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「それはならぬ。
縁故で人を集める時は、手紙を送ればいい。
辺境伯からの招待状だ。
無視できぬであろう」
「恐れながらそれは違います、国王陛下」
「なにが違うというのだ?!」
「彼らは他国の優秀な冒険者です。
旧友の私の状況など全て察しております。
守れもしない約束などに吊られたりはしません。
そもそもヴェネッツェ王国の辺境伯に従う義務もなければ、利もありません」
「うぬぬぬぬ。
それは辺境伯に信望がないからであろう」
「信望というのは、地位に見合った行いの積み重ねでございます。
冒険者としての私なら、信じて命を預けてくれるでしょう。
ですが辺境伯の私には、信じてもらえる実績などありません。
それに先ほども申し上げましたように、彼らはとても優秀な冒険者です。
国王陛下や大臣の方々が私をどう扱うつもりなのか、とっくに察しております」
「なに?!
何を申しておる!
余や大臣達がなにかを企んでいると申すのか!」
「国王陛下。
本気で申しておられますか?
私をそれほど愚かだと、思ってられるのですか?
ならばその愚か者に辺境伯の地位を与え、領地の復興を命じられた国王陛下と大臣の方々も、愚か者という事になりますね」
「黙れ!
この不敬者が!
フェルガー辺境伯家を潰さないでやろうという、余の温情を曲解しおって!
そのような恩知らずの顔など見たくないわ!
直ぐにこの者を追放せよ!」
「お待ちくださいませ、国王陛下。
それでは入念に決めた策が全て水泡に帰してしまいます。
ここは、辺境伯にも利を与えようではありませんか。
王国としては、辺境伯領さえ復興してくれればいいのです。
魔獣が王国の主要部を侵さなければいいのです。
幸いクヴァール卿はバカではなかった。
ここは王家王国が許せる範囲をはっきりと言って、その範囲で復興させられるかどうか、ひとまず様子を見ようではありませんか」
「……それでは頑張ってくれたズイムに報いることができないではないか。
あの者の忠誠と功労に報えずに何が国王だ!」
「国王陛下。
それはクヴァール卿とズイム卿に話し合ってもらいましょう。
どれだけ復興できるか分かりませんが、果てさえ分からない未開地です。
その一部をミズン城伯領地して、ズイム卿が開発する事も可能です」
「うぬぬぬぬ。
あれほどの功績をあげ、余に忠誠を尽くしてくれるズイムに与えられる褒美が、この程度か!
余はなんと力のない国王なのだ!」
やれ、やれ。
フェルガー辺境伯から聞く王宮内の話から推測するに、この国は王権が制限されているというか、絶対的な王権を持っていないのですね。
これでは国王一人を説得してもこちらに有利な条件を手に入れる事は不可能です。
さて、今回明らかにされた条件の範囲でやれることをやるしかありません。
縁故で人を集める時は、手紙を送ればいい。
辺境伯からの招待状だ。
無視できぬであろう」
「恐れながらそれは違います、国王陛下」
「なにが違うというのだ?!」
「彼らは他国の優秀な冒険者です。
旧友の私の状況など全て察しております。
守れもしない約束などに吊られたりはしません。
そもそもヴェネッツェ王国の辺境伯に従う義務もなければ、利もありません」
「うぬぬぬぬ。
それは辺境伯に信望がないからであろう」
「信望というのは、地位に見合った行いの積み重ねでございます。
冒険者としての私なら、信じて命を預けてくれるでしょう。
ですが辺境伯の私には、信じてもらえる実績などありません。
それに先ほども申し上げましたように、彼らはとても優秀な冒険者です。
国王陛下や大臣の方々が私をどう扱うつもりなのか、とっくに察しております」
「なに?!
何を申しておる!
余や大臣達がなにかを企んでいると申すのか!」
「国王陛下。
本気で申しておられますか?
私をそれほど愚かだと、思ってられるのですか?
ならばその愚か者に辺境伯の地位を与え、領地の復興を命じられた国王陛下と大臣の方々も、愚か者という事になりますね」
「黙れ!
この不敬者が!
フェルガー辺境伯家を潰さないでやろうという、余の温情を曲解しおって!
そのような恩知らずの顔など見たくないわ!
直ぐにこの者を追放せよ!」
「お待ちくださいませ、国王陛下。
それでは入念に決めた策が全て水泡に帰してしまいます。
ここは、辺境伯にも利を与えようではありませんか。
王国としては、辺境伯領さえ復興してくれればいいのです。
魔獣が王国の主要部を侵さなければいいのです。
幸いクヴァール卿はバカではなかった。
ここは王家王国が許せる範囲をはっきりと言って、その範囲で復興させられるかどうか、ひとまず様子を見ようではありませんか」
「……それでは頑張ってくれたズイムに報いることができないではないか。
あの者の忠誠と功労に報えずに何が国王だ!」
「国王陛下。
それはクヴァール卿とズイム卿に話し合ってもらいましょう。
どれだけ復興できるか分かりませんが、果てさえ分からない未開地です。
その一部をミズン城伯領地して、ズイム卿が開発する事も可能です」
「うぬぬぬぬ。
あれほどの功績をあげ、余に忠誠を尽くしてくれるズイムに与えられる褒美が、この程度か!
余はなんと力のない国王なのだ!」
やれ、やれ。
フェルガー辺境伯から聞く王宮内の話から推測するに、この国は王権が制限されているというか、絶対的な王権を持っていないのですね。
これでは国王一人を説得してもこちらに有利な条件を手に入れる事は不可能です。
さて、今回明らかにされた条件の範囲でやれることをやるしかありません。
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