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12話

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 攻撃魔法が雨あられと殺到します。
 宙に浮いている私に避ける事はできません。
 自然落下に任せるしかあるませんが、その落下速度はとても遅いのです。
 魔道具のお陰で、死なない程度に落ちるのです。
 その分大きなマト状態です。
 
 火炎魔法、風魔法、水魔法が殺到します。
 身につけている魔道具が次々と破壊されます。
 忌々しいフセインですが、魔力の強さはさすがです。
 私がようやく搔き集めた魔道具が、紙のように突き破られます。
 いえ、その弱弱しく見える魔道具が、私の命を護ってくれています。

 全ての防御魔道具が破壊されてしまうかもしれないと思った時、ようやく地上が近づいてきました。
 ギリギリ死なないですむ高さ。
 私の身体強化で対抗できる地上百メートルの高さで、体重軽減と浮遊の魔道具をいったん切り、地上に落ちるタイミングに合わせて、再び全力で蹴り飛びました!
 タイミングを合わせて、体重軽減と浮遊の魔道具を再度稼働させました。

 絶妙のタイミングで、先ほど以上の勢いでフセインに向かって跳ね飛びました。
 ジャンプすることができました!
 瞬く間にフセインに突撃できましたが、再度攻撃してよかったです。
 腹立たしいことに、フセインの身体が再生されています。
 魔法の治癒能力です!
 放置していればフセインは完全復活していました。

 今度は縦にフセインを両断するように片刃の剣を構えています。
 いかにフセインでも、頭を縦に裂かれたら死ぬでしょう。
 これで殺せなければ、フセインを殺す事は不可能です。
 フセインは不死の存在だという事です。
 もう国外に逃げるしか方法はありません。

 落ちる時と違って今度は猛スピードです。
 フセインからの攻撃はほとんどありませんでした。
 フセインは私が再度攻撃するとは思っていなかったのでしょうか?
 それとも治癒に魔力を使い過ぎたのでしょうか?
 想っていたよりも反撃が少なかったのです。

 私はフセインを縦に両断することに成功したのです。
 フセインを殺すことができました!
 殺すことができたのですよね?
 頭が縦に裂けた状態のフセインに反撃されたら、さすがに根性がくじけます。
 もうあきらめて逃げてしまいます。

 ですがそんな心配は杞憂でした。
 二つに裂けたフセインの上半身は、飛ぶことができずに地上に落ちていきます。
 私の心は安心と不安が相半ばしました。
 やっと殺せたという想いと、復活するために時間稼ぎに、死んだふりをしているのではないかという不安です。

 私は急いでフセインの死体が落ちて行った場所を追いました。
 上半身二つを手刀で切り刻み、油をかけて火をつけました。
 そして下半身を探し当てて、見つけたのです!
 フセインが常時持っているという、魔道具を詰めた魔法袋を!
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