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第二章
戦後処理
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「この人が、俺と魂を分けた、双子の兄弟なのか」
「左様。貞愛殿に何かあれば、義伊松殿の命もどうなるか分かりませんぞ」
「但馬守殿は、私が裏切るような事が有れば、貞愛殿を殺すと申されるのか」
「義伊松殿が無駄死にするような事があれば、貞愛殿が死んでしまうかもしれないと言っているのですよ」
「・・・・・」
羽柴長秀は、徳川家の存続は許したが、徹底的に力を削いだ。
家臣化されていた諸松平家は勿論、国衆の多くを羽柴長秀の家臣として、徳川家の配下から解き放ったのだ。
家督も家康の望みを無視し、家康が嫌い抜いた次男の義伊松とした。
しかも家康がひた隠しにしていた、双子の永見貞愛を探し出し、義伊松と対面させた後で、人質として宝寺城に連れていくことになった。
勿論実母の於万の方も宝寺城に連れていくことになっていた。
それだけではなく、家康が後継者に望んだ長丸は勿論、幼い福松丸も人質として宝寺城に送られる事になっている。
だが家康は、隠居出家させられ、高野山に送られることになった。
徳川家康と徳川家の人質だけではなく、駿河・遠江・三河の大名国衆の人質も、一緒に宝寺城に送られることになっていた。
それを護衛監視するのは、木下与一郎の軍勢だった。
長期に渡って戦い続けた木下与一郎は、久しぶりに本国に戻ることが出来るのだ。
だが池田恒興・宮部継潤と前野長康は、後北条家に備えて駿河に駐屯することになった。
そして今回の遠征の大勝利に対して、羽柴長秀と池田恒興に大きな恩賞が与えられることになった。
池田恒興には、摂津三郡十五万石に代えて、遠江二十六万石の旗頭に任じられたのだ。
元の国衆地侍を召し抱えなければいけないとはいえ、一国の国主に任じられたのだ。
羽柴長秀にも、但馬十二万石に加えて、三河二十九万石が与えられた。
元からの国衆地侍を召し抱えなければいけないとはいえ、徳川家の蔵入り地と、石川数正と酒井忠次の領地は召し上げられたのだ。
石川数正と酒井忠次を三河に残すのは危険と判断して、領地替えを断行したのだ。
宮部継潤と前野長康にも恩賞が与えられた。
宮部継潤には駿河半国七万五千石が与えられた。
前野長康にも駿河半国七万五千石が与えられた。
堀秀政にも越後の内十万石が与えられた。
羽柴秀吉自身は、多くの領地を恩賞に与えた後でも、甲斐・信濃・越後・加賀に多くの領地を得た。
まだ上野が取り返せない滝川一益は、甲斐の領地を一時的預かることになった。
宝寺城に入った木下与一郎は、久しぶりに妻子とゆっくりする心算だったが、そうはいかない事情が起こった。
羽柴秀吉が直接指揮する、紀伊での攻防が終っていなかったのだ。
「左様。貞愛殿に何かあれば、義伊松殿の命もどうなるか分かりませんぞ」
「但馬守殿は、私が裏切るような事が有れば、貞愛殿を殺すと申されるのか」
「義伊松殿が無駄死にするような事があれば、貞愛殿が死んでしまうかもしれないと言っているのですよ」
「・・・・・」
羽柴長秀は、徳川家の存続は許したが、徹底的に力を削いだ。
家臣化されていた諸松平家は勿論、国衆の多くを羽柴長秀の家臣として、徳川家の配下から解き放ったのだ。
家督も家康の望みを無視し、家康が嫌い抜いた次男の義伊松とした。
しかも家康がひた隠しにしていた、双子の永見貞愛を探し出し、義伊松と対面させた後で、人質として宝寺城に連れていくことになった。
勿論実母の於万の方も宝寺城に連れていくことになっていた。
それだけではなく、家康が後継者に望んだ長丸は勿論、幼い福松丸も人質として宝寺城に送られる事になっている。
だが家康は、隠居出家させられ、高野山に送られることになった。
徳川家康と徳川家の人質だけではなく、駿河・遠江・三河の大名国衆の人質も、一緒に宝寺城に送られることになっていた。
それを護衛監視するのは、木下与一郎の軍勢だった。
長期に渡って戦い続けた木下与一郎は、久しぶりに本国に戻ることが出来るのだ。
だが池田恒興・宮部継潤と前野長康は、後北条家に備えて駿河に駐屯することになった。
そして今回の遠征の大勝利に対して、羽柴長秀と池田恒興に大きな恩賞が与えられることになった。
池田恒興には、摂津三郡十五万石に代えて、遠江二十六万石の旗頭に任じられたのだ。
元の国衆地侍を召し抱えなければいけないとはいえ、一国の国主に任じられたのだ。
羽柴長秀にも、但馬十二万石に加えて、三河二十九万石が与えられた。
元からの国衆地侍を召し抱えなければいけないとはいえ、徳川家の蔵入り地と、石川数正と酒井忠次の領地は召し上げられたのだ。
石川数正と酒井忠次を三河に残すのは危険と判断して、領地替えを断行したのだ。
宮部継潤と前野長康にも恩賞が与えられた。
宮部継潤には駿河半国七万五千石が与えられた。
前野長康にも駿河半国七万五千石が与えられた。
堀秀政にも越後の内十万石が与えられた。
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まだ上野が取り返せない滝川一益は、甲斐の領地を一時的預かることになった。
宝寺城に入った木下与一郎は、久しぶりに妻子とゆっくりする心算だったが、そうはいかない事情が起こった。
羽柴秀吉が直接指揮する、紀伊での攻防が終っていなかったのだ。
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