無理矢理雪の降る日に家を出された事はない。
恐ろしく寒い夜に震えた事はあるけれど、あれは自分で施設を飛び出したからだ。
それに、我慢できないくらい寒かったりひもじかったりしたら、天子さんたちの所にさえいけば、温かなご飯をお腹一杯食べられた。
私は本当に運がよかった、天子さんたちがいてくれたから、苛立ちに暴れる事はあっても、世の中に絶望する事はなかった。
天子さんたちから色々言われたが、未だにキャパクラを辞める決心がつかない。
本気で真剣に考えたけれど、やっぱり水商売が好きだ。
ただ、これほど遅くなる店は替わった方が良いかもしれない。
私的には、法律に違反していようと、お金になるのなら、店の中でのアフターていどなら構わないけれど、また天子さんたちに負担をかけてしまった。
まだ小学生の明菜を1人留守番させる訳ないはいかないと、今日も子ども食堂で預かってくれている。
天子さんたちの子ども食堂は、昔から年中無休の24時間営業で、施設を脱走して行くところがなかった私は、何度も寝泊まりさせてもらった。
私のような保護者のいる明菜が寝泊まりさせてもらう事で、そんな子供が逃げ込めなくなってしまうかもしれない。
天子さんたちなら何十人でも笑って寝泊まりさせてくれるだろう。
だが今なら分かる、子供1人育てるのがどれだけ大変なのか。
まして相手は何時誰に訴えられるか分からない訳ありの子供たちばかりだ。
私が母親になった明菜を、これ以上子ども食堂に寝泊まりさせる訳にはいかない。
せめて日付が変わるまでには迎えに行けるようにしないと。
「僕、こんな時間にどうしたの?」
子ども食堂まで少し距離がある児童公園の横を、自転車で通りかかったら、小学校低学年くらいの男の子が1人でベンチに寝ころんでいた。
「う~ん、おばちゃんだれ?」
「僕こそどうしてこんな所に1人でいるの?」
「おかあさんがしごとだから、家にいるのはさみしいの。
ここは明るいからさみしくないの」
よかった、少なくともお母さんにまで捨てられたわけではない。
いえ、もしかしたら、お母さんが捨てて行く時に仕事と言ったのかもしれない。
そう言われて、空腹を我慢してずっと待っていた言う子が施設にいた。
「もっと明るくて暖かい所があるから、おばさんと一緒に行く?」
「しらない人について行ったらだめって言われているの」
「お母さんはいつ帰って来るの?」
「明るくなるまえにかえってくるよ。
明るくなるまえにお家に帰ったらさみしくないの。
おかあさんがおいしいごはんをつくってくれるの」
よかった、本当にお母さんは仕事に行っているだけのようだ。
だけど、このままここに置いていたら、変な奴に攫われるかもしれない。
ちゃんとお母さんに話をしないと、秋になったら凍えてしまうかもしれない。
「じゃあ、明るくなるまえにお家に送っていくから、それまでお店に行こうか?
おばさん、美味しいご飯を食べさせてくれるところを知っているの」
「おかあさんが、おかしをあげるといわれても、ついていっちゃだめだって。
あかるくなったらおかあさんのごはんたべるからいい」
困ったな、無理矢理連れて行くわけにもいかない。
かといって、この子をここに置いて行くのも嫌だ。
でも、明け方までここにいると、明菜を預けっぱなしになる。
いつまで経っても天子さんたちに頼る自分が恥ずかしい。
でも、天子さんたちは、こんな時に電話して相談したらほめてくれるんだよなぁ。
「すみません、郁恵です、児童公園で子供が1人でいるのを見つけました……」
スマホで天子さんたちに連絡して詳しい状況を話した。
直ぐに次郎さんがヤマトを連れてやってきた。
「うわぁあああああ、わんちゃんだ!」
子供が歓声をあげてヤマトに抱きついた。
「わんちゃんあったかい、よし、よし、いいこにするんだよ」
ヤマトは子ども食堂で飼われているボディーガード犬だ。
白髪稲荷神社の神使だと聞いたけど、神々しさはない。
神々しさではなく、優しさに満ちあふれている。
私も含めて、子ども食堂に通う子供たちの人気者だった。
子ども食堂の中には絶対に入って来ないけれど、白髪稲荷神社の境内で遊ぶ時には、いつも側にいてくれた。
小さい子が勝手に境内から出て行こうとしたら、その子の服の背中を咬んで優しく連れ戻してくれる。
同時に、子供たちの中で1番年長の子に『ワン』と吠える。
遊びに夢中になって、小さい子を見ていなかった事を注意する。
子供たちだけで遊ぶ時のルールを教えてくれた。
ヤマトたちは、白髪稲荷神社境内の外にも縄張りがあって、毎日巡回する。
夜に巡回して、虐待する親に家を出された子を助けて来る事もあった。
それくらい賢く優しい子たちで、天子さんたちを手助けしていた。
「郁恵ちゃんは早く帰ってやりな、明菜ちゃんが待っているぞ」
「次郎さんが残ってくれるのですか?」
「ああ、見守るだけならヤマトだけでも大丈夫なんだが、郁恵ちゃんから聞いた話をお母さんにしなければいけないからな」
「ごめんなさい、寝る時間を奪ってしまいました」
「子供を見殺しにした罪悪感で苦しむ方が、寝不足よりも辛い。
郁恵ちゃんも同じ気持ちだろう、だからこの子を置いて帰らなかったんだろう?
それに、最近はボランティアが増えて休憩時間が長くなった。
子ども食堂に戻ったら幾らでも眠れる、郁恵ちゃんは何も気にしなくていい。
さあ、早く明菜ちゃんを迎えに行ってやれ」
「はい、ありがとうございます」
次郎さんに背中を押され、ヤマトに『ワン』と叱られた。
急いで子ども食堂に帰ったけど、夜中の3時前に大きな声はかけられない。
「遅くなりました」
小さな声であいさつして中に入る。
「お帰り、明菜ちゃんは小さな子たちと二階で寝ているよ。
もう今日はこのままここで寝かしておいてやりない。
起こして連れて帰る方がかわいそうだよ」
「はい、ごめんさない、そうさせていただきます」
「それと、二階の部屋を貸してやるから、今日からここに住みな。
私たちも明菜ちゃんが小さい子たちと添い寝してくれると助かる」
「いえ、それでは明菜が勉強できなくなります」
「だったら、明菜ちゃんが寝入る前に帰って来な。
そうしないと、前に言っていたように、私たちが明菜ちゃんを引き取るよ」
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