44 / 47
第一章
第44話:前将軍の騎士団。
しおりを挟む
私が前将軍を拝命してから30日が経ちました。
我が国は鉄と鈦と銹の名産地となり、仕入れに訪れる商人の馬車が列をなしている状態です。
私たち3人は、冒険者と王都民の試験を最初の5日で終えました。
確実に完全殺ができると思われる、領地の民は王都に呼びませんでした。
王家の金儲けよりも領地の安全を優先したのです。
領地の民が金儲けを優先する性格なら呼び寄せていました。
ですが彼らは、実力があるのにダンジョン騎士への叙勲を断り、領地に戻って猟師や農民をしているような者達です、強制的などできません。
それに、我がグリフィス騎士領にいても結構な収入があります。
ダンジョンと違って狩り過ぎると減ってしまいますが、魔境で狩れる魔獣の素材はお金にも食料にもなるのです。
領民は諦めましたが、冒険者と王都民は積極的に配下に加えました。
ダンジョン騎士に叙勲して、私、前将軍直属としました。
左右の将軍配下だったダンジョン騎士は、それほど有望な者がいなかった事もあり、叔父と叔母たち5人しか引き抜きませんでした。
そのお陰か、左右の将軍との仲は悪くありません。
ただ、3人の将軍の中で私が1番多くの騎士を抱える事になってしまいました。
これまでのダンジョン騎士が、物理的に強い者を優先的に叙勲していた事もあり、冒険者や王都民に魔術や神聖術の才能が有る者が多かったのです。
更に、我が国の産業構造が歪だった事も影響しています。
主産業がダンジョンで手に入る銭、鉄、鈦を加工した武器や防具の輸出でした。
その銭、鉄、鈦がこれまで以上に手に入るだけでなく、銹まで結構な量手に入るようになったので、王家王国の財政は以前の数万倍です。
それも、集めてくる騎士に全く報酬を払わずにすむのです。
最低限の能力があればダンジョン騎士に叙勲しようと考えて当然です。
左将軍配下のダンジョン騎士が、2名補充されて50騎。
右将軍配下のダンジョン騎士が、3名補充されて50騎。
前将軍、私の配下となったダンジョン騎士が250騎。
今のところ、左右の将軍とは争っていません。
私がほとんど王城に行かず、ダンジョンに籠っているからでしょう。
配下の騎士たちも、勤務日も公休日もダンジョンに籠っています。
私が5倍もの兵力を有していることが実感できていないのでしょうが……
いずれ妬み嫉みの感情が生まれるのは確実です。
ですが、その時はその時と割り切りました!
最悪の状況になったら、莫大な富を担いで他国に逃げればいいのです。
ダンジョンがある国なら、もろ手を挙げて歓迎してくれでしょう。
それに、それなりの解決策は考えています。
私の騎士団を5分割すればいいのです。
ソフィア、アーサー、5人の叔父叔母たちの誰かを将軍にすればいいのです。
そうすれば、王国は7個騎士団350騎士となります。
「前将軍閣下、今日勤務日の騎士と荷役が揃いました」
私が勝手に副将軍格と考えている叔父上が声をかけてきました。
勤務日の騎士125騎と荷運び600人ほどが集まっています。
600人もの荷運びがいるのも私の所為です。
私たち3人が手に入れる武器が多いのもありますが、それよりも我が国の冒険者体制がガラリと変わってしまったのです。
まず、物理的に強い冒険者からダンジョン騎士に叙勲されていた過去があります。
そこに私が、魔術と神聖術で能力のある冒険者をダンジョン騎士に叙勲しました。
残っている冒険者は、低レベルのアンデット系モンスターを倒すのすら、苦労するようになってしまったのです。
彼らに残された道は、今新たに作られている城壁用の石材やレンガを主な収入にして、たまに手に入る銭貨幣で細々と暮らすのが1つ。
もう1つが、ダンジョン騎士に叙勲された元の仲間にすがって、公休日に一緒に狩りをするかになってしまったのです。
元の仲間と狩りをするのは、ダンジョン騎士にも利点があります。
自分の属性で倒せないモンスターを倒してもらえるのです。
ですが、どうせパーティーを組むのなら、同じダンジョン騎士同士で属性を補い合う方が効率的に稼げます。
この状況に、残された冒険者たちが可愛そうになりました。
気の良い人たちが多く、本当にわずかな日数ですが、良くしてもらいました。
だから、残された冒険者たちを荷運びに雇ったのです。
「私から話す注意は何時もと同じですが、決してダンジョンを軽く見ない事!
階を上下する時は、どうしてもモンスターが現れます。
自分の実力よりも深く潜る者は、モンスターを倒せる人たちと同行する事!」
「「「「「はい」」」」」
「銹剣が落ちる階層は、私を含む8人で運びます。
鈦剣が落ちる階層は、専任の者に運ばせます。
鉄の階層や銭の階層も同じです。
自分の実力に合わせた階層以上に深く潜らない事、いいですね?!」
「「「「「はい!」」」」」
最初は1人の人間にダンジョンと王城を往復させていました。
ですがそれだと、必ず護衛が必要になります。
同じように荷物を担ぎますが、狩りに専念する人以外にも、その階層で勝てる荷運びが必要になります。
なので、物理的にその階層で勝てるか逃げられるかする者たちに、荷物を継いで運んでもらう事にしました。
銭階層でしか運べない人の能力も考えて、背負子の重さを60kgとか70kgにしようかと思いましたが、それは考え直しました。
宝物の積み直しは、弱い人にしてもらう事にしました。
200kgとか300㎏運べる人は、自分が責任を持てる階層を、重い荷物持って全力で駆け抜けてもらいます。
次の階層にいる人が、上に積んである武器を下ろして自分が運べる重さにします。
例えば、私たちが銹武器を鈦階層まで運びます。
鈦階層専用の人が、軽くした背負子を担いで鉄階層まで行き、後は鉄階層の荷運びに任せます。
この方法を使いだしてから、効率的に荷運びができるようになりました。
特に、比較的数が多い鉄階層で戦える者が、銭階層から王城まで往復する時間を無駄にしなくてもよくなりました。
問題は銹階層や鈦階層で戦える者が少な過ぎる点です。
私を含めた少人数で買っては運びしなければいけません。
ですが、それでも、銹武器を手に入れた方が利益が多いのです。
「ねえ、私たち、銹階層で狩るより鈦階層で狩った方が効率的じゃない?」
「そんな事はありませんよ。
数で言えば鈦階層の方が数多く狩れますが、金額的には銹階層の方が高いです」
ソフィアとアーサーが何時ものじゃれ合いを始めました。
小腹が減ってきたのかもしれません。
「そんなの分かっているわよ、武器を背負子に乗せて運ぶのが面倒なの!
それに、もうお金は使い切れないくらい溜まっているわ。
今はお金よりも経験値が大切よ、こんな食べられないモノを狩らせられるなら、レベルアップしないとやってられないわ」
「レベルアップ優先でも、ここの方が効率的なのではありませんか?
鈦階層よりも銹階層の方が、早く強くなっている気がします」
確かに、私もそう感じていたから、ここで狩りをすると事にしたのです。
実際問題、私たちはどれくらい強くなったのでしょうか?
もっと深い階層まで行けると思いますが、どうすべきでしょう?
「ソフィア、アーサー、ちょっと休憩しよう。
王都の外に造り始めた新しい城壁の件で話がある」
我が国は鉄と鈦と銹の名産地となり、仕入れに訪れる商人の馬車が列をなしている状態です。
私たち3人は、冒険者と王都民の試験を最初の5日で終えました。
確実に完全殺ができると思われる、領地の民は王都に呼びませんでした。
王家の金儲けよりも領地の安全を優先したのです。
領地の民が金儲けを優先する性格なら呼び寄せていました。
ですが彼らは、実力があるのにダンジョン騎士への叙勲を断り、領地に戻って猟師や農民をしているような者達です、強制的などできません。
それに、我がグリフィス騎士領にいても結構な収入があります。
ダンジョンと違って狩り過ぎると減ってしまいますが、魔境で狩れる魔獣の素材はお金にも食料にもなるのです。
領民は諦めましたが、冒険者と王都民は積極的に配下に加えました。
ダンジョン騎士に叙勲して、私、前将軍直属としました。
左右の将軍配下だったダンジョン騎士は、それほど有望な者がいなかった事もあり、叔父と叔母たち5人しか引き抜きませんでした。
そのお陰か、左右の将軍との仲は悪くありません。
ただ、3人の将軍の中で私が1番多くの騎士を抱える事になってしまいました。
これまでのダンジョン騎士が、物理的に強い者を優先的に叙勲していた事もあり、冒険者や王都民に魔術や神聖術の才能が有る者が多かったのです。
更に、我が国の産業構造が歪だった事も影響しています。
主産業がダンジョンで手に入る銭、鉄、鈦を加工した武器や防具の輸出でした。
その銭、鉄、鈦がこれまで以上に手に入るだけでなく、銹まで結構な量手に入るようになったので、王家王国の財政は以前の数万倍です。
それも、集めてくる騎士に全く報酬を払わずにすむのです。
最低限の能力があればダンジョン騎士に叙勲しようと考えて当然です。
左将軍配下のダンジョン騎士が、2名補充されて50騎。
右将軍配下のダンジョン騎士が、3名補充されて50騎。
前将軍、私の配下となったダンジョン騎士が250騎。
今のところ、左右の将軍とは争っていません。
私がほとんど王城に行かず、ダンジョンに籠っているからでしょう。
配下の騎士たちも、勤務日も公休日もダンジョンに籠っています。
私が5倍もの兵力を有していることが実感できていないのでしょうが……
いずれ妬み嫉みの感情が生まれるのは確実です。
ですが、その時はその時と割り切りました!
最悪の状況になったら、莫大な富を担いで他国に逃げればいいのです。
ダンジョンがある国なら、もろ手を挙げて歓迎してくれでしょう。
それに、それなりの解決策は考えています。
私の騎士団を5分割すればいいのです。
ソフィア、アーサー、5人の叔父叔母たちの誰かを将軍にすればいいのです。
そうすれば、王国は7個騎士団350騎士となります。
「前将軍閣下、今日勤務日の騎士と荷役が揃いました」
私が勝手に副将軍格と考えている叔父上が声をかけてきました。
勤務日の騎士125騎と荷運び600人ほどが集まっています。
600人もの荷運びがいるのも私の所為です。
私たち3人が手に入れる武器が多いのもありますが、それよりも我が国の冒険者体制がガラリと変わってしまったのです。
まず、物理的に強い冒険者からダンジョン騎士に叙勲されていた過去があります。
そこに私が、魔術と神聖術で能力のある冒険者をダンジョン騎士に叙勲しました。
残っている冒険者は、低レベルのアンデット系モンスターを倒すのすら、苦労するようになってしまったのです。
彼らに残された道は、今新たに作られている城壁用の石材やレンガを主な収入にして、たまに手に入る銭貨幣で細々と暮らすのが1つ。
もう1つが、ダンジョン騎士に叙勲された元の仲間にすがって、公休日に一緒に狩りをするかになってしまったのです。
元の仲間と狩りをするのは、ダンジョン騎士にも利点があります。
自分の属性で倒せないモンスターを倒してもらえるのです。
ですが、どうせパーティーを組むのなら、同じダンジョン騎士同士で属性を補い合う方が効率的に稼げます。
この状況に、残された冒険者たちが可愛そうになりました。
気の良い人たちが多く、本当にわずかな日数ですが、良くしてもらいました。
だから、残された冒険者たちを荷運びに雇ったのです。
「私から話す注意は何時もと同じですが、決してダンジョンを軽く見ない事!
階を上下する時は、どうしてもモンスターが現れます。
自分の実力よりも深く潜る者は、モンスターを倒せる人たちと同行する事!」
「「「「「はい」」」」」
「銹剣が落ちる階層は、私を含む8人で運びます。
鈦剣が落ちる階層は、専任の者に運ばせます。
鉄の階層や銭の階層も同じです。
自分の実力に合わせた階層以上に深く潜らない事、いいですね?!」
「「「「「はい!」」」」」
最初は1人の人間にダンジョンと王城を往復させていました。
ですがそれだと、必ず護衛が必要になります。
同じように荷物を担ぎますが、狩りに専念する人以外にも、その階層で勝てる荷運びが必要になります。
なので、物理的にその階層で勝てるか逃げられるかする者たちに、荷物を継いで運んでもらう事にしました。
銭階層でしか運べない人の能力も考えて、背負子の重さを60kgとか70kgにしようかと思いましたが、それは考え直しました。
宝物の積み直しは、弱い人にしてもらう事にしました。
200kgとか300㎏運べる人は、自分が責任を持てる階層を、重い荷物持って全力で駆け抜けてもらいます。
次の階層にいる人が、上に積んである武器を下ろして自分が運べる重さにします。
例えば、私たちが銹武器を鈦階層まで運びます。
鈦階層専用の人が、軽くした背負子を担いで鉄階層まで行き、後は鉄階層の荷運びに任せます。
この方法を使いだしてから、効率的に荷運びができるようになりました。
特に、比較的数が多い鉄階層で戦える者が、銭階層から王城まで往復する時間を無駄にしなくてもよくなりました。
問題は銹階層や鈦階層で戦える者が少な過ぎる点です。
私を含めた少人数で買っては運びしなければいけません。
ですが、それでも、銹武器を手に入れた方が利益が多いのです。
「ねえ、私たち、銹階層で狩るより鈦階層で狩った方が効率的じゃない?」
「そんな事はありませんよ。
数で言えば鈦階層の方が数多く狩れますが、金額的には銹階層の方が高いです」
ソフィアとアーサーが何時ものじゃれ合いを始めました。
小腹が減ってきたのかもしれません。
「そんなの分かっているわよ、武器を背負子に乗せて運ぶのが面倒なの!
それに、もうお金は使い切れないくらい溜まっているわ。
今はお金よりも経験値が大切よ、こんな食べられないモノを狩らせられるなら、レベルアップしないとやってられないわ」
「レベルアップ優先でも、ここの方が効率的なのではありませんか?
鈦階層よりも銹階層の方が、早く強くなっている気がします」
確かに、私もそう感じていたから、ここで狩りをすると事にしたのです。
実際問題、私たちはどれくらい強くなったのでしょうか?
もっと深い階層まで行けると思いますが、どうすべきでしょう?
「ソフィア、アーサー、ちょっと休憩しよう。
王都の外に造り始めた新しい城壁の件で話がある」
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。

異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。

四神黎明譚
コトノハーモニー
児童書・童話
世間知らずのランファは、白い虎の子・クルルをお供に、山深くの里を出た。
「お前は自分の使命を果たしなさい」
大ばば様のお告げによって、辿りついたトウシュクの町はある危機に瀕していた……。
これは一人の少女が運命に出会い、世界の存亡をめぐる中華風ファンタジー
鎌倉西小学校ミステリー倶楽部
澤田慎梧
児童書・童話
【「鎌倉猫ヶ丘小ミステリー倶楽部」に改題して、アルファポリスきずな文庫より好評発売中!】
https://kizuna.alphapolis.co.jp/book/11230
【「第1回きずな児童書大賞」にて、「謎解きユニーク探偵賞」を受賞】
市立「鎌倉西小学校」には不思議な部活がある。その名も「ミステリー倶楽部」。なんでも、「学校の怪談」の正体を、鮮やかに解明してくれるのだとか……。
学校の中で怪奇現象を目撃したら、ぜひとも「ミステリー倶楽部」に相談することをオススメする。
案外、つまらない勘違いが原因かもしれないから。
……本物の「お化け」や「妖怪」が出てくる前に、相談しに行こう。
※本作品は小学校高学年以上を想定しています。作中の漢字には、ふりがなが多く振ってあります。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※本作品は、三人の主人公を描いた連作短編です。誰を主軸にするかで、ジャンルが少し変化します。
※カクヨムさんにも投稿しています(初出:2020年8月1日)
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。

こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる