7 / 58
第1章
第7話:初大魔境
しおりを挟む
エマとライアン、カインとアベルは夜明けとともに村を出た。
六十日青草と三十日青夜草を探す大人たちと一緒に村を出た。
ただ、日暮れまでに村に戻る大人たちは急いで広がって行ったが、夜営をする四人は無駄に体力を使わない早さで進む予定だった。
「エマ、どの方向に行くの?」
「方角にあてはあるの?」
カインとアベルは探す方角をエマに任せる気だった。
ライアンも方角にこだわりがなかったので、黙ってエマの顔を見た。
「母上様がリッチを斃された方に向かいます。
とても珍しい薬草なので、大魔境の奥に向かうべきです」
エマの言う通りだと三人も思ったので、黙って東に向かった。
魔獣には強大なモノも多いので、彼らが木々にぶつからずに通れるように、生き残った木々の間隔は地球の森よりも広い。
魔境の奥に進むほど強大な魔獣が住んでいるので、木々の間隔も広くなる。
村のある場所は魔境外から半日の場所にあるので、地球の自然林の倍くらいの間隔で木々が生えている。
村の周囲百メートルは、木々が伐採され野草や藪も刈られている。
魔獣やロキの眷属に襲われた時に見晴らしが良いように手入れされている。
森の部分も村の近くは薬草が集められ野草は家畜の餌になっている。
大魔境の本当に脅威は、村から三百メートル入った場所からだ。
村の周囲三百メートル、たったそれだけの広さしか最低限の安全がない。
その三百メートルも、時に強大な魔獣が入って来る事がある。
カインとアベルがダンジョンの中で訓練していた猟犬見習たちが、先を行く。
四人の周囲を守るように広く散開して、二歳三頭当歳三頭の猟犬見習が行く。
半円形に散開する猟犬見習たちの中央を、カインとアベルが左右に分かれて進む。
カインとアベルから少し遅れた中央にエマがいる。
最後尾には後方からの奇襲に備えたライアンがいる。
猟犬、カインとアベル、ライアンの誰かを斃さないとエマには迫れない。
四人と猟犬見習たちは堅実に周囲を警戒しながら東に進む。
朝から二時間かけて東に歩いた頃。
「「「「「ウォン!」」」」」
六頭の猟犬見習が一斉に吠える。
敵が風下から近寄ってきたの、足音に気がついてから吠えた。
四人は直ぐに戦えるように身構えた。
「うぉ~ん!」
敵のリーダーが雄叫びをあげたので、四人も正体を知った。
現物に会うのは初めてだが、子供会で学んだフォレスト・ウルフの雄叫びだった。
「「「「「ウォン!」」」」」
猟犬見習たちが勢いをつけるためにフォレスト・ウルフに向かって駆ける。
猟犬見習たちよりもフォレスト・ウルフの方が遥かに大きい。
そのまま迎え討ったら体当たりされただけで負けてしまう。
それでも、ダンジョンでの訓練で、モンスターが現れたら向かっていくように教えられているので、迷うことなくフォレスト・ウルフの首に喰らいつこうと駆ける。
猟犬見習たち続いてライアンが駆ける。
最初の一歩は猟犬見習たちに遅れたが、身体強化されたライアンの脚力は凄まじく、一気に抜かしてフォレスト・ウルフの首を次々と刎ねた。
あっという間に首を刎ね飛ばされた九頭のフォレスト・ウルフが地にはった。
フォレスト・ウルフの毛皮は、特に頭もついた一枚物の毛皮は、ダンジョンでドロップされる毛皮片よりもお金になる。
肉も独特の香りを好む人がいるし、身体を温めるとも言われているので、ダンジョン浅層でドロップする蛇肉、蛙肉、兎肉、鳥肉よりも高く買ってもらえる。
時間に余裕があるのなら毛皮を剥いで解体するのだが、今回は解呪薬の素材を探すのが最優先なので、腹を裂いて心臓近くの魔石と肝臓だけを取り出した。
魔石はあらゆる魔道具に使う、日本で言う電池のような物で、この世界のどこに行っても買い取ってもらえる。
ただし、再使用ができないので、常に新しい魔石が必要になる。
問題は、ダンジョンでドロップされる魔石は大きさも含有されている魔力量も一定なのだが、野生の魔獣から取った魔石は大きさも魔力含有量もまちまちなのだ。
その為、店によっては買取を拒否されるのだが、手に入れた人が魔術に使うのなら、大きさや魔力量がそろっていなくても何の問題もない。
四人も大魔境で初めて夜営するので、ダンジョンで手に入れた魔石以外の魔力源を確保しておきたくて、時間を使ってでも取り出したのだ。
肝臓は、働いてくれた猟犬見習たちへの褒美だった。
よく働いてくれた猟犬見習たちには、その場で褒美を与えた方が良い。
血の滴る新鮮な肝臓は、猟犬見習たちへの最高の褒美だった。
四人は斃したフォレスト・ウルフを残して東に進んだ。
あまり多くの死体を残すと疫病の原因になるが、九頭くらいのフォレスト・ウルフなら、大魔境の魔獣が直ぐに食べ尽くしてくれる。
四人は歩きながらスライム水袋で水分を補給し、昼食も半干肉ですませた。
水袋はダンジョンのスライムを二百体斃すと一つくらいドロップするのだが、薄くて丈夫な膜につつまれた二百ミリリットルくらいの大きさだ。
固形食料は半干した蛇肉をそのまま食べた。
今日の昼に食べると分なので、保存用の塩を薄くして少し干しただけだ。
長期保存用の硬くて塩辛い干肉と違って結構美味しく食べられた。
昼を少し過ぎても休まずに東に進んだ。
運が悪いと村に帰る大人たちを行き会い、面倒な事になると心配していた四人だが、運が良いのか悪いのか、誰とも行き会う事なく東に進めた。
初めて大魔境で夜営する四人は、早めに場所を決めて準備する心算だった。
魔獣だけなら少々の敵が相手でも勝てると確信していたが、悪神ロキの眷属だけは心配だったので、十分な時間を使ってできるだけの準備をしたかったのだ。
「この辺が良いんじゃないかな?」
「ここの水は飲めると思うよ」
六十日青草と三十日青夜草を探す大人たちと一緒に村を出た。
ただ、日暮れまでに村に戻る大人たちは急いで広がって行ったが、夜営をする四人は無駄に体力を使わない早さで進む予定だった。
「エマ、どの方向に行くの?」
「方角にあてはあるの?」
カインとアベルは探す方角をエマに任せる気だった。
ライアンも方角にこだわりがなかったので、黙ってエマの顔を見た。
「母上様がリッチを斃された方に向かいます。
とても珍しい薬草なので、大魔境の奥に向かうべきです」
エマの言う通りだと三人も思ったので、黙って東に向かった。
魔獣には強大なモノも多いので、彼らが木々にぶつからずに通れるように、生き残った木々の間隔は地球の森よりも広い。
魔境の奥に進むほど強大な魔獣が住んでいるので、木々の間隔も広くなる。
村のある場所は魔境外から半日の場所にあるので、地球の自然林の倍くらいの間隔で木々が生えている。
村の周囲百メートルは、木々が伐採され野草や藪も刈られている。
魔獣やロキの眷属に襲われた時に見晴らしが良いように手入れされている。
森の部分も村の近くは薬草が集められ野草は家畜の餌になっている。
大魔境の本当に脅威は、村から三百メートル入った場所からだ。
村の周囲三百メートル、たったそれだけの広さしか最低限の安全がない。
その三百メートルも、時に強大な魔獣が入って来る事がある。
カインとアベルがダンジョンの中で訓練していた猟犬見習たちが、先を行く。
四人の周囲を守るように広く散開して、二歳三頭当歳三頭の猟犬見習が行く。
半円形に散開する猟犬見習たちの中央を、カインとアベルが左右に分かれて進む。
カインとアベルから少し遅れた中央にエマがいる。
最後尾には後方からの奇襲に備えたライアンがいる。
猟犬、カインとアベル、ライアンの誰かを斃さないとエマには迫れない。
四人と猟犬見習たちは堅実に周囲を警戒しながら東に進む。
朝から二時間かけて東に歩いた頃。
「「「「「ウォン!」」」」」
六頭の猟犬見習が一斉に吠える。
敵が風下から近寄ってきたの、足音に気がついてから吠えた。
四人は直ぐに戦えるように身構えた。
「うぉ~ん!」
敵のリーダーが雄叫びをあげたので、四人も正体を知った。
現物に会うのは初めてだが、子供会で学んだフォレスト・ウルフの雄叫びだった。
「「「「「ウォン!」」」」」
猟犬見習たちが勢いをつけるためにフォレスト・ウルフに向かって駆ける。
猟犬見習たちよりもフォレスト・ウルフの方が遥かに大きい。
そのまま迎え討ったら体当たりされただけで負けてしまう。
それでも、ダンジョンでの訓練で、モンスターが現れたら向かっていくように教えられているので、迷うことなくフォレスト・ウルフの首に喰らいつこうと駆ける。
猟犬見習たち続いてライアンが駆ける。
最初の一歩は猟犬見習たちに遅れたが、身体強化されたライアンの脚力は凄まじく、一気に抜かしてフォレスト・ウルフの首を次々と刎ねた。
あっという間に首を刎ね飛ばされた九頭のフォレスト・ウルフが地にはった。
フォレスト・ウルフの毛皮は、特に頭もついた一枚物の毛皮は、ダンジョンでドロップされる毛皮片よりもお金になる。
肉も独特の香りを好む人がいるし、身体を温めるとも言われているので、ダンジョン浅層でドロップする蛇肉、蛙肉、兎肉、鳥肉よりも高く買ってもらえる。
時間に余裕があるのなら毛皮を剥いで解体するのだが、今回は解呪薬の素材を探すのが最優先なので、腹を裂いて心臓近くの魔石と肝臓だけを取り出した。
魔石はあらゆる魔道具に使う、日本で言う電池のような物で、この世界のどこに行っても買い取ってもらえる。
ただし、再使用ができないので、常に新しい魔石が必要になる。
問題は、ダンジョンでドロップされる魔石は大きさも含有されている魔力量も一定なのだが、野生の魔獣から取った魔石は大きさも魔力含有量もまちまちなのだ。
その為、店によっては買取を拒否されるのだが、手に入れた人が魔術に使うのなら、大きさや魔力量がそろっていなくても何の問題もない。
四人も大魔境で初めて夜営するので、ダンジョンで手に入れた魔石以外の魔力源を確保しておきたくて、時間を使ってでも取り出したのだ。
肝臓は、働いてくれた猟犬見習たちへの褒美だった。
よく働いてくれた猟犬見習たちには、その場で褒美を与えた方が良い。
血の滴る新鮮な肝臓は、猟犬見習たちへの最高の褒美だった。
四人は斃したフォレスト・ウルフを残して東に進んだ。
あまり多くの死体を残すと疫病の原因になるが、九頭くらいのフォレスト・ウルフなら、大魔境の魔獣が直ぐに食べ尽くしてくれる。
四人は歩きながらスライム水袋で水分を補給し、昼食も半干肉ですませた。
水袋はダンジョンのスライムを二百体斃すと一つくらいドロップするのだが、薄くて丈夫な膜につつまれた二百ミリリットルくらいの大きさだ。
固形食料は半干した蛇肉をそのまま食べた。
今日の昼に食べると分なので、保存用の塩を薄くして少し干しただけだ。
長期保存用の硬くて塩辛い干肉と違って結構美味しく食べられた。
昼を少し過ぎても休まずに東に進んだ。
運が悪いと村に帰る大人たちを行き会い、面倒な事になると心配していた四人だが、運が良いのか悪いのか、誰とも行き会う事なく東に進めた。
初めて大魔境で夜営する四人は、早めに場所を決めて準備する心算だった。
魔獣だけなら少々の敵が相手でも勝てると確信していたが、悪神ロキの眷属だけは心配だったので、十分な時間を使ってできるだけの準備をしたかったのだ。
「この辺が良いんじゃないかな?」
「ここの水は飲めると思うよ」
11
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
【完結】魔法道具の預かり銀行
六畳のえる
児童書・童話
昔は魔法に憧れていた小学5学生の大峰里琴(リンコ)、栗本彰(アッキ)と。二人が輝く光を追って最近閉店した店に入ると、魔女の住む世界へと繋がっていた。驚いた拍子に、二人は世界を繋ぐドアを壊してしまう。
彼らが訪れた「カンテラ」という店は、魔法道具の預り銀行。魔女が魔法道具を預けると、それに見合ったお金を貸してくれる店だ。
その店の店主、大魔女のジュラーネと、魔法で喋れるようになっている口の悪い猫のチャンプス。里琴と彰は、ドアの修理期間の間、修理代を稼ぐために店の手伝いをすることに。
「仕事がなくなったから道具を預けてお金を借りたい」「もう仕事を辞めることにしたから、預けないで売りたい」など、様々な理由から店にやってくる魔女たち。これは、魔法のある世界で働くことになった二人の、不思議なひと夏の物語。
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。
スクナビコナの冒険―小さな神が高天原を追放されネズミとともに地上に落っこちてしまった件―
七柱雄一
児童書・童話
スクナビコナは人の手のひらに乗る程度の小さな体の神です。
またスクナビコナは日本神話に登場する神でもあるのですが、作者としては日本の神話などに関する予備知識があまりなくても、読み進められるように本作を書いていくことを心がけようと思っています。
まだまだ『アルファポリス』初心者の上に未熟者の作者ですが、一応プロを目指す方向でやっていくつもりでおります。
感想、ご指摘、批評、批判(もちろん誹謗、中傷のたぐいはご勘弁願いたいのですが)大歓迎でございます。
特に特定の読者層は想定しておらず、誰でも読めるものを目指した作品です。
また『小説家になろう』『カクヨム』でもこの小説を投稿しております。
ではぜひお楽しみください!
魔法が使えない女の子
咲間 咲良
児童書・童話
カナリア島に住む九歳の女の子エマは、自分だけ魔法が使えないことを悩んでいた。
友だちのエドガーにからかわれてつい「明日魔法を見せる」と約束してしまったエマは、大魔法使いの祖母マリアのお使いで魔法が書かれた本を返しに行く。
貸本屋ティンカーベル書房の書庫で出会ったのは、エマそっくりの顔と同じエメラルドの瞳をもつ男の子、アレン。冷たい態度に反発するが、上から降ってきた本に飲み込まれてしまう。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる