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第11話:勝利の果てに見える未来・選ばれた道、求婚の誘い。
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神明裁判による決闘は我が家の勝利に終わりました。
鉱山が帰って来ただけでなく、これまでプランプター伯爵家が不当にむざぼっていた利益まで、賠償金として手に入りました。
裁判で負けたプランプター伯爵家には王家からの調査が入り、幾つもの王国法違反が見つかり、御家取り潰しとなりました。
プランプター伯爵家の味方をしていた貴族家と士族家にも調査が入り、半数が取り潰され、半数が降爵や半知召し上げとなしました。
ですが、貴族や士族の処分はまだ軽い方でした。
王家に仕える役人や神官の処分は熾烈を極めました。
役人は問答無用で処刑されました。
神官は神に罪を問うと言う体裁で火焙りにされました。
罪がなければ神が雨を降らせて助けると言うのが王家の言い分でした。
「マチルダ様、これが今回の商船による収支でございます」
今日のターニャは商会の会頭として来てくれています。
毎日遊びに来てくれていますが、公私の別はつけるようにしています。
「まあ、こんなに利益が上がるなんて、ターニャ様は商才がおありなのね」
プランプター伯爵家から莫大な賠償金を手に入れる事ができました。
三分の一は、多くの貴族家士族家が取り潰された際に、賠償金ですんだ家が売り出された農地を安価に買いました。
三分の一は、非常時のために残してあります。
残る三分の一を、ターニャ嬢が会頭と成られた商会に投資しました。
単に投資したのではなく、農地と同じ理由で売りに出された商船を買い取り、ターニャ嬢に運用を任せているのです。
「大したことはしていませんわ。
余っている所から足りない所に物を運んでいるだけですわ」
ターニャ嬢は謙遜していますが、それができないから、多くの商人が利益を上げられないどころか、損をしているのです。
それなのに多くの利益を出せるのですから、才能と努力の賜物です。
「私はターニャ様の努力に気がついていますから、謙遜されなくても大丈夫ですよ」
ターニャ嬢が満面の笑みを浮かべてくださいます。
この一年、お互い色んなことがありましたが、ようやく落ち着いてきたのです。
笑ってお茶を飲む時間ができたのですから、褒め合っても罰は当たりません。
「ところでマチルダ様、五日後に行われる第五王子主催の舞踏会には、参加されるのですか?」
「できればこのまま独りで生きていきたいのですが、色々と五月蠅くなってきていますので、参加するしかないです」
多くの有力貴族家が粛清され、王家の権力と財力が突出するようになりました。
もう有力貴族家が連合して王家に対抗する時代ではなくなっています。
生き残った貴族家は王家の顔色を伺わなければいけない立場です。
「では、第五王子の求婚をお受けになられるのですね?」
「まだ正式な打診は受けていませんので、お受けしようもないのです。
ただ、我が家に婿に入ると言う話でしたらお断わりさせていただきます」
「まあ、大丈夫ですの?」
ターニャ嬢が心配してくれるのも当然です。
今の王家に単独で逆らえる貴族家はありません。
連合を組んで対抗するような貴族家もありません。
「だいじょうぶではないかもしれませんが、弟を差し置いて私が婿を取る訳にはいきませんから」
鉱山が帰って来ただけでなく、これまでプランプター伯爵家が不当にむざぼっていた利益まで、賠償金として手に入りました。
裁判で負けたプランプター伯爵家には王家からの調査が入り、幾つもの王国法違反が見つかり、御家取り潰しとなりました。
プランプター伯爵家の味方をしていた貴族家と士族家にも調査が入り、半数が取り潰され、半数が降爵や半知召し上げとなしました。
ですが、貴族や士族の処分はまだ軽い方でした。
王家に仕える役人や神官の処分は熾烈を極めました。
役人は問答無用で処刑されました。
神官は神に罪を問うと言う体裁で火焙りにされました。
罪がなければ神が雨を降らせて助けると言うのが王家の言い分でした。
「マチルダ様、これが今回の商船による収支でございます」
今日のターニャは商会の会頭として来てくれています。
毎日遊びに来てくれていますが、公私の別はつけるようにしています。
「まあ、こんなに利益が上がるなんて、ターニャ様は商才がおありなのね」
プランプター伯爵家から莫大な賠償金を手に入れる事ができました。
三分の一は、多くの貴族家士族家が取り潰された際に、賠償金ですんだ家が売り出された農地を安価に買いました。
三分の一は、非常時のために残してあります。
残る三分の一を、ターニャ嬢が会頭と成られた商会に投資しました。
単に投資したのではなく、農地と同じ理由で売りに出された商船を買い取り、ターニャ嬢に運用を任せているのです。
「大したことはしていませんわ。
余っている所から足りない所に物を運んでいるだけですわ」
ターニャ嬢は謙遜していますが、それができないから、多くの商人が利益を上げられないどころか、損をしているのです。
それなのに多くの利益を出せるのですから、才能と努力の賜物です。
「私はターニャ様の努力に気がついていますから、謙遜されなくても大丈夫ですよ」
ターニャ嬢が満面の笑みを浮かべてくださいます。
この一年、お互い色んなことがありましたが、ようやく落ち着いてきたのです。
笑ってお茶を飲む時間ができたのですから、褒め合っても罰は当たりません。
「ところでマチルダ様、五日後に行われる第五王子主催の舞踏会には、参加されるのですか?」
「できればこのまま独りで生きていきたいのですが、色々と五月蠅くなってきていますので、参加するしかないです」
多くの有力貴族家が粛清され、王家の権力と財力が突出するようになりました。
もう有力貴族家が連合して王家に対抗する時代ではなくなっています。
生き残った貴族家は王家の顔色を伺わなければいけない立場です。
「では、第五王子の求婚をお受けになられるのですね?」
「まだ正式な打診は受けていませんので、お受けしようもないのです。
ただ、我が家に婿に入ると言う話でしたらお断わりさせていただきます」
「まあ、大丈夫ですの?」
ターニャ嬢が心配してくれるのも当然です。
今の王家に単独で逆らえる貴族家はありません。
連合を組んで対抗するような貴族家もありません。
「だいじょうぶではないかもしれませんが、弟を差し置いて私が婿を取る訳にはいきませんから」
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