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第1章

第35話:ブルーコーナーエルク

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 ブルーコーナーエルクを発見したが、直ぐに狩らないようにした。
 今狩っても、エマとリナと待ち合わせている時間には早すぎる。
 その待ち時間がもったいないので、新しい魔術を覚えられるか試した。

「僕に加護を与えて下さっているウカノミタマ、アマテラス様、強大な魔獣を狩れる魔術を僕に授けてください【岩槍】」

 以前に何度も試したのだが、魔法は自分から近い場所に発現させる方が簡単だ。
 自分の身体の一部に火を発生させるのは簡単だ。
 だけど自分の身体から遠い場所に火を発現させるのは難しく魔力もたくさんいる。

 しかも、ただ単に土や水を発現させても武器にならない。
 燃えている所に水を出せば火が消えるけれど、敵を倒す力はない。

 武器としてイメージして発現させなければ敵を倒せない。
 しかも、いくつかの属性と組み合わせないと武器にならない。
 この世界の人が僕のように強くなれない理由の1つだと思う。

【岩槍】は地面の土を圧宿強化して、急激に地上に突き出すイメージで武器にする。
【岩槍】で魔樹の小枝を狙って突き斬って落とす。
 魔境の奥深くだから、突き斬り落とした魔樹小枝を放置してもとられない。

「僕に加護を与えて下さっているウカノミタマ、アマテラス様、強大な魔獣を狩れる魔術を僕に授けてください【疾風砂斬】」

【疾風砂斬】は木属性に含まれる風魔法と土属性の複合魔法だ。
 使い慣れて練度が高まった【疾風斬】に土の成分を混ぜて放つ。
 砂の分子が風に乗って、空気だけの時よりも切断力と破壊力を高める。

 狙った場所を正確に斬り落とせるように何度も【疾風砂斬】を放つ。
 練度が高まるように何度も【疾風砂斬】を放つ。
 実戦で正確に敵の急所を狙えるように何度も【疾風砂斬】を放つ。

 ブルーコーナーエルクを逃さないように、身体強化された視覚と聴覚、嗅覚と第六感を駆使して居場所を確認しながら魔法の練習を重ねる。

 【疾風砂斬】と同じ系統の複合魔法【烈風砂斬】【旋風砂斬】【襲風砂斬】【暴風砂斬】【嵐風砂斬】【岩飛弾】も練習を重ねる。

「僕に加護を与えて下さっているウカノミタマ、アマテラス様、強大な魔獣を狩れる魔術を僕に授けてください【烈風砂斬】【旋風砂斬】」

 待ち合わせている時間が来たのでブルーコーナーエルクを狩る。
 2つの複合魔法を同時に正確に放てるか、実際の狩りで試す。
 的確に急所だけを狙い、できるだけ小さな傷で狩れるようにする!

【神々の祝福を与えます】

 やった、また1つ神々の祝福をもらえた。
 同じ4000kg級なので、ブルーアルクトドゥスを狩った時に2つ同時に祝福してもらったので、次はもっと経験値が必要だと思っていた。

 予想外の祝福に、よろこびをかみしめながら待ち合わせ場所に急いだ。
 祝福1つ分の影響なのか、ブルーアルクトドゥスを運んだ時よりも軽い気がする。
 同じ4000kg級を運んで走るのに、昨日よりも速い気がする。

「うん、分かっていた、ショウに自重を求めても無理だよね」
「うん、もう目立った方が安全な気がする」

 ギリギリまで練習してからブルーコーナーエルクを狩ったので、待ち合わせの場所に着いたのは、エマとリナと同時だった。

 エマとリナはブルーコーナーエルクを見て直ぐに大きなため息をした。
 ため息の後で、諦めたような表情と声色で言ったので、僕も言い返した。

「うん、もう今さらだからね、自重は止めたよ。
 これだけ見せつけたら、よほどのバカでない限り襲ってこないだろう?」

「うん、そうね、分かったから、早く魔樹小枝を斬り落としてくれる?」
「うん、こうなったら、早く王都に行って見せつけましょう」

 魔境の奥深くで魔法の練習を兼ねて斬り落とした魔樹小枝があったら、わざわざ新たに魔樹小枝を斬り落とさなくても良いのだが、しかたがない。

「僕に加護を与えて下さっているウカノミタマ、アマテラス様、強大な魔獣を狩れる魔術を僕に授けてください【暴風砂斬】【嵐風砂斬】」

 魔法の練習も兼ねてまた魔樹小枝を斬り落とす。
 1ケ所を狙う魔法ではなく、複数の敵を攻撃する魔法。
 俗にいう範囲魔法を使って魔樹小枝を斬り落とす。

 それも範囲内にいる敵を無差別に攻撃する魔法ではない。
【身体強化】した身体の感覚をフルに使って、正確に狙って攻撃する。
【暴風砂斬】で100ケ所、【嵐風砂斬】で1000ケ所、狙って斬り落とす!

「……ショウは人間を辞める気なの?」
「……いや、もう人間辞めちゃっているよね?」

「いや、これも神様が授けて下さったスキルだから。
 僕と同じ神様に気に入られたら、授かることができるから」

「どうやったらショウと同じ神様に気に入られるか教えて欲しいわ!」
「ショウの子供を生んだら気に入ってもらえるんじゃない?」

「……」
「……」
「……」

 3人とも何も言えなくなって、真っ赤になって、まともに顔が見られない。

「……あのう~、魔樹小枝を背負い終わったのですが、運んで良いですか?」

「ええ、ええ、ええ、商業ギルドまで運びましょう!」
「ええ、ええ、ええ、急いで運びましょう!」
「俺やる事があるから、先に行っていてくれ!」

「田中翔平の能力」

「パラメーター1:基本設定」

種族:汎人族
性別:男
年齢:14歳
体格:並
容姿:並
祝福:41回

「パラメーター2:能力」

筋力 :51:筋力に関する適性で物理な攻撃や防御、力仕事などに影響
体力 :51:持続力に関する適性でスタミナや耐久力などに大きな影響
知力 :51:知性に関する適性で魔法の習得速度や成功率に大きな影響
精神力:51:精神に関する適性で魔力、精霊力、魔法力などに影響。
器用 :51:器用さに関する適性で命中率、素早さ、特殊能力取得などに影響
魅力 :51:好悪に影響して精霊魔術の習得や成功率、交渉の成功率に影響
信仰心:51:信心に関する適性で神聖魔術の習得や成功率などに影響

「パラメーター3:魔術属性」

陰属性:42:
陽属性:42:
木属性:42:【疾風斬】【烈風斬】【旋風斬】【襲風斬】【暴風斬】【嵐風斬】
      :【疾雷斬】【烈雷斬】【旋雷斬】【襲雷斬】【暴雷斬】【嵐雷斬】
火属性:42:
土属性:42:【岩槍】
金属性:42:
水属性:42:
      :【疾風砂斬】【烈風砂斬】【旋風砂斬】【襲風砂斬】【暴風砂斬】
      :【嵐風砂斬】【岩飛弾】

「パラメーター4:スキル」

調理師: 61:生物素材加工の能力と適性、調理の能力と適性
審美眼: 46:価値を見定める目と適性。
鑑識眼: 46:能力を見定める目と適性。
剣術 : 36:剣を使う能力
木地師: 28:木工細工の能力
革職人: 28:革細工の能力
農夫 : 28:農耕能力
鍛冶師: 14:金属を加工する能力

「パラメーター5:感覚力」

視覚: 51:目に映るものを判別する能力と適性。
音覚:141:音を判別する能力と適性。
触覚: 51:触れたものを判別する能力と適性。
味覚:141:味を判別する能力と適性。
嗅覚:141:匂いを判別する能力と適性。
六感:114:魔力などエネルギーを判別する能力と適性

「パラメーター6:神与スキル」

鍛冶: 46:金属素材加工の能力と適性
裁縫: 46:繊維素材加工の能力と適性
革細: 46:動物素材加工の能力と適性、皮革加工の能力と適性
木工: 46:植物素材加工の能力と適性、木材加工の能力と適性
彫刻: 46:鉱物素材加工の能力と適性、石材加工の能力と適性。
錬金: 46:金属素材加工の能力と適性、金属素材錬成の能力と適性
調理:141:生物素材加工の能力と適性、調理の能力と適性。
魔法:141:魔法の能力と適正

異神眼:141:全てを見定める目の能力とその適性。

「パラメーター7:特記事項」
神運:神々からの寵愛を受けているとしか思えない幸運
地球での善行によって異世界神のお気に入りとなっている。
異世界での能力値が100倍になる補正が働いている。
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