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第二章
土佐問題と関白相論
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土佐高岡郡二万三千石と幡多郡二万六千石を一条政親に与え、残りの土佐半国五万一千石を長宗我部元親に与えることになった。
「四国分国」
三好秀次 :阿波十六万石
赤松則房 :阿波一万石
毛利重政など:阿波一万石
蜂須賀家政 :伊予半国十八万石
来島通総 :伊予一万三千石
得居通幸など:伊予十七万石
仙石秀久 :讃岐十二万石
十河存保 :讃岐三万石
脇坂安治 :淡路三万石
加藤嘉明 :淡路一万五千石
山内一豊他 :淡路一万五千石
長宗我部元親:土佐半国五万一千石
一条政親 :土佐半国四万九千石
これは朝廷工作の一環でもあった。
長年困窮を極め、天皇の葬儀も新天皇の践祚も、全国から寄付金を募って十年後に行わなければいけないほどだった。
だが織田信長と羽柴秀吉が皇室を支えるようになり、ようやく朝廷の財政も安定してきた。
皇室の念願であった譲位は、織田信長時代は上皇の住まわれる仙洞御所が建築出来ず、行う事が出来なかった。
だが羽柴秀吉が仙洞御所を完成させたので、正親町天皇が譲位出来る運びとなった。
ここで天下人となった秀吉をどう遇するかで大問題が発生した。
秀吉は内大臣となっていたが、朝廷は天下人を内大臣のままにしておくのは問題があると考え、右大臣就任を打診したのだ。
だが秀吉は、主君・織田信長が右大臣を極官として逆賊・明智光秀に討たれているので、右大臣は飛ばして左大臣として欲しいと願い出た。
皇室も朝廷も、圧倒的な武力で畿内を制圧している天下人・羽柴秀吉には逆らえない。
しかも、織田信長にも出来なかった、仙洞御所造営を成し遂げた功臣だ。
左大臣に任官させるしかなかった。
左大臣である近衛信輔を辞任させて、秀吉を左大臣に昇進させる流れになった。
しかしここで近衛信輔が、左大臣を辞めて前官の状態で関白となることを嫌い、在任わずか半年の二条昭実に関白を譲るように迫った。
信輔は正親町天皇に、「近衛家では前官の関白の例はない」と奏上したのだ。
一方二条昭実も、「二条家では初めて任命された関白が一年以内に辞めた例はない」と正親町天皇に奏上した。
朝廷は信輔派と昭実派に分かれたが、信輔同情派の抵抗強く、双方意見を曲げず、朝廷内では決着がつかなかった。
信輔と昭実は争うように築城中の大坂城に訪れ、秀吉に味方になってくれるように頼みこんだ。
前田玄以と菊亭晴季から朝廷内の問題を聞いた秀吉は、先年の信長への三職推任問題を念頭に菊亭晴季が考えた献策を受けることにした。
「四国分国」
三好秀次 :阿波十六万石
赤松則房 :阿波一万石
毛利重政など:阿波一万石
蜂須賀家政 :伊予半国十八万石
来島通総 :伊予一万三千石
得居通幸など:伊予十七万石
仙石秀久 :讃岐十二万石
十河存保 :讃岐三万石
脇坂安治 :淡路三万石
加藤嘉明 :淡路一万五千石
山内一豊他 :淡路一万五千石
長宗我部元親:土佐半国五万一千石
一条政親 :土佐半国四万九千石
これは朝廷工作の一環でもあった。
長年困窮を極め、天皇の葬儀も新天皇の践祚も、全国から寄付金を募って十年後に行わなければいけないほどだった。
だが織田信長と羽柴秀吉が皇室を支えるようになり、ようやく朝廷の財政も安定してきた。
皇室の念願であった譲位は、織田信長時代は上皇の住まわれる仙洞御所が建築出来ず、行う事が出来なかった。
だが羽柴秀吉が仙洞御所を完成させたので、正親町天皇が譲位出来る運びとなった。
ここで天下人となった秀吉をどう遇するかで大問題が発生した。
秀吉は内大臣となっていたが、朝廷は天下人を内大臣のままにしておくのは問題があると考え、右大臣就任を打診したのだ。
だが秀吉は、主君・織田信長が右大臣を極官として逆賊・明智光秀に討たれているので、右大臣は飛ばして左大臣として欲しいと願い出た。
皇室も朝廷も、圧倒的な武力で畿内を制圧している天下人・羽柴秀吉には逆らえない。
しかも、織田信長にも出来なかった、仙洞御所造営を成し遂げた功臣だ。
左大臣に任官させるしかなかった。
左大臣である近衛信輔を辞任させて、秀吉を左大臣に昇進させる流れになった。
しかしここで近衛信輔が、左大臣を辞めて前官の状態で関白となることを嫌い、在任わずか半年の二条昭実に関白を譲るように迫った。
信輔は正親町天皇に、「近衛家では前官の関白の例はない」と奏上したのだ。
一方二条昭実も、「二条家では初めて任命された関白が一年以内に辞めた例はない」と正親町天皇に奏上した。
朝廷は信輔派と昭実派に分かれたが、信輔同情派の抵抗強く、双方意見を曲げず、朝廷内では決着がつかなかった。
信輔と昭実は争うように築城中の大坂城に訪れ、秀吉に味方になってくれるように頼みこんだ。
前田玄以と菊亭晴季から朝廷内の問題を聞いた秀吉は、先年の信長への三職推任問題を念頭に菊亭晴季が考えた献策を受けることにした。
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