49 / 57
第1章
第46話:身代金代わりとお願い1
しおりを挟む
「魔境に行って、何でも良いから狩って来てくれ」
僕は人質宣誓で逃げないと誓ったスノードン伯爵家の騎士と兵士に命じた。
「分かりました、何も狩れなかったら薬草と薪を集めてきます」
10騎士と100兵が魔境に行進していく。
スノードン伯爵家が身代金の支払いを拒否したので、日々増えていく身代金の1部として狩りや輸送をさせている。
全く信用できない指揮官は、人質宣誓させずに牢屋に閉じ込めている。
落馬で死んでくれていれば良かったのだが、しぶとく生き延びた。
大声でわめき散らすので、治療中の死病患者に思いっきり迷惑だった。
迷惑にならないように、声が外にもれないように、地下室を造って閉じ込めた。
騎士と兵士が寝起きする牢屋の下に、指揮官用の地下室を造ってやった。
「ショウ様、また王都の平民が治療して欲しいとやって来ております」
結核療養所のようになった屋敷で働き始めた元荷役の代表が言う。
「いつも言っているように、貧民街の長が許可した者しか治療しない」
「貧民街の長は、そんな重大な権限を与えられて困っています」
貧民の長は僕の力を認めてくれたのだろう。
長の座を狙って暗殺するような、悪人ではないと分かってくれたのだろう。
屈強な影武者ではなく、初老の本人が直接会いに来て謝ってくれた。
「困る事なんてないだろう?
貧民街の人間に親切だった者は許可する。
貧民街の人間を苦しめていた者は許可しない、それで良い」
「ショウ様は全ての人を助けたいと思っておられるのではないのですか?」
「僕はそんな聖人じゃないよ、好き嫌いの激しい普通の人間だよ。
愚王やバカ貴族は絶対に助けたくない。
仲良くなった人たちを苦しめてきた者を助けようとは思わない。
僕のために恨みを忘れようなんて思わなくていい。
僕を利用して、これまでの恨みを晴らしてくれ」
「分かりました、どうなるかは分かりませんが、そのように伝えます」
荷役の代表、ジョーンズがそう言って長老の所に向かった。
僕は死病患者用の薬草料理を作る。
手伝いの女子供が露天街で売るモツ煮込みを作る。
「ショウ様、ウシ系のモツ煮込み13種が完成しました」
「露店に持って行ってくれ」
「はい、行ってきます」
シカ系のホルモン13種を魔境の香草と根菜で煮込み塩で味付けしたモツ煮込み。
シカ系と同じように胃が4つあるウシ系魔獣のモツ煮込みも露店で売る事にした。
常に煮込んでいるモツ煮込みなら、大城門の閉門まで売れ残っても腐らない。
売れ残ったモツ煮込は、子ども食堂で無料の給食にする。
これで餓死する貧民がいなくなる。
僕の作るモツ煮込は美味しいと評判になっている。
王都内の平民だけでなく、下級騎士や兵士も食べに来るくらい大評判だ。
1杯5アルの値段だが、お腹一杯になるくらい量が多い。
1店で100杯は売れるので、材料費や人件費を考えても十分利益がある。
手伝ってくれる女子供に50アルの日当を払い、賄いも食べさせてあげられる。
僕が露天街の店順を決めているので、同じ職種の露店を集めている。
モツ煮込み店が26店も並んでいるので、それも評判になって人が集まっている。
僕と縁のない貧民もモツ煮込店を出したいと言ってきたが、拒否した。
汚く不味いモツ煮込を売られて評判が下がったら困るからだ。
俺の縄張り、俺の街区ではなく、貧民街に勝手にモツ煮込店を出した奴がいた。
元々食べずに捨てていた所だから、自分で魔獣や獣を狩れる者なら原価無しだ。
男が獣を狩り薪を集めて女子供が売れば、原価無しで売れる。
貧民街の自宅でモツ煮込みを売るのは禁止できない。
そう思っていたが、僕との関係を大切に思っている長が即座に叩き潰した。
僕と同じくらい美味しいモツ煮込みを作れるなら売ってもかまわない。
だけど、長が配下に味見させたらとんでもなくまずかった。
モツ料理の評判を落とされるのは困ると判断した長が、即座に叩き潰してくれた。
僕も、長がつぶすのを黙って放っておくべきか迷った。
迷ったけれど、異神眼で食中毒を出す未来が見えたので、潰すのを黙認した。
何か良い方法を思いつくまでは、他人にモツ料理は作らせられない。
そんな、僕の事を大切に思ってくれている長が、相談に来た。
「ショウ殿、何もかも頼ってしまうのを申し訳なく思っているのですが、それでもショウ殿に頼るしかないのです」
「僕にできる事なら頼ってもらってもかまいませんよ。
ですが、何でもできる訳ではありませんから、それは分かってください」
「はい、それは分かっております、ありがとうございます」
「それで、何を頼りたいのですか?」
「ショウ殿のお陰で東大城門外の貧民街は豊かになっています。
これまで餓死寸前だった女子供でさえ、毎日お腹一杯食べられています。
それどころか、何かあった時のための貯金までできています。
ただ、西南北の貧民街はこれまで以上に貧しくなったのです。
東に人や仕事が集まった分、西南北が貧しくなってしまったのです」
「状況は分かりましたが、僕にどうしろというのです?
西南北に露天街を作れと言われるなら作りますが、共倒れになりますよ」
「そのような事は申しません。
私は東の長ですから、東の民を護るのが1番です。
東の民を守るためなら西南北の民を見殺しにします。
ただ、できる事もせずに見殺しにすると、連中も生きるために襲ってきます。
そこで、西南北では生きていけない者たちを受け入れたいのです。
ただ、自分たちだけでは生きていけない、最も弱い者たちなので、ショウ殿に雇ってもらいたいのですが、ダメでしょうか?」
「人数にもよりますが、50人位ならかまいませんよ」
「本当ですか、50人でも雇っていただけると西南北も大人しくなります」
「ああ、西南北の3ケ所でしたね、だったら公平に20人ずつ60人にしましょう。
モツ煮込み店を手伝う人間が欲しかったので、それくらいは雇えます。
性格がよくて料理の才能が有るなら、新たにモツ焼きの露店をだしましょう」
「モツ焼きの露店でございますか?」
「はい、僕がよく食べているような、焼きたてが美味しいモツ料理です。
作り置きや保存がしにくいので、モツ煮込み店ほど売れないですが、あまり売れなくても損はしないですから、それだけで26人は雇えますよ」
「分かりました、できるだけ料理上手を送るように言います」
「ああ、料理上手と限定してしまうと、本当に困っている人が来られませんね。
料理上手が26人と、最も弱い者から順に20人ずつとしましょう」
「ありがとうございます、感謝の言葉もありません、本当にありがとうございます」
僕はその後も長と西南北から人を受け入れる話をした。
追い込まれた西南北がネタミで襲ってこないようにする方法を相談した。
「ただいま戻りました、申し訳ありませんが、大したモノは狩れませんでした。
魔獣とは言えないウサギとタヌキ、ネズミとキツネだけでした。
その分、薬草と薪を持ち帰りましたので、お許しください」
長と話している所に、人質宣誓をした騎士と兵士が戻って来た。
「長、今日の話はこれで終わりにさせていただきます。
何かあれば直ぐに知らせてください。
騎士長、狩って来た獲物を確認させてもらう」
僕は人質宣誓で逃げないと誓ったスノードン伯爵家の騎士と兵士に命じた。
「分かりました、何も狩れなかったら薬草と薪を集めてきます」
10騎士と100兵が魔境に行進していく。
スノードン伯爵家が身代金の支払いを拒否したので、日々増えていく身代金の1部として狩りや輸送をさせている。
全く信用できない指揮官は、人質宣誓させずに牢屋に閉じ込めている。
落馬で死んでくれていれば良かったのだが、しぶとく生き延びた。
大声でわめき散らすので、治療中の死病患者に思いっきり迷惑だった。
迷惑にならないように、声が外にもれないように、地下室を造って閉じ込めた。
騎士と兵士が寝起きする牢屋の下に、指揮官用の地下室を造ってやった。
「ショウ様、また王都の平民が治療して欲しいとやって来ております」
結核療養所のようになった屋敷で働き始めた元荷役の代表が言う。
「いつも言っているように、貧民街の長が許可した者しか治療しない」
「貧民街の長は、そんな重大な権限を与えられて困っています」
貧民の長は僕の力を認めてくれたのだろう。
長の座を狙って暗殺するような、悪人ではないと分かってくれたのだろう。
屈強な影武者ではなく、初老の本人が直接会いに来て謝ってくれた。
「困る事なんてないだろう?
貧民街の人間に親切だった者は許可する。
貧民街の人間を苦しめていた者は許可しない、それで良い」
「ショウ様は全ての人を助けたいと思っておられるのではないのですか?」
「僕はそんな聖人じゃないよ、好き嫌いの激しい普通の人間だよ。
愚王やバカ貴族は絶対に助けたくない。
仲良くなった人たちを苦しめてきた者を助けようとは思わない。
僕のために恨みを忘れようなんて思わなくていい。
僕を利用して、これまでの恨みを晴らしてくれ」
「分かりました、どうなるかは分かりませんが、そのように伝えます」
荷役の代表、ジョーンズがそう言って長老の所に向かった。
僕は死病患者用の薬草料理を作る。
手伝いの女子供が露天街で売るモツ煮込みを作る。
「ショウ様、ウシ系のモツ煮込み13種が完成しました」
「露店に持って行ってくれ」
「はい、行ってきます」
シカ系のホルモン13種を魔境の香草と根菜で煮込み塩で味付けしたモツ煮込み。
シカ系と同じように胃が4つあるウシ系魔獣のモツ煮込みも露店で売る事にした。
常に煮込んでいるモツ煮込みなら、大城門の閉門まで売れ残っても腐らない。
売れ残ったモツ煮込は、子ども食堂で無料の給食にする。
これで餓死する貧民がいなくなる。
僕の作るモツ煮込は美味しいと評判になっている。
王都内の平民だけでなく、下級騎士や兵士も食べに来るくらい大評判だ。
1杯5アルの値段だが、お腹一杯になるくらい量が多い。
1店で100杯は売れるので、材料費や人件費を考えても十分利益がある。
手伝ってくれる女子供に50アルの日当を払い、賄いも食べさせてあげられる。
僕が露天街の店順を決めているので、同じ職種の露店を集めている。
モツ煮込み店が26店も並んでいるので、それも評判になって人が集まっている。
僕と縁のない貧民もモツ煮込店を出したいと言ってきたが、拒否した。
汚く不味いモツ煮込を売られて評判が下がったら困るからだ。
俺の縄張り、俺の街区ではなく、貧民街に勝手にモツ煮込店を出した奴がいた。
元々食べずに捨てていた所だから、自分で魔獣や獣を狩れる者なら原価無しだ。
男が獣を狩り薪を集めて女子供が売れば、原価無しで売れる。
貧民街の自宅でモツ煮込みを売るのは禁止できない。
そう思っていたが、僕との関係を大切に思っている長が即座に叩き潰した。
僕と同じくらい美味しいモツ煮込みを作れるなら売ってもかまわない。
だけど、長が配下に味見させたらとんでもなくまずかった。
モツ料理の評判を落とされるのは困ると判断した長が、即座に叩き潰してくれた。
僕も、長がつぶすのを黙って放っておくべきか迷った。
迷ったけれど、異神眼で食中毒を出す未来が見えたので、潰すのを黙認した。
何か良い方法を思いつくまでは、他人にモツ料理は作らせられない。
そんな、僕の事を大切に思ってくれている長が、相談に来た。
「ショウ殿、何もかも頼ってしまうのを申し訳なく思っているのですが、それでもショウ殿に頼るしかないのです」
「僕にできる事なら頼ってもらってもかまいませんよ。
ですが、何でもできる訳ではありませんから、それは分かってください」
「はい、それは分かっております、ありがとうございます」
「それで、何を頼りたいのですか?」
「ショウ殿のお陰で東大城門外の貧民街は豊かになっています。
これまで餓死寸前だった女子供でさえ、毎日お腹一杯食べられています。
それどころか、何かあった時のための貯金までできています。
ただ、西南北の貧民街はこれまで以上に貧しくなったのです。
東に人や仕事が集まった分、西南北が貧しくなってしまったのです」
「状況は分かりましたが、僕にどうしろというのです?
西南北に露天街を作れと言われるなら作りますが、共倒れになりますよ」
「そのような事は申しません。
私は東の長ですから、東の民を護るのが1番です。
東の民を守るためなら西南北の民を見殺しにします。
ただ、できる事もせずに見殺しにすると、連中も生きるために襲ってきます。
そこで、西南北では生きていけない者たちを受け入れたいのです。
ただ、自分たちだけでは生きていけない、最も弱い者たちなので、ショウ殿に雇ってもらいたいのですが、ダメでしょうか?」
「人数にもよりますが、50人位ならかまいませんよ」
「本当ですか、50人でも雇っていただけると西南北も大人しくなります」
「ああ、西南北の3ケ所でしたね、だったら公平に20人ずつ60人にしましょう。
モツ煮込み店を手伝う人間が欲しかったので、それくらいは雇えます。
性格がよくて料理の才能が有るなら、新たにモツ焼きの露店をだしましょう」
「モツ焼きの露店でございますか?」
「はい、僕がよく食べているような、焼きたてが美味しいモツ料理です。
作り置きや保存がしにくいので、モツ煮込み店ほど売れないですが、あまり売れなくても損はしないですから、それだけで26人は雇えますよ」
「分かりました、できるだけ料理上手を送るように言います」
「ああ、料理上手と限定してしまうと、本当に困っている人が来られませんね。
料理上手が26人と、最も弱い者から順に20人ずつとしましょう」
「ありがとうございます、感謝の言葉もありません、本当にありがとうございます」
僕はその後も長と西南北から人を受け入れる話をした。
追い込まれた西南北がネタミで襲ってこないようにする方法を相談した。
「ただいま戻りました、申し訳ありませんが、大したモノは狩れませんでした。
魔獣とは言えないウサギとタヌキ、ネズミとキツネだけでした。
その分、薬草と薪を持ち帰りましたので、お許しください」
長と話している所に、人質宣誓をした騎士と兵士が戻って来た。
「長、今日の話はこれで終わりにさせていただきます。
何かあれば直ぐに知らせてください。
騎士長、狩って来た獲物を確認させてもらう」
235
お気に入りに追加
757
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。

村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。
魔法が使えない女の子
咲間 咲良
児童書・童話
カナリア島に住む九歳の女の子エマは、自分だけ魔法が使えないことを悩んでいた。
友だちのエドガーにからかわれてつい「明日魔法を見せる」と約束してしまったエマは、大魔法使いの祖母マリアのお使いで魔法が書かれた本を返しに行く。
貸本屋ティンカーベル書房の書庫で出会ったのは、エマそっくりの顔と同じエメラルドの瞳をもつ男の子、アレン。冷たい態度に反発するが、上から降ってきた本に飲み込まれてしまう。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。

ぼくの家族は…内緒だよ!!
まりぃべる
児童書・童話
うちの家族は、ふつうとちょっと違うんだって。ぼくには良く分からないけど、友だちや知らない人がいるところでは力を隠さなきゃならないんだ。本気で走ってはダメとか、ジャンプも手を抜け、とかいろいろ守らないといけない約束がある。面倒だけど、約束破ったら引っ越さないといけないって言われてるから面倒だけど仕方なく守ってる。
それでね、十二月なんて一年で一番忙しくなるからぼく、いやなんだけど。
そんなぼくの話、聞いてくれる?
☆まりぃべるの世界観です。楽しんでもらえたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる