3 / 4
2話
しおりを挟む
「私はここに宣言する!
この身が朽ち果てるまで、オリビア嬢を愛すると!
オリビア嬢が月神殿の聖女でなかろうと、この宣言を変えないと!
オリビア嬢が孤児の身に戻ろうと、王太子妃に迎え、生涯愛すると!
生涯オリビア嬢以外の妻を迎えないと宣言し誓う。
我が守護神太陽神に誓い祈る!
オリビア嬢の守護神月神に誓い祈る!
私が誓いを破ったら、神罰でこの身を滅ぼしてください!
オリビア嬢、私と結婚してください!」
あたまが、痛いです。
あまりの大声に、鼓膜が破れそうだし、頭の芯まで痛みます。
それに、なにとち狂った事を言っているのですか。
月神殿の聖女が、太陽神と契約している王族と、結婚できるはずがないではありませんか!
会場にいる王侯貴族が唖然としています。
失禁したビアージョ王太子などバカのように惚けています。
まあ、元々バカですが。
ガストーネ国王が固まって動けなくなっています。
口をパクパクさせていますから、何か言いたいことがあるのでしょう。
でも全然言葉になっていません。
「待っていただこうか!
それはあまりに一方的過ぎるのではありませんか、ブルーノ殿下」
ああ、よかった!
キャレル辺境伯グレアム卿が割って入ってくれました。
ブルーノ王太子に匹敵する百九十センチの身長と筋肉量の王国無双の騎士です。
双剣と青龍偃月刀の名手で、知勇兼備の名将です。
辺境伯の地位も、領地を経営しつつ魔獣に備えるために与えられた爵位で、単なる将軍では守り切れない難地を、自給自足で守れるようにするためです。
しかも、守護神月神は、惜しみない才能をキャレル辺境伯に与えられました。
知勇兼備と領主の才だけでなく、社交界の令嬢全てが見惚れるほどの美丈夫です。
軽くウェーブした山吹色の髪、金色の瞳、菜の花色の肌、美の神が細心の注意を払って作り上げたような容姿なのです。
まあ、私は見た目だけで男性を評価したりしませんが、噂で聞く辺境伯領の統治方法が本当なら、尊敬に値する男性なのは間違いありません。
「なんだ、キャレル辺境伯。
貴君はそこで小便を垂れ流している憶病なバカとは違うであろう。
人の恋路を邪魔する無粋者でもなかろう。
私は真剣に求婚しているのだ。
邪魔するのは止めてもらおうか」
「では本当に聖女オリビアを愛していると言うのか?
この国から聖女を奪うための謀略ではないと言うのだな?!」
「ふん!
貴君も小便ちびり王太子同様の馬鹿なのか?
太陽神と月神に誓った求婚が嘘偽りであったら、もう神罰が下っておるわ!
分かったらそこをどけ!」
「いいや、どかぬ。
本気だと分かった以上、絶対にどかぬ!」
この身が朽ち果てるまで、オリビア嬢を愛すると!
オリビア嬢が月神殿の聖女でなかろうと、この宣言を変えないと!
オリビア嬢が孤児の身に戻ろうと、王太子妃に迎え、生涯愛すると!
生涯オリビア嬢以外の妻を迎えないと宣言し誓う。
我が守護神太陽神に誓い祈る!
オリビア嬢の守護神月神に誓い祈る!
私が誓いを破ったら、神罰でこの身を滅ぼしてください!
オリビア嬢、私と結婚してください!」
あたまが、痛いです。
あまりの大声に、鼓膜が破れそうだし、頭の芯まで痛みます。
それに、なにとち狂った事を言っているのですか。
月神殿の聖女が、太陽神と契約している王族と、結婚できるはずがないではありませんか!
会場にいる王侯貴族が唖然としています。
失禁したビアージョ王太子などバカのように惚けています。
まあ、元々バカですが。
ガストーネ国王が固まって動けなくなっています。
口をパクパクさせていますから、何か言いたいことがあるのでしょう。
でも全然言葉になっていません。
「待っていただこうか!
それはあまりに一方的過ぎるのではありませんか、ブルーノ殿下」
ああ、よかった!
キャレル辺境伯グレアム卿が割って入ってくれました。
ブルーノ王太子に匹敵する百九十センチの身長と筋肉量の王国無双の騎士です。
双剣と青龍偃月刀の名手で、知勇兼備の名将です。
辺境伯の地位も、領地を経営しつつ魔獣に備えるために与えられた爵位で、単なる将軍では守り切れない難地を、自給自足で守れるようにするためです。
しかも、守護神月神は、惜しみない才能をキャレル辺境伯に与えられました。
知勇兼備と領主の才だけでなく、社交界の令嬢全てが見惚れるほどの美丈夫です。
軽くウェーブした山吹色の髪、金色の瞳、菜の花色の肌、美の神が細心の注意を払って作り上げたような容姿なのです。
まあ、私は見た目だけで男性を評価したりしませんが、噂で聞く辺境伯領の統治方法が本当なら、尊敬に値する男性なのは間違いありません。
「なんだ、キャレル辺境伯。
貴君はそこで小便を垂れ流している憶病なバカとは違うであろう。
人の恋路を邪魔する無粋者でもなかろう。
私は真剣に求婚しているのだ。
邪魔するのは止めてもらおうか」
「では本当に聖女オリビアを愛していると言うのか?
この国から聖女を奪うための謀略ではないと言うのだな?!」
「ふん!
貴君も小便ちびり王太子同様の馬鹿なのか?
太陽神と月神に誓った求婚が嘘偽りであったら、もう神罰が下っておるわ!
分かったらそこをどけ!」
「いいや、どかぬ。
本気だと分かった以上、絶対にどかぬ!」
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
嫌われ王妃の一生 ~ 将来の王を導こうとしたが、王太子優秀すぎません? 〜
悠月 星花
恋愛
嫌われ王妃の一生 ~ 後妻として王妃になりましたが、王太子を亡き者にして処刑になるのはごめんです。将来の王を導こうと決心しましたが、王太子優秀すぎませんか? 〜
嫁いだ先の小国の王妃となった私リリアーナ。
陛下と夫を呼ぶが、私には見向きもせず、「処刑せよ」と無慈悲な王の声。
無視をされ続けた心は、逆らう気力もなく項垂れ、首が飛んでいく。
夢を見ていたのか、自身の部屋で姉に起こされ目を覚ます。
怖い夢をみたと姉に甘えてはいたが、現実には先の小国へ嫁ぐことは決まっており……
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
婚約者を幼馴染にとられた公爵令嬢は、国王陛下に溺愛されました
佐倉ミズキ
恋愛
ダミア王国でも美しいと有名な公爵令嬢セシリアは、幼馴染でソフィアナに婚約者ガルを寝取られた。
お腹には子供までいるという。ソフィアナの計画的犯行だった。
悔しかったが、取り乱すところを見せたくなかったセシリアは笑顔で二人を送り出す。。
傷心の中、領土内にあった王宮病院に慰問へ行く。
そこで、足を怪我した男性と出会い意気投合した。
それから一月後。
王宮から成人を祝うパーティーが開かれるとのことでセシリアはしぶしぶ参加することになった。
やはりそこでも、ソフィアナに嫌味を言われてしまう。
つい、言い返しそうななったその時。
声をかけてきたのはあの王宮病院で出会った男性だった。
彼の正体はーー……。
※カクヨム、ベリーズカフェにも掲載中
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています
完結・私と王太子の婚約を知った元婚約者が王太子との婚約発表前日にやって来て『俺の気を引きたいのは分かるがやりすぎだ!』と復縁を迫ってきた
まほりろ
恋愛
元婚約者は男爵令嬢のフリーダ・ザックスと浮気をしていた。
その上、
「お前がフリーダをいじめているのは分かっている!
お前が俺に惚れているのは分かるが、いくら俺に相手にされないからといって、か弱いフリーダをいじめるなんて最低だ!
お前のような非道な女との婚約は破棄する!」
私に冤罪をかけ、私との婚約を破棄すると言ってきた。
両家での話し合いの結果、「婚約破棄」ではなく双方合意のもとでの「婚約解消」という形になった。
それから半年後、私は幼馴染の王太子と再会し恋に落ちた。
私と王太子の婚約を世間に公表する前日、元婚約者が我が家に押しかけて来て、
「俺の気を引きたいのは分かるがこれはやりすぎだ!」
「俺は充分嫉妬したぞ。もういいだろう? 愛人ではなく正妻にしてやるから俺のところに戻ってこい!」
と言って復縁を迫ってきた。
この身の程をわきまえない勘違いナルシストを、どうやって黙らせようかしら?
※ざまぁ有り
※ハッピーエンド
※他サイトにも投稿してます。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
小説家になろうで、日間総合3位になった作品です。
小説家になろう版のタイトルとは、少し違います。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる