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第16話12日目の出来事
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「斃せ!
さっさと撃退しろ!
何をグズグズしているか?!」
エドワド王太子が半狂乱になってわめいている。
自分の財宝が盗賊に奪われることが絶えられないのだ。
新たに近衛騎士や近衛徒士に任じた者達に、無理な命令をくだしている。
だが命令に従うことなど不可能だ。
そもそも彼らは王都から逃げるあてもなかった、没落貴族士族だ。
近衛とは名ばかりで、ろくな装備もつけていない。
対して襲撃してきた連中は、ただの盗賊ではなかった。
王太子が遷都の旅程に宿泊した貴族士族に仕える戦闘員だ。
彼らは怒り狂っていたのだ。
王家の命令で城や館はもちろん、民の家まで無理矢理に宿泊場所に明け渡しを命じられていたのだ。
それだけなら、ここまで激怒していなかっただろう。
それだけではすまなかったのだ。
王太子はもちろん、阿諛追従で貴族に抜擢された者も、新たに近衛を役目に任じられた者達までも、女達に夜伽を命じたのだ!
貴族士族領主の娘や夫人が、王太子の毒牙にかかった。
領主に仕える陪臣士族の娘や夫人が、新貴族や新士族に強姦された。
領民の娘や妻の中には、複数の、数十人の男に輪姦され、狂気に落ちる者や死ぬ者までいたのだ。
領主家臣領民一段となって、王太子一行を皆殺しにしかねない勢いで襲った。
だが、それでも、王太子を殺す事まではできなかった。
まあ、殺すより先に、賠償金代わりに財宝を奪うこと、奪った財宝を安全に領地まで運ぶことを優先した。
妻や娘の、失われた名誉と、心身の傷を癒すことなどできないが、賠償金を手に入れることができれば、慰めくらいになる。
だが襲撃犯は、彼らのような、被害を受けた領主主従領民だけではなかった。
全く何の被害をもうけていない領主が、純粋に欲望で襲う事も多かった。
通過する領地で発見されないように、騎馬隊だけの軍勢で、王太子一行に襲いかかり、小さくて価値のあるモノを厳選して奪い、風のように去っていくのだ。
一度そのような襲撃が成功すれば、同じように襲う者が現れる。
なんといっても、獲物は王家に伝わる高価な財宝なのだ。
それに加えて、普段から盗賊や山賊をしているモノも襲いかかってくる。
情け容赦なく、無理矢理徴募された民にも凶刃をふるう。
それでなくても嫌々参加させられていた民だ。
盗賊や山賊に仲間に入れてくれと懇願し、新たな盗賊山賊が生まれる事もある。
民の懇願を無視して、殺戮の快楽に酔う盗賊山賊もいる。
だが、少しでも頭を使える長がいる盗賊団山賊団は、荷物持ちとして一旦民を仲間に入れて、アジトまで荷物を運ばせた。
そうすれば奪える宝物が増えるからだ。
それに、分け前を渡したくなければ、アジトについてから殺せばすむ事だった。
そんな惨劇が続き、王太子一行は早くも十分の一になっていた。
さっさと撃退しろ!
何をグズグズしているか?!」
エドワド王太子が半狂乱になってわめいている。
自分の財宝が盗賊に奪われることが絶えられないのだ。
新たに近衛騎士や近衛徒士に任じた者達に、無理な命令をくだしている。
だが命令に従うことなど不可能だ。
そもそも彼らは王都から逃げるあてもなかった、没落貴族士族だ。
近衛とは名ばかりで、ろくな装備もつけていない。
対して襲撃してきた連中は、ただの盗賊ではなかった。
王太子が遷都の旅程に宿泊した貴族士族に仕える戦闘員だ。
彼らは怒り狂っていたのだ。
王家の命令で城や館はもちろん、民の家まで無理矢理に宿泊場所に明け渡しを命じられていたのだ。
それだけなら、ここまで激怒していなかっただろう。
それだけではすまなかったのだ。
王太子はもちろん、阿諛追従で貴族に抜擢された者も、新たに近衛を役目に任じられた者達までも、女達に夜伽を命じたのだ!
貴族士族領主の娘や夫人が、王太子の毒牙にかかった。
領主に仕える陪臣士族の娘や夫人が、新貴族や新士族に強姦された。
領民の娘や妻の中には、複数の、数十人の男に輪姦され、狂気に落ちる者や死ぬ者までいたのだ。
領主家臣領民一段となって、王太子一行を皆殺しにしかねない勢いで襲った。
だが、それでも、王太子を殺す事まではできなかった。
まあ、殺すより先に、賠償金代わりに財宝を奪うこと、奪った財宝を安全に領地まで運ぶことを優先した。
妻や娘の、失われた名誉と、心身の傷を癒すことなどできないが、賠償金を手に入れることができれば、慰めくらいになる。
だが襲撃犯は、彼らのような、被害を受けた領主主従領民だけではなかった。
全く何の被害をもうけていない領主が、純粋に欲望で襲う事も多かった。
通過する領地で発見されないように、騎馬隊だけの軍勢で、王太子一行に襲いかかり、小さくて価値のあるモノを厳選して奪い、風のように去っていくのだ。
一度そのような襲撃が成功すれば、同じように襲う者が現れる。
なんといっても、獲物は王家に伝わる高価な財宝なのだ。
それに加えて、普段から盗賊や山賊をしているモノも襲いかかってくる。
情け容赦なく、無理矢理徴募された民にも凶刃をふるう。
それでなくても嫌々参加させられていた民だ。
盗賊や山賊に仲間に入れてくれと懇願し、新たな盗賊山賊が生まれる事もある。
民の懇願を無視して、殺戮の快楽に酔う盗賊山賊もいる。
だが、少しでも頭を使える長がいる盗賊団山賊団は、荷物持ちとして一旦民を仲間に入れて、アジトまで荷物を運ばせた。
そうすれば奪える宝物が増えるからだ。
それに、分け前を渡したくなければ、アジトについてから殺せばすむ事だった。
そんな惨劇が続き、王太子一行は早くも十分の一になっていた。
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