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第二章
第66話:悪臭
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俺が魔法で品種改良した果樹や穀類、野菜は大評判です。
味は前世ほど美味しく改良できていませんが、それでもある程度は美味しくなっていますし、何より温室栽培でもないのにとても早く成長します。
前世ではできなかった、魔法による品種改良のお陰です。
東竜山脈やゲヌキウス王国内の農地だと、三毛作も可能になっています。
いますが、それは他所から肥料を持ってこられる場合に限ります。
そもそも土地に何の栄養もなければ、作物は育ちません。
土地の栄養が少ないと、育ったとしても実りません。
何とか実ったとしても、不作凶作になります。
近くに大量の肥料がある農地ならいいですが、そんな立地は地竜森林や魔森林の近くだけですし、近くても取りに行くのは命懸けです。
地竜森林や魔森林に入って腐葉土を集められるのは、家くらいです。
だから俺は、家畜を飼う事で栄養の循環を計りましたが、それだけでは農地の栄養は減る一方です。
何故なら、農地の栄養を大量に食べているのは人間なのです。
農地の実りの大半は、人間が食べて糞尿にしています。
だから、糞尿だけは何としても農地に戻さなければいけません。
そうしないと栄養に循環が上手く行かなくなります。
そこで俺の知る下肥の作り方を広めたのですが……
「ディド、お前の言う人糞の大切さはよく分かった。
だが、この臭いは何とかならんか?」
「そうよディド、これは余りに酷過ぎるわ。
東竜山脈の畑はこんなに臭くなかったわよ」
「あそこはとても乾燥していて、人糞が発酵できませんでした。
土に撒いても乾燥して風に流されるだけでした。
だからいつまで経っても土地が瘦せていたのです」
「ここは乾燥していなから、発酵して臭いのだな」
「はい、その通りです」
「連邦での農業が臭くなる理由は分かった。
臭くなるのは仕方がない事なのだろう。
だが、城や城塞都市まで臭いのは、どうにかできるのではないか?」
「そうよ、城や城塞都市は臭くしなくてもいいんじゃない?」
下肥の耐え難い臭さ、それも発酵中の激臭は嗅いだものにしか分かりません。
俺の生まれ育った地域は観光葡萄が主力産業で、稲作をしていませんでした。
ですが山一つ越えると他県の水田地帯だったのです。
あの頃の奈良県斑鳩町は、一面の農地で、全ての水田横に下肥を発酵させる肥溜めがありました。
原付免許を取って直ぐの夏、生暖かい海水浴場で泳ぐより、冷たい清流で泳ぐ方が好きだったので、斑鳩町を通過して吉野川や木津川に行っていました。
あの吐き気を催すほどの悪臭は、転生した今でも忘れられません。
親戚が営んでいた養鶏場の悪臭など、可愛いものでした。
だから、父上と母上の苦情も分かるのですが……
「父上、母上、それは逆です。
昔の事を忘れられているのではありませんか?」
「昔の事?」
「傭兵時代に、城塞都市や城の中に入られ事はありませんか?
特に城塞都市では、道に糞尿が捨てられていませんでしたか?」
「ああ、そうだ、そうだった、何所を歩いても糞まみれになったな。
運が悪いと、上から降って来た糞尿をかぶる事もあった」
「我が家の領地は糞尿の扱いに厳しかったので、人の住む所で捨てられるようなことはありませんでしたが、他の町では違うでしょう?」
「そうだな、領主や国の正使として他領や他国に訪れる際は、平民地区を通過する事もないし、城の中でもそう言う場所とは離れた場所に滞在所があったな。
そうか、こうして城や城塞都市のあらゆるところを視察するから、これまで分からなかった臭いを感じるのか?」
「はい、父上と母上が普通の大公王が使うような場所にしか行かれないのなら、それほど臭いと感じないと思います。
このように、下級使用人の働く場所を検分するから臭く感じるのです。
特にここは、大公王一族の糞尿を扱う部門だから臭いのです」
「私とインマは、知らなくてもいい場所まで検分してしまったのね」
「いえ、知らなくてもいい場所ではありません。
とても大切な場所を視察検分されておられます」
「とても大切な場所だと?
その言い方だと、人糞から肥料を作るから大切だという意味だけではないな?」
「はい、この城には大きな欠陥があるのです」
「それはどう言うことなの?
今までの話から考えると、糞尿の始末に関する事よね?」
「はい、そうです。
この城は、大公王一族や守備兵の糞尿を直ぐに城砦都市部に運び出していました。
城の中に糞尿を貯める場所がありません。
この状態で都市や城を敵に囲まれて籠城戦になったら、都市や城が糞尿まみれになって疫病が広がってしまいます」
「なに、糞尿から疫病が広がるのか?!」
「疫病だけは何があっても避けないといけないわ!」
「はい、疫病だけは絶対に避けなければいけません。
人が多い都市に疫病が多いのは、糞尿の始末が悪いからです。
だから人糞を肥料にするのは、疫病を減らす為でもあります。
戦争の事を考えれば、都市や城の中にも糞尿を貯めておく場所が必要です。
ですが、普段は小まめに城や都市の外に運び出すのです」
「「はぁあ」」
「我が家とは全く条件が違うのだな」
「本当ですわね、こんな事まで考えなければいけないとは思わなかったわ」
「俺もこんな事を考えるのは嫌なのですが、大切な食糧を確保するにも、疫病を防ぐにも、戦争になった時に困らないようにするにも、避けて通れないのです」
「わかった、私も考えよう。
いや、私が治める城や都市の全てで考えなければいけないのだな」
「はい、父上」
「私も全ての城や都市でやらなければいけないのですね。
もう雪が降り始めているのに、やれるかしら?」
「別に今直ぐ全ての城や都市でしなければいけない訳ではありません。
三百人や五百人の都市なら、糞尿の始末もそれほど大変ではありません。
籠城になったとしても、自分達で城壁の上から捨てればいいだけです。
急いでやらなければいけないのは、三千人とか五千人とか、多くの人が狭い場所に住んでいるような城塞都市だけです」
「なるほど、私達が首都に選んだ場所が問題なのだな」
「はい、その通りです」
「ここにもさっきディドが言っていた、糞尿を貯める場所を城と都市と都市外に急いで造らなければいけないのね?」
「はい、その通りです」
「だとすると、根本的な都市改造計画を立てなければいけないのかしら?」
「はい、何人の兵士で城に籠城するのか?
彼らが一年も二年も籠城するのに必要な水をどう確保して、食糧をどこにどれだけ保管するのか?
水と食糧が糞尿に汚染されない場所に肥溜めを造らなければいけません。
ああ、兵士達が寝起きする場所も確保しなければいけません」
「私にはとてもできそうになりません。
ディドに負担をかけるのは嫌なのですが、頼めますか?」
「お任せください、最初からその心算でした。
父上と母上が下肥の臭さを言われなかったら、臭いではなく疫病や籠城戦の事を理由に都市改造計画を提案する心算でした」
「なるほど、それで今日の視察検分をここにしたのか?」
「はい、その通りです」
「では、ここだけではなく、私の城と城塞都市の改造計画も頼む」
「はい、お任せください」
とは言いましたが、全て俺一人でやるわけではありません。
この世界にも築城の専門家がいますし、大工や石工もいるのです。
彼らに今の話をして、その視点から改造計画を出してもらいます。
彼らが考えて提出した改造計画案を確認して、問題がなければ採用します。
どこかに問題があるなら、そこを指摘して修正してもらいます。
実際に造るのは彼らなのですから、細部にわたって、何故そうしなければいけないのか、理解しておいてもらわなければいけません。
そうしておかないと、とんでもない失敗をしでかします。
形だけできているように見えて、実際に使おうとしたら使えない場合があるので、意味を理解して造ってもらわないといけません。
「フェルディナンド殿下、城の肥溜めはここでよいでしょか?」
「フェルディナンド殿下、都市の肥溜めはこの大きさで大丈夫ですか?」
「フェルディナンド殿下、馬車に糞尿を運ばせても良いですか?」
味は前世ほど美味しく改良できていませんが、それでもある程度は美味しくなっていますし、何より温室栽培でもないのにとても早く成長します。
前世ではできなかった、魔法による品種改良のお陰です。
東竜山脈やゲヌキウス王国内の農地だと、三毛作も可能になっています。
いますが、それは他所から肥料を持ってこられる場合に限ります。
そもそも土地に何の栄養もなければ、作物は育ちません。
土地の栄養が少ないと、育ったとしても実りません。
何とか実ったとしても、不作凶作になります。
近くに大量の肥料がある農地ならいいですが、そんな立地は地竜森林や魔森林の近くだけですし、近くても取りに行くのは命懸けです。
地竜森林や魔森林に入って腐葉土を集められるのは、家くらいです。
だから俺は、家畜を飼う事で栄養の循環を計りましたが、それだけでは農地の栄養は減る一方です。
何故なら、農地の栄養を大量に食べているのは人間なのです。
農地の実りの大半は、人間が食べて糞尿にしています。
だから、糞尿だけは何としても農地に戻さなければいけません。
そうしないと栄養に循環が上手く行かなくなります。
そこで俺の知る下肥の作り方を広めたのですが……
「ディド、お前の言う人糞の大切さはよく分かった。
だが、この臭いは何とかならんか?」
「そうよディド、これは余りに酷過ぎるわ。
東竜山脈の畑はこんなに臭くなかったわよ」
「あそこはとても乾燥していて、人糞が発酵できませんでした。
土に撒いても乾燥して風に流されるだけでした。
だからいつまで経っても土地が瘦せていたのです」
「ここは乾燥していなから、発酵して臭いのだな」
「はい、その通りです」
「連邦での農業が臭くなる理由は分かった。
臭くなるのは仕方がない事なのだろう。
だが、城や城塞都市まで臭いのは、どうにかできるのではないか?」
「そうよ、城や城塞都市は臭くしなくてもいいんじゃない?」
下肥の耐え難い臭さ、それも発酵中の激臭は嗅いだものにしか分かりません。
俺の生まれ育った地域は観光葡萄が主力産業で、稲作をしていませんでした。
ですが山一つ越えると他県の水田地帯だったのです。
あの頃の奈良県斑鳩町は、一面の農地で、全ての水田横に下肥を発酵させる肥溜めがありました。
原付免許を取って直ぐの夏、生暖かい海水浴場で泳ぐより、冷たい清流で泳ぐ方が好きだったので、斑鳩町を通過して吉野川や木津川に行っていました。
あの吐き気を催すほどの悪臭は、転生した今でも忘れられません。
親戚が営んでいた養鶏場の悪臭など、可愛いものでした。
だから、父上と母上の苦情も分かるのですが……
「父上、母上、それは逆です。
昔の事を忘れられているのではありませんか?」
「昔の事?」
「傭兵時代に、城塞都市や城の中に入られ事はありませんか?
特に城塞都市では、道に糞尿が捨てられていませんでしたか?」
「ああ、そうだ、そうだった、何所を歩いても糞まみれになったな。
運が悪いと、上から降って来た糞尿をかぶる事もあった」
「我が家の領地は糞尿の扱いに厳しかったので、人の住む所で捨てられるようなことはありませんでしたが、他の町では違うでしょう?」
「そうだな、領主や国の正使として他領や他国に訪れる際は、平民地区を通過する事もないし、城の中でもそう言う場所とは離れた場所に滞在所があったな。
そうか、こうして城や城塞都市のあらゆるところを視察するから、これまで分からなかった臭いを感じるのか?」
「はい、父上と母上が普通の大公王が使うような場所にしか行かれないのなら、それほど臭いと感じないと思います。
このように、下級使用人の働く場所を検分するから臭く感じるのです。
特にここは、大公王一族の糞尿を扱う部門だから臭いのです」
「私とインマは、知らなくてもいい場所まで検分してしまったのね」
「いえ、知らなくてもいい場所ではありません。
とても大切な場所を視察検分されておられます」
「とても大切な場所だと?
その言い方だと、人糞から肥料を作るから大切だという意味だけではないな?」
「はい、この城には大きな欠陥があるのです」
「それはどう言うことなの?
今までの話から考えると、糞尿の始末に関する事よね?」
「はい、そうです。
この城は、大公王一族や守備兵の糞尿を直ぐに城砦都市部に運び出していました。
城の中に糞尿を貯める場所がありません。
この状態で都市や城を敵に囲まれて籠城戦になったら、都市や城が糞尿まみれになって疫病が広がってしまいます」
「なに、糞尿から疫病が広がるのか?!」
「疫病だけは何があっても避けないといけないわ!」
「はい、疫病だけは絶対に避けなければいけません。
人が多い都市に疫病が多いのは、糞尿の始末が悪いからです。
だから人糞を肥料にするのは、疫病を減らす為でもあります。
戦争の事を考えれば、都市や城の中にも糞尿を貯めておく場所が必要です。
ですが、普段は小まめに城や都市の外に運び出すのです」
「「はぁあ」」
「我が家とは全く条件が違うのだな」
「本当ですわね、こんな事まで考えなければいけないとは思わなかったわ」
「俺もこんな事を考えるのは嫌なのですが、大切な食糧を確保するにも、疫病を防ぐにも、戦争になった時に困らないようにするにも、避けて通れないのです」
「わかった、私も考えよう。
いや、私が治める城や都市の全てで考えなければいけないのだな」
「はい、父上」
「私も全ての城や都市でやらなければいけないのですね。
もう雪が降り始めているのに、やれるかしら?」
「別に今直ぐ全ての城や都市でしなければいけない訳ではありません。
三百人や五百人の都市なら、糞尿の始末もそれほど大変ではありません。
籠城になったとしても、自分達で城壁の上から捨てればいいだけです。
急いでやらなければいけないのは、三千人とか五千人とか、多くの人が狭い場所に住んでいるような城塞都市だけです」
「なるほど、私達が首都に選んだ場所が問題なのだな」
「はい、その通りです」
「ここにもさっきディドが言っていた、糞尿を貯める場所を城と都市と都市外に急いで造らなければいけないのね?」
「はい、その通りです」
「だとすると、根本的な都市改造計画を立てなければいけないのかしら?」
「はい、何人の兵士で城に籠城するのか?
彼らが一年も二年も籠城するのに必要な水をどう確保して、食糧をどこにどれだけ保管するのか?
水と食糧が糞尿に汚染されない場所に肥溜めを造らなければいけません。
ああ、兵士達が寝起きする場所も確保しなければいけません」
「私にはとてもできそうになりません。
ディドに負担をかけるのは嫌なのですが、頼めますか?」
「お任せください、最初からその心算でした。
父上と母上が下肥の臭さを言われなかったら、臭いではなく疫病や籠城戦の事を理由に都市改造計画を提案する心算でした」
「なるほど、それで今日の視察検分をここにしたのか?」
「はい、その通りです」
「では、ここだけではなく、私の城と城塞都市の改造計画も頼む」
「はい、お任せください」
とは言いましたが、全て俺一人でやるわけではありません。
この世界にも築城の専門家がいますし、大工や石工もいるのです。
彼らに今の話をして、その視点から改造計画を出してもらいます。
彼らが考えて提出した改造計画案を確認して、問題がなければ採用します。
どこかに問題があるなら、そこを指摘して修正してもらいます。
実際に造るのは彼らなのですから、細部にわたって、何故そうしなければいけないのか、理解しておいてもらわなければいけません。
そうしておかないと、とんでもない失敗をしでかします。
形だけできているように見えて、実際に使おうとしたら使えない場合があるので、意味を理解して造ってもらわないといけません。
「フェルディナンド殿下、城の肥溜めはここでよいでしょか?」
「フェルディナンド殿下、都市の肥溜めはこの大きさで大丈夫ですか?」
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