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10話

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 私は今日王太子殿下と結婚式をあげます!
 王城に到着し、王宮内に招き入れられて半年、何とか生き残ることができました。
 単純な毒殺未遂に始まり、手の込んだ呪殺まで、毎日のように狙われました。
 
 その度に、王宮内、特に王妃殿下の離宮、後宮に張り巡らされた防御魔法陣と、王妃殿下が貸し与えてくださった魔道具が護ってくれました。
 ですが、明らかに王妃殿下の侍女や召使いが手引きした毒殺や呪殺もありました。
 この場合は、後宮の常設魔法陣や、王妃殿下が貸与してくださった魔道具のスキをつくことができます。

 これには王太子殿下が貸し与えてくださった魔道具が役に立ちました。
 しかしあまりに回数が多いため、王太子殿下が貸与してくださった魔道具が次々と壊れていき、徐々に数を減らしていきました。

 また王太子殿下が自分の魔道具を貸し与えようとしてくださいましたが、それでは王太子殿下が危険です。
 側近ばかりではなく、国王陛下と王妃殿下も猛反対されました。
 私も強くご遠慮させていただきました。
 そうしなければ、今まで助けてくださっていた、国王陛下と王妃殿下まで敵に回してしまうことになります。

 そこで王太子殿下は、夜眠るわずかな時間以外、毎日後宮に私を訪ねてきてくださいました。
 誤解がないように、王妃殿下の侍女や召使いを数多く侍らせ、私と談笑するだけなのですが、その間は王太子殿下の魔道具と護衛が、私も護ってくれるのです。
 毎日毎日、国王陛下と王妃殿下に無理矢理帰らせられるまで、私を護ってくださいました。

 全ての公務を拒否して、国王陛下と王妃殿下を怒らせてまで、私を護ってくださいました。
 しかたなく国王陛下は、王家の予備魔道具を全て私に貸与してくださいました。
 当然ですが、他の王族を護るための魔道具や予備の魔道具は別です。
 本当の予備の予備ですが、それでも貴重な魔道具です。
 その代わり、王太子殿下は公務をしなければいけなくなりました。

 ですが十分時間を稼ぐことができました。
 自由戦士ギルドの援軍が間に合ったのです。
 今まではブリギッテ一人が獅子奮迅の活躍をしてくれていました。
 直接私を刺殺しようとする者や、毒殺しようとする者を、一刀両断に斬り捨ててくれました。
 自身の魔道具を破壊されてまで、盾となって私を護ってくれました。
 二人目の自由戦士ギルドの戦士が来る頃には、満身創痍の状態でした。
 
 私は、かけがえのないモノを手に入れることができました。
 まだ愛していると断言でしませんが、王太子殿下に親愛の情を抱くことができましたし、恐れ多い事ながら、国王陛下と王妃殿下にも親しみを感じられるようになりました。

 なによりもブリギッテをはじめとする、心から信用信頼できる家臣を得ることができました。
 今度は私が恩を返す番です。
 王太子殿下の寵愛を得て、彼らに報いるのです!
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