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第1章
第51話:急転直下
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「ショウ様、ストックトン宮中伯とスノードン伯爵が手を結びました」
東大城門外の貧民街をたばねる長、ハーヴィーが教えてくれる。
東貧民街を豊かにした僕をとても大切にしてくれる。
東はもちろん西南北の貧民に襲われないように、東貧民街副長に地位をくれた。
地位が欲しい東貧民街の者に襲われないか心配だったが、大丈夫だと言われた。
王国騎士21人を1人で殺し、ブルーアルクトドゥス級魔獣7頭を1人で狩るような者を、何の準備もなく襲うバカはいないと言われた。
襲うとしたら貧民街の総力をあげて暗殺するしかない。
だが、東貧民街の9割は僕の味方か僕を恐れているから心配いらない。
守ってくれると分かったら、逆に味方すると言われたのだ。
「スノードン伯爵の譜代家臣や使用人は賢いと思っていたけど?」
「愚かで欲深い家臣が賢い忠臣に隠れて、スノードン伯爵をそそのかしました。
ショウ様を恨んでいる、新しいストックトン宮中伯と手を組めば勝てるとそそのかしして、忠臣に隠れて暗殺しようとしいています」
ハーヴィーは僕のために貧民街独自の情報網を使ってくれている。
貧民街の人たちが安全に豊かに暮らせるように、僕の味方してくれている。
僕もその気持ちに応えたいと思っている。
「前ストックトン宮中伯が使っていた、優秀な暗殺団でも僕に勝てなかった。
21人の王国騎士団が一斉に襲っても僕に勝てなかった。
そんな僕をどうやって暗殺する気なんだ?」
「エルフ系ドレイを使って暗殺する気です。
ショウ様が寝所に引き込んだ時に、エルフ系ドレイに殺させるのです。
ショウ様がエルフ系ドレイを買い集めている事は広まっています。
王都行政官閣下は秘密にされていますが、王族や貴族の中にも知者はいます。
そのような者たちはショウ様を調べているのです」
「数多くのスパイが入り込んでいるのは知っている。
この地区の人たちを金で取り込んでいるのも知っている」
「申し訳ありません」
「謝らなくて良いよ、みんな生きるのに必死なのは知っている。
それよりも気になっている事があります。
エルフ系ドレイは人間に苦しめられてきたんだよね?
そんなエルフ系ドレイが、どうして連中の命令を聞くの?
なんで僕に事情を話して助けてもらう方を選ばないの?」
「自分を恨んでいるドレイに言う事を聞かす方法は複数あります。
1つは大切な人を人質にする事です。
エルフ系の女性ドレイなら、子供を人質にする方法があります。
自分の血が流れていても、ドレイが産んだ子供をドレイとして売る者が多いです。
人質にする子供がいない場合は、ガタノトーア教会で死の呪いをかけます。
呪いで死にたくなければ、命じられるままショウ様を殺すしかありません」
「教会がそんなひどい事をしているのか?」
「ガタノトーア教会では普通の事ですが?」
「僕の知っている教会とは違うようだ」
「神によって得意な事が違いますから、ショウ様の信じられている教会は違うのでしょうね」
「暗殺を防ぐ好い方法はありますか?」
「エルフ系ドレイを買わなければ良いのです。
ドレイを買わなければ暗殺者はショウ様に近づけません。
連中が新しい方法を考えるまで時間をかせげます。
その間に敵を叩き潰してしまえば良いのです。
逆にこちらから暗殺者を送る方法もあります。
事を荒立てないのなら、スノードン伯爵家の忠臣に事情を教えても良いです」
「エルフ系ドレイを助けたい、呪いを解く方法はないか?」
「呪いはガタノトーア教会の秘術です、神官以外には呪う事も解く事もできません。
それに、神官が解けるとも限りません。
神に願った呪いなら、解きたくなっても解けないかもしれません」
「神官が呪いを解けるとしても、教会自体を制圧するか、呪いをかけた神官を捕らえて言いなりにするしか、呪いを解けないのですね?」
「はい、それしか方法はないと思います。
ですが、神官に手を出せばガタノトーア教会全体を敵に回します。
教会が敵に回ったとなると、これまで様子を見ていた王族や有力貴族が好機と判断して、ショウ様に攻撃をしかけるかもしれません」
「王家や貴族たちは黙らせます、これまで以上の圧倒的な力を見せて黙らせます。
神官の方は、誰にも知られない方法で捕らえるしかないのですね」
「はい、これまで以上の力を示せば、誰であろうと黙ると思います。
ですが、そこまでしてエルフ系ドレイを助けないといけないのですか?」
「話は聞いていると思いますが、返さなければいけない恩があるのです。
スリークオーターエルフに命を助けられた大恩があるのです。
彼女を不幸にした汎人族やエルフ族を助ける気はありません。
ですが、彼女と同じ立場で苦しんでいるエルフ系ドレイはできるだけ助けます。
それが命を助けられた僕の義務だと思っています」
「分かりました、そういう事ならお手伝いさせていただきます」
東貧民街の長、ハーヴィーが全面的に手助けしてくれる事になった。
とは言っても、実力行使を手伝ってもらう気はない。
敵の情報を集めて僕に都合の良い噂を流してくれればいい。
「僕を助けて下さっているウカノミタマ、アマテラス様、オキナガタラシヒメノミコト、ウワツツノオ、ナカツツノオ、ソコツツノオ。
ガタノトーアの呪いを討ち破れるか教えてください。
ガタノトーアが襲って来た時に助けてくださるか教えてください
僕がどこまで好き勝手にして良いのか教えてください【異神眼】」
東大城門外の貧民街をたばねる長、ハーヴィーが教えてくれる。
東貧民街を豊かにした僕をとても大切にしてくれる。
東はもちろん西南北の貧民に襲われないように、東貧民街副長に地位をくれた。
地位が欲しい東貧民街の者に襲われないか心配だったが、大丈夫だと言われた。
王国騎士21人を1人で殺し、ブルーアルクトドゥス級魔獣7頭を1人で狩るような者を、何の準備もなく襲うバカはいないと言われた。
襲うとしたら貧民街の総力をあげて暗殺するしかない。
だが、東貧民街の9割は僕の味方か僕を恐れているから心配いらない。
守ってくれると分かったら、逆に味方すると言われたのだ。
「スノードン伯爵の譜代家臣や使用人は賢いと思っていたけど?」
「愚かで欲深い家臣が賢い忠臣に隠れて、スノードン伯爵をそそのかしました。
ショウ様を恨んでいる、新しいストックトン宮中伯と手を組めば勝てるとそそのかしして、忠臣に隠れて暗殺しようとしいています」
ハーヴィーは僕のために貧民街独自の情報網を使ってくれている。
貧民街の人たちが安全に豊かに暮らせるように、僕の味方してくれている。
僕もその気持ちに応えたいと思っている。
「前ストックトン宮中伯が使っていた、優秀な暗殺団でも僕に勝てなかった。
21人の王国騎士団が一斉に襲っても僕に勝てなかった。
そんな僕をどうやって暗殺する気なんだ?」
「エルフ系ドレイを使って暗殺する気です。
ショウ様が寝所に引き込んだ時に、エルフ系ドレイに殺させるのです。
ショウ様がエルフ系ドレイを買い集めている事は広まっています。
王都行政官閣下は秘密にされていますが、王族や貴族の中にも知者はいます。
そのような者たちはショウ様を調べているのです」
「数多くのスパイが入り込んでいるのは知っている。
この地区の人たちを金で取り込んでいるのも知っている」
「申し訳ありません」
「謝らなくて良いよ、みんな生きるのに必死なのは知っている。
それよりも気になっている事があります。
エルフ系ドレイは人間に苦しめられてきたんだよね?
そんなエルフ系ドレイが、どうして連中の命令を聞くの?
なんで僕に事情を話して助けてもらう方を選ばないの?」
「自分を恨んでいるドレイに言う事を聞かす方法は複数あります。
1つは大切な人を人質にする事です。
エルフ系の女性ドレイなら、子供を人質にする方法があります。
自分の血が流れていても、ドレイが産んだ子供をドレイとして売る者が多いです。
人質にする子供がいない場合は、ガタノトーア教会で死の呪いをかけます。
呪いで死にたくなければ、命じられるままショウ様を殺すしかありません」
「教会がそんなひどい事をしているのか?」
「ガタノトーア教会では普通の事ですが?」
「僕の知っている教会とは違うようだ」
「神によって得意な事が違いますから、ショウ様の信じられている教会は違うのでしょうね」
「暗殺を防ぐ好い方法はありますか?」
「エルフ系ドレイを買わなければ良いのです。
ドレイを買わなければ暗殺者はショウ様に近づけません。
連中が新しい方法を考えるまで時間をかせげます。
その間に敵を叩き潰してしまえば良いのです。
逆にこちらから暗殺者を送る方法もあります。
事を荒立てないのなら、スノードン伯爵家の忠臣に事情を教えても良いです」
「エルフ系ドレイを助けたい、呪いを解く方法はないか?」
「呪いはガタノトーア教会の秘術です、神官以外には呪う事も解く事もできません。
それに、神官が解けるとも限りません。
神に願った呪いなら、解きたくなっても解けないかもしれません」
「神官が呪いを解けるとしても、教会自体を制圧するか、呪いをかけた神官を捕らえて言いなりにするしか、呪いを解けないのですね?」
「はい、それしか方法はないと思います。
ですが、神官に手を出せばガタノトーア教会全体を敵に回します。
教会が敵に回ったとなると、これまで様子を見ていた王族や有力貴族が好機と判断して、ショウ様に攻撃をしかけるかもしれません」
「王家や貴族たちは黙らせます、これまで以上の圧倒的な力を見せて黙らせます。
神官の方は、誰にも知られない方法で捕らえるしかないのですね」
「はい、これまで以上の力を示せば、誰であろうと黙ると思います。
ですが、そこまでしてエルフ系ドレイを助けないといけないのですか?」
「話は聞いていると思いますが、返さなければいけない恩があるのです。
スリークオーターエルフに命を助けられた大恩があるのです。
彼女を不幸にした汎人族やエルフ族を助ける気はありません。
ですが、彼女と同じ立場で苦しんでいるエルフ系ドレイはできるだけ助けます。
それが命を助けられた僕の義務だと思っています」
「分かりました、そういう事ならお手伝いさせていただきます」
東貧民街の長、ハーヴィーが全面的に手助けしてくれる事になった。
とは言っても、実力行使を手伝ってもらう気はない。
敵の情報を集めて僕に都合の良い噂を流してくれればいい。
「僕を助けて下さっているウカノミタマ、アマテラス様、オキナガタラシヒメノミコト、ウワツツノオ、ナカツツノオ、ソコツツノオ。
ガタノトーアの呪いを討ち破れるか教えてください。
ガタノトーアが襲って来た時に助けてくださるか教えてください
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