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第一章
第18話:腐れ貴族
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俺がオードリーたちとダンジョンの端から出てきた時、皇国軍はオードリーたちを護衛するための布陣を組んでいた。
どうしても構造上狭いのがダンジョンの通路だが、その右側に長く一列に並びオードリーたちが通れるようにしていた。
しかもオードリーたちを間に挟むために、前衛と後衛の間を広くあけている。
約束通り、護衛はするが近づかない布陣になっている。
だが、笑ってしまうのは、俺に敵意を向け続ける貴族が後衛を務めている。
しかもその貴族が指揮する部隊が後衛の最前列にいる。
明らかにオードリーたちを後ろから襲う準備だ。
全部隊が襲って来る事はないだろうが、腐れ貴族の私兵は間違いなく襲って来る。
腐れ貴族と仲のよい同類貴族も襲ってくる可能性がある。
後で襲われるのは問題ないが、今側面から襲われるのは問題だな。
「オードリー殿、今から魔術防御を展開できますか」
「任せてください、バルド様。
一週間不眠不休で魔術防御を展開できますよ」
オードリーはニッコリと答えてくれるが、恐ろしい魔力量だな。
いつかその魔力とスキルを借りたいものだ。
「では行きましょうか」
「はい、バルド様。
皆もバルド様の後について、できるだけまとまっていてくださいね。
後ろは私が護りますから、何の心配もいりませんよ」
オードリーにそう言われると、俺まで安心してしまう。
緩む心を引き締め直して、オードリーたちを護るために先頭を進む。
背後を心配する必要はないが、一応一割くらいは気にしておく。
残る九割の索敵スキルは前方の敵に集中する。
必要ならば将軍も副官も皇国軍も皆殺しにしてやる。
「うわ、なにをする下郎。
平民の分際で皇国軍人に斬りかかるなど、皇帝陛下に対する謀叛だぞ。
殺せ、皇帝陛下に叛乱を起こすモノを許すな」
腐外道の貴族がわめき散らしている。
斬りかかってきたと嘘偽りを言い立てて、俺たちを殺す気だ。
全部演技だが、噴飯モノの大根役者だな。
最初から俺たちを殺す気だったのか、それとも副官に挑発されて暴発したか。
いい迷惑だが、放っておくわけにもいかない。
最初から最悪の場合は皇国軍と戦うと決めていたのだから、いいきっかけだ。
「ぎゃっ!」
「なんだ、なんだ、なんだ、まったく近づけないぞ」
オードリーが展開した魔術防御に弾かれたのだろう。
声から察するに、腐れ外道の配下、実家から連れてきた私兵だな。
嫌な視線を向けてきた連中の数は、十人ほどいたな。
「斬れ、魔術か何かしらないが、武術スキルで斬り破れ」
腐れ貴族が、男とは思えない甲高い声でわめいている。
思い通りに行かない事に苛立っているな。
本当なら副官に邪魔される前にすべてを終わらせたかったのだろう。
シスターと冒険者くらい、戦闘スキル持ちの配下で直ぐに殺せると思っていた。
殺してしまった後でなら、他の連中も自分の配下を恐れて噓の証言をする。
そんな風に考えていたのだろうな。
「卑怯にも背後から不意討ちをして殺そうとする
しかもその相手は孤児と孤児を助け育てているシスターだ。
それが皇国貴族の誇りであり名誉か?!
皇帝陛下が本当にそのような事を命じられたのか?!
皇帝陛下の名を騙って、殺戮を愉しむ狂人を斬って捨てる」
シスターたちが襲われているのを知って、黙って何もしなかったわけではない。
魔術防御が展開している空間の上を足り抜けていた。
忍者スキルを使って音も立てず気配も消して一気に駆け抜けた。
直ぐに斬り殺してもよかったのだが、俺が殺した事を印象付けたかった。
シスターたちに恨みが行かないようにしなければいけない。
だから俺は、大声で腐れ貴族を罵ってから配下を斬り殺した。
「命令するだけで自分では何もできない腰抜けが」
絶対の信頼を置いていた、武術スキル持ちの配下が全員首を刎ねられて、残された胴体から噴水のように血を吹き出すのを呆然と見ている腐れ貴族。
こいつを見せしめのために残虐非道に殺す事も可能だ。
だが俺にはまだしなければいけないので、配下と同じように一撃で首を刎ねた。
同時に素早く動いて、さっき副官と話していた時に剣に手を置いた連中を殺す。
後で何かしかけられるのが嫌なので、早いうちに危険な芽は摘んでおく。
「これはこれは、誠に申し訳ない事を致しました。
皇国軍にこのような卑怯で恥すらずな者がいるとは思っていませんでした。
この者たちは、実家の貴族家から推薦を受けて軍に入ってきた者でした。
まさか皇帝陛下の名を騙り、シスターに乱暴狼藉を働こうとするなんて、考えてもいませんでした、真に申し訳ありません」
俺のやり方を見ていたのだろう。
同じように魔術防御の天井を駆けて副官が謝りに来た。
だが本心から謝っているわけではない。
その眼には上手くやってくれてありがとうと言う意味の光が宿っている。
別に利用されて貴族を殺す事は構わない。
問題は殺した連中の実家に話をつけるために、俺を殺そうとする事だ。
いや、俺を殺そうとするだけなら貴族にはよくある謀略だから、別に構わない。
俺が気にしているのは、オードリーたちまで殺そうとする事だ。
もしそんな気でいるのなら、ダンジョンの入ってきた皇国軍を皆殺しにする。
その時には副官が大切に思っている将軍とやらも殺す。
俺の本気の殺気は十分に伝わったのだろう。
「バルド殿のお怒りはもっともだと思います。
これからは、このような事のないように十分気をつけます。
それと、お詫びとして軍需物資をお分けしたいと思っています。
本来なら一旦地上に出て補給していただくのですが、シスター殿の魔術防御がとても有効だと分かりましたので、軍に徴用させていただきたい」
こいつ、本気で言っているのか。
言っているのなら、こいつもたいがい身勝手な奴だな。
シスターの魔術防御の中に皇国軍を入れたら、さきほどのような襲撃された時に、シスターたちは身を護る術もなく殺されることになる。
殺されるだけでなく、名誉も誇りも踏みにじられることになる。
さて、もう生かしておくわけにはいかないな。
「おっと、お待ちいただきたいですね。
短期は損気という言葉を聞かれた事はありませんか」
関係ない、もう皆殺しだ。
「お待ちいただきたい。
アンドレアスが恥知らずで身勝手な事を口にした事、謝らせていただきます」
俺が本気で副官を殺そうとした時、絶妙のタイミングで声をかけてきやがった。
他の誰も、副官すら気が付かないように気配を消して近づいてきやがった。
こいつ、忍者スキルや気配隠しのスキルを持っているのか。
装備している立派な鎧から、恐らくは将軍なのだろう。
近づいてきた事は分かっていたが、黙殺していたのだ。
正々堂々戦うと殺すまでに時間がかかる、不意討ちしないと速攻は難しい。
だが、後腐れないように、こいつも一緒に皆殺しにする。
強敵には間違いないが、こんな副官を使っているならろくな奴じゃない。
なにも皇国軍一万人を皆殺しにする必要などない。
主要な幹部を殺せば、雑兵など逃げ出すからな。
どうしても構造上狭いのがダンジョンの通路だが、その右側に長く一列に並びオードリーたちが通れるようにしていた。
しかもオードリーたちを間に挟むために、前衛と後衛の間を広くあけている。
約束通り、護衛はするが近づかない布陣になっている。
だが、笑ってしまうのは、俺に敵意を向け続ける貴族が後衛を務めている。
しかもその貴族が指揮する部隊が後衛の最前列にいる。
明らかにオードリーたちを後ろから襲う準備だ。
全部隊が襲って来る事はないだろうが、腐れ貴族の私兵は間違いなく襲って来る。
腐れ貴族と仲のよい同類貴族も襲ってくる可能性がある。
後で襲われるのは問題ないが、今側面から襲われるのは問題だな。
「オードリー殿、今から魔術防御を展開できますか」
「任せてください、バルド様。
一週間不眠不休で魔術防御を展開できますよ」
オードリーはニッコリと答えてくれるが、恐ろしい魔力量だな。
いつかその魔力とスキルを借りたいものだ。
「では行きましょうか」
「はい、バルド様。
皆もバルド様の後について、できるだけまとまっていてくださいね。
後ろは私が護りますから、何の心配もいりませんよ」
オードリーにそう言われると、俺まで安心してしまう。
緩む心を引き締め直して、オードリーたちを護るために先頭を進む。
背後を心配する必要はないが、一応一割くらいは気にしておく。
残る九割の索敵スキルは前方の敵に集中する。
必要ならば将軍も副官も皇国軍も皆殺しにしてやる。
「うわ、なにをする下郎。
平民の分際で皇国軍人に斬りかかるなど、皇帝陛下に対する謀叛だぞ。
殺せ、皇帝陛下に叛乱を起こすモノを許すな」
腐外道の貴族がわめき散らしている。
斬りかかってきたと嘘偽りを言い立てて、俺たちを殺す気だ。
全部演技だが、噴飯モノの大根役者だな。
最初から俺たちを殺す気だったのか、それとも副官に挑発されて暴発したか。
いい迷惑だが、放っておくわけにもいかない。
最初から最悪の場合は皇国軍と戦うと決めていたのだから、いいきっかけだ。
「ぎゃっ!」
「なんだ、なんだ、なんだ、まったく近づけないぞ」
オードリーが展開した魔術防御に弾かれたのだろう。
声から察するに、腐れ外道の配下、実家から連れてきた私兵だな。
嫌な視線を向けてきた連中の数は、十人ほどいたな。
「斬れ、魔術か何かしらないが、武術スキルで斬り破れ」
腐れ貴族が、男とは思えない甲高い声でわめいている。
思い通りに行かない事に苛立っているな。
本当なら副官に邪魔される前にすべてを終わらせたかったのだろう。
シスターと冒険者くらい、戦闘スキル持ちの配下で直ぐに殺せると思っていた。
殺してしまった後でなら、他の連中も自分の配下を恐れて噓の証言をする。
そんな風に考えていたのだろうな。
「卑怯にも背後から不意討ちをして殺そうとする
しかもその相手は孤児と孤児を助け育てているシスターだ。
それが皇国貴族の誇りであり名誉か?!
皇帝陛下が本当にそのような事を命じられたのか?!
皇帝陛下の名を騙って、殺戮を愉しむ狂人を斬って捨てる」
シスターたちが襲われているのを知って、黙って何もしなかったわけではない。
魔術防御が展開している空間の上を足り抜けていた。
忍者スキルを使って音も立てず気配も消して一気に駆け抜けた。
直ぐに斬り殺してもよかったのだが、俺が殺した事を印象付けたかった。
シスターたちに恨みが行かないようにしなければいけない。
だから俺は、大声で腐れ貴族を罵ってから配下を斬り殺した。
「命令するだけで自分では何もできない腰抜けが」
絶対の信頼を置いていた、武術スキル持ちの配下が全員首を刎ねられて、残された胴体から噴水のように血を吹き出すのを呆然と見ている腐れ貴族。
こいつを見せしめのために残虐非道に殺す事も可能だ。
だが俺にはまだしなければいけないので、配下と同じように一撃で首を刎ねた。
同時に素早く動いて、さっき副官と話していた時に剣に手を置いた連中を殺す。
後で何かしかけられるのが嫌なので、早いうちに危険な芽は摘んでおく。
「これはこれは、誠に申し訳ない事を致しました。
皇国軍にこのような卑怯で恥すらずな者がいるとは思っていませんでした。
この者たちは、実家の貴族家から推薦を受けて軍に入ってきた者でした。
まさか皇帝陛下の名を騙り、シスターに乱暴狼藉を働こうとするなんて、考えてもいませんでした、真に申し訳ありません」
俺のやり方を見ていたのだろう。
同じように魔術防御の天井を駆けて副官が謝りに来た。
だが本心から謝っているわけではない。
その眼には上手くやってくれてありがとうと言う意味の光が宿っている。
別に利用されて貴族を殺す事は構わない。
問題は殺した連中の実家に話をつけるために、俺を殺そうとする事だ。
いや、俺を殺そうとするだけなら貴族にはよくある謀略だから、別に構わない。
俺が気にしているのは、オードリーたちまで殺そうとする事だ。
もしそんな気でいるのなら、ダンジョンの入ってきた皇国軍を皆殺しにする。
その時には副官が大切に思っている将軍とやらも殺す。
俺の本気の殺気は十分に伝わったのだろう。
「バルド殿のお怒りはもっともだと思います。
これからは、このような事のないように十分気をつけます。
それと、お詫びとして軍需物資をお分けしたいと思っています。
本来なら一旦地上に出て補給していただくのですが、シスター殿の魔術防御がとても有効だと分かりましたので、軍に徴用させていただきたい」
こいつ、本気で言っているのか。
言っているのなら、こいつもたいがい身勝手な奴だな。
シスターの魔術防御の中に皇国軍を入れたら、さきほどのような襲撃された時に、シスターたちは身を護る術もなく殺されることになる。
殺されるだけでなく、名誉も誇りも踏みにじられることになる。
さて、もう生かしておくわけにはいかないな。
「おっと、お待ちいただきたいですね。
短期は損気という言葉を聞かれた事はありませんか」
関係ない、もう皆殺しだ。
「お待ちいただきたい。
アンドレアスが恥知らずで身勝手な事を口にした事、謝らせていただきます」
俺が本気で副官を殺そうとした時、絶妙のタイミングで声をかけてきやがった。
他の誰も、副官すら気が付かないように気配を消して近づいてきやがった。
こいつ、忍者スキルや気配隠しのスキルを持っているのか。
装備している立派な鎧から、恐らくは将軍なのだろう。
近づいてきた事は分かっていたが、黙殺していたのだ。
正々堂々戦うと殺すまでに時間がかかる、不意討ちしないと速攻は難しい。
だが、後腐れないように、こいつも一緒に皆殺しにする。
強敵には間違いないが、こんな副官を使っているならろくな奴じゃない。
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