51 / 60
50話
しおりを挟む
「ママこれでいい?」
「ええ、いいわよ。
とてもよくできているわ。
完全に覚えるまで、同じものを作れる?」
「作れる!
ママのお手伝いする!」
ネイが張り切ってお手伝いをしてくれます。
その熱心さが、私に捨てられたくないという気持ちから来ているのなら、あまりにも可哀想すぎます。
そのような恐怖を払ってあげるためにも、誤解することにないように、常に愛情を注いであげなければいけません。
私がネイを捨てくことがないと、信じてもらわなければいけません。
私達は奥屋敷の一角を占拠しています。
見張り台にも使える塔一つを含めた、広い場所です。
サンディランズ公爵家の後継者、私、ディスタンス女伯爵ルシアに相応しい場所ですが、どうにも人数が少なすぎます。
信用できる人間が少ないのが全ての原因ですが、急に改善は不可能です。
家臣の子弟子女を近づけたら、密偵を自分で近づけるのと同じですから。
「ネイちゃん。
次はこれを覚えようか」
「これを覚えたらママはよろこぶ?」
「ああ、とてもよろこぶよ。
だから頑張って覚えようね」
「うん!」
ウィリアムがネイに新しい魔法書を作り方を教えています。
その魔法陣の精密さに驚きを禁じえません。
どう考えても上級魔法の魔法陣です。
今迄の中級上の魔法陣とは違い過ぎます。
このようなモノを創って、ネイの負担にならないのでしょうか?
「ちょっとウィリアム。
ネイの負担にならないでしょうね。
ネイに無理をさせたら貴男でも許さないわよ!」
「だいじょうぶだよ、ママ。
ネイ元気だよ。
ネイママの役に立てるよ」
「ありがとう、ネイ。
ママはうれしいわ。
でも同じくらい心配なのよ。
少しでも痛かったり苦しかったりしたら、直ぐに言うのよ」
「はい、ママ」
私が心配すると、輝くような笑顔を向けてくれます。
言葉にできないほどのよろこびが、心の奥から湧き出してきますた。
思わずギュッと抱きしめてしまいました。
「ママ、ママ、ママ。
ずっと一緒だよね?
黙っていなくなったりしないよね?」
「大丈夫よ。
ずっとずっと一緒よ。
黙っていなくなったりはしないわ。
もしどうしても離れ離れになるときは、ティシュトリヤと一緒に逃げなさい。
必ず私のいるところの連れてきてくれます。
分かりますね」
「はい、ママ」
「おい、おい、おい。
ここは俺達と一緒に逃げろというところだろう」
今まで黙っていたイライアスが会話に加わってきました。
確かにイライアス達にはずいぶん助けられました。
でもそのイライアス達に出会わせてくれたのはティシュトリヤです。
イライアス達がいない時に助けてくれたのもティシュトリヤです。
「ネイ。
ティシュトリヤの次にイライアス達を頼りなさい」
「ええ、いいわよ。
とてもよくできているわ。
完全に覚えるまで、同じものを作れる?」
「作れる!
ママのお手伝いする!」
ネイが張り切ってお手伝いをしてくれます。
その熱心さが、私に捨てられたくないという気持ちから来ているのなら、あまりにも可哀想すぎます。
そのような恐怖を払ってあげるためにも、誤解することにないように、常に愛情を注いであげなければいけません。
私がネイを捨てくことがないと、信じてもらわなければいけません。
私達は奥屋敷の一角を占拠しています。
見張り台にも使える塔一つを含めた、広い場所です。
サンディランズ公爵家の後継者、私、ディスタンス女伯爵ルシアに相応しい場所ですが、どうにも人数が少なすぎます。
信用できる人間が少ないのが全ての原因ですが、急に改善は不可能です。
家臣の子弟子女を近づけたら、密偵を自分で近づけるのと同じですから。
「ネイちゃん。
次はこれを覚えようか」
「これを覚えたらママはよろこぶ?」
「ああ、とてもよろこぶよ。
だから頑張って覚えようね」
「うん!」
ウィリアムがネイに新しい魔法書を作り方を教えています。
その魔法陣の精密さに驚きを禁じえません。
どう考えても上級魔法の魔法陣です。
今迄の中級上の魔法陣とは違い過ぎます。
このようなモノを創って、ネイの負担にならないのでしょうか?
「ちょっとウィリアム。
ネイの負担にならないでしょうね。
ネイに無理をさせたら貴男でも許さないわよ!」
「だいじょうぶだよ、ママ。
ネイ元気だよ。
ネイママの役に立てるよ」
「ありがとう、ネイ。
ママはうれしいわ。
でも同じくらい心配なのよ。
少しでも痛かったり苦しかったりしたら、直ぐに言うのよ」
「はい、ママ」
私が心配すると、輝くような笑顔を向けてくれます。
言葉にできないほどのよろこびが、心の奥から湧き出してきますた。
思わずギュッと抱きしめてしまいました。
「ママ、ママ、ママ。
ずっと一緒だよね?
黙っていなくなったりしないよね?」
「大丈夫よ。
ずっとずっと一緒よ。
黙っていなくなったりはしないわ。
もしどうしても離れ離れになるときは、ティシュトリヤと一緒に逃げなさい。
必ず私のいるところの連れてきてくれます。
分かりますね」
「はい、ママ」
「おい、おい、おい。
ここは俺達と一緒に逃げろというところだろう」
今まで黙っていたイライアスが会話に加わってきました。
確かにイライアス達にはずいぶん助けられました。
でもそのイライアス達に出会わせてくれたのはティシュトリヤです。
イライアス達がいない時に助けてくれたのもティシュトリヤです。
「ネイ。
ティシュトリヤの次にイライアス達を頼りなさい」
120
お気に入りに追加
3,043
あなたにおすすめの小説

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです
天宮有
恋愛
子供の頃、男爵令嬢の私アミリア・ファグトは助けた小犬が聖獣と判明して、飼うことが決まる。
数年後――成長した聖獣は家を守ってくれて、私に一番懐いていた。
そんな私を妬んだ姉ラミダは「聖獣は私が拾って一番懐いている」と吹聴していたようで、姉は侯爵令息ケドスの婚約者になる。
どうやらラミダは聖獣が一番懐いていた私が邪魔なようで、追い出そうと目論んでいたようだ。
家族とゲドスはラミダの嘘を信じて、私を蔑み追い出そうとしていた。

【完結】転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかになりたくない
金峯蓮華
恋愛
子供の頃から休みなく忙しくしていた貴子は公認会計士として独立するために会社を辞めた日に事故に遭い、死の間際に生まれ変わったらぐうたらしたい!と願った。気がついたら中世ヨーロッパのような世界の子供、ヴィヴィアンヌになっていた。何もしないお姫様のようなぐうたらライフを満喫していたが、突然、王太子に求婚された。王太子妃になんかなったらぐうたらできないじゃない!!ヴィヴィアンヌピンチ!
小説家になろうにも書いてます。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。

聖獣がなつくのは私だけですよ?
新野乃花(大舟)
恋愛
3姉妹の3女であるエリッサは、生まれた時から不吉な存在だというレッテルを張られ、家族はもちろん周囲の人々からも冷たい扱いを受けていた。そんなある日の事、エリッサが消えることが自分たちの幸せにつながると信じてやまない彼女の家族は、エリッサに強引に家出を強いる形で、自分たちの手を汚すことなく彼女を追い出すことに成功する。…行く当てのないエリッサは死さえ覚悟し、誰も立ち入らない荒れ果てた大地に足を踏み入れる。死神に出会うことを覚悟していたエリッサだったものの、そんな彼女の前に現れたのは、絶大な力をその身に宿す聖獣だった…!

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!

婚約破棄を兄上に報告申し上げます~ここまでお怒りになった兄を見たのは初めてでした~
ルイス
恋愛
カスタム王国の伯爵令嬢ことアリシアは、慕っていた侯爵令息のランドールに婚約破棄を言い渡された
「理由はどういったことなのでしょうか?」
「なに、他に好きな女性ができただけだ。お前は少し固過ぎたようだ、私の隣にはふさわしくない」
悲しみに暮れたアリシアは、兄に婚約が破棄されたことを告げる
それを聞いたアリシアの腹違いの兄であり、現国王の息子トランス王子殿下は怒りを露わにした。
腹違いお兄様の復讐……アリシアはそこにイケない感情が芽生えつつあったのだ。

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。
辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる