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「私はここに宣言する!
 この身が朽ち果てるまで、オリビア嬢を愛すると!
 オリビア嬢が月神殿の聖女でなかろうと、この宣言を変えないと!
 オリビア嬢が孤児の身に戻ろうと、王太子妃に迎え、生涯愛すると!
 生涯オリビア嬢以外の妻を迎えないと宣言し誓う。
 我が守護神太陽神に誓い祈る!
 オリビア嬢の守護神月神に誓い祈る!
 私が誓いを破ったら、神罰でこの身を滅ぼしてください!
 オリビア嬢、私と結婚してください!」

 あたまが、痛いです。
 あまりの大声に、鼓膜が破れそうだし、頭の芯まで痛みます。
 それに、なにとち狂った事を言っているのですか。
 月神殿の聖女が、太陽神と契約している王族と、結婚できるはずがないではありませんか!

 会場にいる王侯貴族が唖然としています。
 失禁したビアージョ王太子などバカのように惚けています。
 まあ、元々バカですが。
 ガストーネ国王が固まって動けなくなっています。
 口をパクパクさせていますから、何か言いたいことがあるのでしょう。
 でも全然言葉になっていません。

「待っていただこうか!
 それはあまりに一方的過ぎるのではありませんか、ブルーノ殿下」

 ああ、よかった!
 キャレル辺境伯グレアム卿が割って入ってくれました。
 ブルーノ王太子に匹敵する百九十センチの身長と筋肉量の王国無双の騎士です。
 双剣と青龍偃月刀の名手で、知勇兼備の名将です。
 辺境伯の地位も、領地を経営しつつ魔獣に備えるために与えられた爵位で、単なる将軍では守り切れない難地を、自給自足で守れるようにするためです。

 しかも、守護神月神は、惜しみない才能をキャレル辺境伯に与えられました。
 知勇兼備と領主の才だけでなく、社交界の令嬢全てが見惚れるほどの美丈夫です。
 軽くウェーブした山吹色の髪、金色の瞳、菜の花色の肌、美の神が細心の注意を払って作り上げたような容姿なのです。
 まあ、私は見た目だけで男性を評価したりしませんが、噂で聞く辺境伯領の統治方法が本当なら、尊敬に値する男性なのは間違いありません。

「なんだ、キャレル辺境伯。
 貴君はそこで小便を垂れ流している憶病なバカとは違うであろう。
 人の恋路を邪魔する無粋者でもなかろう。
 私は真剣に求婚しているのだ。
 邪魔するのは止めてもらおうか」

「では本当に聖女オリビアを愛していると言うのか?
 この国から聖女を奪うための謀略ではないと言うのだな?!」

「ふん!
 貴君も小便ちびり王太子同様の馬鹿なのか?
 太陽神と月神に誓った求婚が嘘偽りであったら、もう神罰が下っておるわ!
 分かったらそこをどけ!」

「いいや、どかぬ。
 本気だと分かった以上、絶対にどかぬ!」
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