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「ギュンター、個室は空いているか?」
「ああ、大丈夫だぞ。
だができたら次からは予約してくれ。
空いてない時もあるからな」
「分かった。
次からはそうさせてもらうよ。
それでだ、猪肉料理を中心にドンドン持ってきてくれ。
ああ、ベーコンスクランブルエッグをだせるか?」
「そりゃあオットーの店の料理だよな。
俺に人真似をしろというのか?」
「完全に真似しろとは言わないよ。
だけどギュンターなら、ひと工夫してもっと美味しくできるんじゃないか?」
「ちぃ!
おだてても何も出ないぞ。
オットーの真似をするのは嫌だが、奴より美味い料理を作るというのはいいな。
分かった。
だがオットーより美味い料理を作るなら、材料を吟味するから高くつくぞ」
「分かっているよ。
単価がオットーの所くらいなら払えるよ。
だからいい材料を使って、腕によりをかけて作ったくれ」
ネイは私に隠れるようにイライアスとギュンターの話を聞いていましたが、いい材料を使って腕によりをかけて作るという話になって、満面の笑みとなりました。
私にもネイの気持ちは分かります。
美味しいものをお腹いっぱい食べるのは幸せですよね。
特に心を許した仲間と一緒に食べる食事は、最高です。
「エールとワインだ。
ネイちゃんのは薄いワインを持ってきたぞ」
ギュンターが直接持ってきてくれました。
量が多いので、給仕の子供には任せられなかったのでしょう。
「「「「「乾杯」」」」」
とても美味しいですね。
最初に金を惜しまないと言ったのがよかったのですね。
今迄とは違って高いワインを持ってきてくれました。
イライアス達が飲んでいるエールは、たぶんいつも通りのエールですね。
ワインは瓶単位で幾種類も買い置きできるでしょうが、エールは自家製か樽買いですから、一種類しかないはずです。
「ママ!
今日のワインおいしいよ!
お家で飲むワインみたいだよ」
「そうね、おいしいわね。
お替りいる?」
「うん!
お替り頂戴!」
「おっと、待ってくれ。
ワインは美味いのか?」
「ええ、いつもよりも美味しいわ。
でも量に限りがあると思うから、飲むなら早めに注文した方がいいわよ」
私とネイがお替りを注文しようとすると、イライアスが話しかけてきました。
やはりエールはいつもと同じものだったようです。
「ギュンター。
同じワインをくれ。
飲み切れる量なら全部持ってきてくれ。
瓶ごと持ってきてくれてもいいぞ」
「おう!
瓶一つ分しかないから、残り全部持っていくよ。
足らないなら買いに走らすから心配しないでくれ」
この店はいつ来てもいいですね。
融通を利かせてくれますし、居心地がとてもいいです。
追われる身でなければ、ここの二階を定宿にするのですがね。
「ああ、大丈夫だぞ。
だができたら次からは予約してくれ。
空いてない時もあるからな」
「分かった。
次からはそうさせてもらうよ。
それでだ、猪肉料理を中心にドンドン持ってきてくれ。
ああ、ベーコンスクランブルエッグをだせるか?」
「そりゃあオットーの店の料理だよな。
俺に人真似をしろというのか?」
「完全に真似しろとは言わないよ。
だけどギュンターなら、ひと工夫してもっと美味しくできるんじゃないか?」
「ちぃ!
おだてても何も出ないぞ。
オットーの真似をするのは嫌だが、奴より美味い料理を作るというのはいいな。
分かった。
だがオットーより美味い料理を作るなら、材料を吟味するから高くつくぞ」
「分かっているよ。
単価がオットーの所くらいなら払えるよ。
だからいい材料を使って、腕によりをかけて作ったくれ」
ネイは私に隠れるようにイライアスとギュンターの話を聞いていましたが、いい材料を使って腕によりをかけて作るという話になって、満面の笑みとなりました。
私にもネイの気持ちは分かります。
美味しいものをお腹いっぱい食べるのは幸せですよね。
特に心を許した仲間と一緒に食べる食事は、最高です。
「エールとワインだ。
ネイちゃんのは薄いワインを持ってきたぞ」
ギュンターが直接持ってきてくれました。
量が多いので、給仕の子供には任せられなかったのでしょう。
「「「「「乾杯」」」」」
とても美味しいですね。
最初に金を惜しまないと言ったのがよかったのですね。
今迄とは違って高いワインを持ってきてくれました。
イライアス達が飲んでいるエールは、たぶんいつも通りのエールですね。
ワインは瓶単位で幾種類も買い置きできるでしょうが、エールは自家製か樽買いですから、一種類しかないはずです。
「ママ!
今日のワインおいしいよ!
お家で飲むワインみたいだよ」
「そうね、おいしいわね。
お替りいる?」
「うん!
お替り頂戴!」
「おっと、待ってくれ。
ワインは美味いのか?」
「ええ、いつもよりも美味しいわ。
でも量に限りがあると思うから、飲むなら早めに注文した方がいいわよ」
私とネイがお替りを注文しようとすると、イライアスが話しかけてきました。
やはりエールはいつもと同じものだったようです。
「ギュンター。
同じワインをくれ。
飲み切れる量なら全部持ってきてくれ。
瓶ごと持ってきてくれてもいいぞ」
「おう!
瓶一つ分しかないから、残り全部持っていくよ。
足らないなら買いに走らすから心配しないでくれ」
この店はいつ来てもいいですね。
融通を利かせてくれますし、居心地がとてもいいです。
追われる身でなければ、ここの二階を定宿にするのですがね。
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