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第一章
第15話:魔術師団副団長(ジークフリート視点)
しおりを挟む 頭目が倒れた事で戦いは終わった。
まだ立っていた者達も、スタン達に敵わないと分かると、それ以上抵抗する事無く武器を置いた。
「それで、こいつらはどうするのだ?」
「んー、面倒だが縛っていくしかないよな」
セトナからの問い掛けに、スタンは倒れている男達の数を数えて、うんざりとする。
彼らをいちいち縄で縛っていくのは時間が掛かりそうだ。
とはいえ、野放しにしておく訳にもいかない。
「手分けして縛っていくか」
スタンが諦めて作業へと取り掛かろうとした時、広間の外から近付く、複数の足音が聞こえてきた。
「まだ敵が隠れていたのか?」
同じように気付いたセトナが、弓を構える。
「いや、これは……」
スタンが足音の正体に見当を付けているうちに、足音は広間の入口へと到達した。
「リッカ!」
「父さん!?」
姿を見せたのは、店主を始めとした町の人々だった。
それぞれ鍬棍棒などを持ち、頼りないながらも武装している。
待っている事に耐えられず、皆でここまで来たのだろう。
「おお、リッカ! 無事だったか!」
リッカ達の姿を確認し、人々が駆け寄ってくる。
一緒に攫われていた子供達の親もいるようだ。
子供達へと駆け寄り、涙を流しながら抱き合っている。
「無事に取り返せて良かったな」
「ああ」
その光景を眺めていたスタンとセトナは、優しく微笑み合う。
そんなスタン達の下へ、室内の様子を眺めた住人の一人がやってくる。
「これは……君達がやったのか?」
住人たちが敵わなかった冒険者の一団が、たった三人の手によって全滅させられている。
「信じられないな」
スタンが肯定しても、住人にはまだ信じられない様子だった。
「あとは拘束して、牢に入れるなり、領主に引き渡すなりすれば終わりだ。あとの事は任せても大丈夫か?」
「あ、ああ。それくらいなら任せてくれ」
あとの事を町の人々へと任せると、スタンは仲間達へと声を掛ける。
「さて、俺達は一足先に引き上げるとしようか」
さすがに戦闘をすれば疲れもする。
面倒な作業は引き受けて貰えたのだから、スタンとしては先に戻って休んでもいいだろうと思っていた。
しかしその時、先程からエルの姿が見えない事に気が付いた。
「そう言えば、エルは?」
「……あそこだ」
何とも言えない表情のセトナが指差す方向、そこではエルが地面へとうずくまり、何やらブツブツと呟いていた。
「ボクの剣が……師匠の為に鍛えた剣が……」
「……」
荒くれ者達の拘束という、面倒な作業を回避できたスタンではあったが、落ち込んでいるエルを励ますという、もっと面倒な出来事を、さすがに避ける事は出来なかった……。
スタン達に倒された男達は全て牢へと放り込まれ、町には平和が戻った。
その日の夜は、町中で歓喜の声が響き、精一杯の御馳走が振る舞われ、ここ数年で一番賑やかな夜となっていた。
「じゃあ、世話になったな」
男達を捕えた翌朝、スタンは馬車へと乗り込み、店主とリッカに別れを告げていた。
「もう行ってしまわれるのですか? まだ充分なお礼も出来ていませんし、せめてもう数日……」
店主はそう引き止めるのだが、スタンはその言葉に首を振る。
「仲間と合流出来た事だし、そろそろ旅へと戻らないとな」
「そうですか……」
スタンの意志が変えられそうにない事を理解した店主は、残念そうな顔をする。
「またこの辺りへと来る事があれば、ぜひこの町にお寄りください。その時には町を上げて歓迎しますので」
「ああ、期待しているよ」
笑顔で店主と別れを済ませたスタンは、リッカへと顔を向ける。
「お前も元気でな」
「……」
スタンからの別れの言葉に対し、リッカは無言だった。
視線もスタンから逸らし、目を合わせようとしない。
それでもスタンは何も言わなかった。
二人の間に、静寂の時が流れる。
そろそろ娘を促そうかと、店主が行動しようとした時、
「その……色々と悪かったな。それと……助けてくれて、ありがとう……」
恥ずかしそうに、リッカが礼を述べる。
最後の方は声が小さく、ボソボソとしたものだったが、スタンには充分伝わっていた。
「なに、気にするなよ。美味い飯の礼だ」
リッカの言葉に対し、快活な笑顔で答えるスタン。
「それじゃあ、またな」
そしてスタンは、馬車を前へと進ませ、自分達の旅路へと戻っていった。
「またな、か……」
リッカはスタンの最後の言葉を口ずさむ。
スタン達はこの辺りの冒険者ではない。
またこの地を訪れる事は暫く、下手をすれば一生ないのかもしれない。
それでもスタンは、「またな」と言ったのだ。
それは、再会を期待しての言葉。
「だったら、また美味い飯を食わせてやらないとな」
可能性は低いのかもしれない。
だけれどリッカは、いつか再開できる日が必ず来ると、そう信じるのだった。
町を出て、街道をゆっくりと進む馬車の上、予想通りに始まったセトナの説教に、スタンはうんざりとしていた。
「まったく……お前はまた一人で冒険者の一団に突っ込んでいくなんて無茶な事を……」
「今回は仕方ないだろう? 早く行かなきゃ、子供達がどうなるか分からなかったんだし」
「そうは言っても師匠、ボク達も心配していたんですよ? セトナさんなんか、かなり落ち着きがなかったんですから」
唐突なエルの横槍に、セトナは慌てて反論する。
「ば、馬鹿な事を言うなエル! 私はそんなに心配なんか……」
「そうですか? 師匠が離れている間、ずっと尻尾や耳がソワソワと動いてたじゃないですか」
「そんな事はないぞ……あれは……そう! この辺りの空気に馴染まなくてだな……」
「えー、そうなんですか?」
エルの、わざとらしいほど感情の籠もっていない声が響く。
セトナの見え透いた言い訳を、まったく信じていないのだ。
ニコニコとしているエルの態度から、セトナは己が信じられていない事を悟り、
「それは……ええい! 全部お前が悪いんだ! そもそもお前がはぐれなければ……」
スタンへとかんしゃくを起こし始めた。
「おい、馬車の上で暴れるなよセトナ。馬が驚くだろうが……」
そんな少女をどう宥めようかと、スタンは頭を悩ませる。
馬車の上で、ギャアギャアと騒ぐスタン達一行。
そんな主達の騒ぎをよそに、馬はのんびりと旅路を進んで行のだった。
~はじまりの町・了~
まだ立っていた者達も、スタン達に敵わないと分かると、それ以上抵抗する事無く武器を置いた。
「それで、こいつらはどうするのだ?」
「んー、面倒だが縛っていくしかないよな」
セトナからの問い掛けに、スタンは倒れている男達の数を数えて、うんざりとする。
彼らをいちいち縄で縛っていくのは時間が掛かりそうだ。
とはいえ、野放しにしておく訳にもいかない。
「手分けして縛っていくか」
スタンが諦めて作業へと取り掛かろうとした時、広間の外から近付く、複数の足音が聞こえてきた。
「まだ敵が隠れていたのか?」
同じように気付いたセトナが、弓を構える。
「いや、これは……」
スタンが足音の正体に見当を付けているうちに、足音は広間の入口へと到達した。
「リッカ!」
「父さん!?」
姿を見せたのは、店主を始めとした町の人々だった。
それぞれ鍬棍棒などを持ち、頼りないながらも武装している。
待っている事に耐えられず、皆でここまで来たのだろう。
「おお、リッカ! 無事だったか!」
リッカ達の姿を確認し、人々が駆け寄ってくる。
一緒に攫われていた子供達の親もいるようだ。
子供達へと駆け寄り、涙を流しながら抱き合っている。
「無事に取り返せて良かったな」
「ああ」
その光景を眺めていたスタンとセトナは、優しく微笑み合う。
そんなスタン達の下へ、室内の様子を眺めた住人の一人がやってくる。
「これは……君達がやったのか?」
住人たちが敵わなかった冒険者の一団が、たった三人の手によって全滅させられている。
「信じられないな」
スタンが肯定しても、住人にはまだ信じられない様子だった。
「あとは拘束して、牢に入れるなり、領主に引き渡すなりすれば終わりだ。あとの事は任せても大丈夫か?」
「あ、ああ。それくらいなら任せてくれ」
あとの事を町の人々へと任せると、スタンは仲間達へと声を掛ける。
「さて、俺達は一足先に引き上げるとしようか」
さすがに戦闘をすれば疲れもする。
面倒な作業は引き受けて貰えたのだから、スタンとしては先に戻って休んでもいいだろうと思っていた。
しかしその時、先程からエルの姿が見えない事に気が付いた。
「そう言えば、エルは?」
「……あそこだ」
何とも言えない表情のセトナが指差す方向、そこではエルが地面へとうずくまり、何やらブツブツと呟いていた。
「ボクの剣が……師匠の為に鍛えた剣が……」
「……」
荒くれ者達の拘束という、面倒な作業を回避できたスタンではあったが、落ち込んでいるエルを励ますという、もっと面倒な出来事を、さすがに避ける事は出来なかった……。
スタン達に倒された男達は全て牢へと放り込まれ、町には平和が戻った。
その日の夜は、町中で歓喜の声が響き、精一杯の御馳走が振る舞われ、ここ数年で一番賑やかな夜となっていた。
「じゃあ、世話になったな」
男達を捕えた翌朝、スタンは馬車へと乗り込み、店主とリッカに別れを告げていた。
「もう行ってしまわれるのですか? まだ充分なお礼も出来ていませんし、せめてもう数日……」
店主はそう引き止めるのだが、スタンはその言葉に首を振る。
「仲間と合流出来た事だし、そろそろ旅へと戻らないとな」
「そうですか……」
スタンの意志が変えられそうにない事を理解した店主は、残念そうな顔をする。
「またこの辺りへと来る事があれば、ぜひこの町にお寄りください。その時には町を上げて歓迎しますので」
「ああ、期待しているよ」
笑顔で店主と別れを済ませたスタンは、リッカへと顔を向ける。
「お前も元気でな」
「……」
スタンからの別れの言葉に対し、リッカは無言だった。
視線もスタンから逸らし、目を合わせようとしない。
それでもスタンは何も言わなかった。
二人の間に、静寂の時が流れる。
そろそろ娘を促そうかと、店主が行動しようとした時、
「その……色々と悪かったな。それと……助けてくれて、ありがとう……」
恥ずかしそうに、リッカが礼を述べる。
最後の方は声が小さく、ボソボソとしたものだったが、スタンには充分伝わっていた。
「なに、気にするなよ。美味い飯の礼だ」
リッカの言葉に対し、快活な笑顔で答えるスタン。
「それじゃあ、またな」
そしてスタンは、馬車を前へと進ませ、自分達の旅路へと戻っていった。
「またな、か……」
リッカはスタンの最後の言葉を口ずさむ。
スタン達はこの辺りの冒険者ではない。
またこの地を訪れる事は暫く、下手をすれば一生ないのかもしれない。
それでもスタンは、「またな」と言ったのだ。
それは、再会を期待しての言葉。
「だったら、また美味い飯を食わせてやらないとな」
可能性は低いのかもしれない。
だけれどリッカは、いつか再開できる日が必ず来ると、そう信じるのだった。
町を出て、街道をゆっくりと進む馬車の上、予想通りに始まったセトナの説教に、スタンはうんざりとしていた。
「まったく……お前はまた一人で冒険者の一団に突っ込んでいくなんて無茶な事を……」
「今回は仕方ないだろう? 早く行かなきゃ、子供達がどうなるか分からなかったんだし」
「そうは言っても師匠、ボク達も心配していたんですよ? セトナさんなんか、かなり落ち着きがなかったんですから」
唐突なエルの横槍に、セトナは慌てて反論する。
「ば、馬鹿な事を言うなエル! 私はそんなに心配なんか……」
「そうですか? 師匠が離れている間、ずっと尻尾や耳がソワソワと動いてたじゃないですか」
「そんな事はないぞ……あれは……そう! この辺りの空気に馴染まなくてだな……」
「えー、そうなんですか?」
エルの、わざとらしいほど感情の籠もっていない声が響く。
セトナの見え透いた言い訳を、まったく信じていないのだ。
ニコニコとしているエルの態度から、セトナは己が信じられていない事を悟り、
「それは……ええい! 全部お前が悪いんだ! そもそもお前がはぐれなければ……」
スタンへとかんしゃくを起こし始めた。
「おい、馬車の上で暴れるなよセトナ。馬が驚くだろうが……」
そんな少女をどう宥めようかと、スタンは頭を悩ませる。
馬車の上で、ギャアギャアと騒ぐスタン達一行。
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