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宮廷抗争編
13話
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「さて、朕はまだ耄碌しておらんぞ!
ルーカスに皇位を譲るのは、ゴンサロのような分を弁えぬ愚か者が増えたから、上皇となって成敗してやろうと思ったからじゃ。
だがそれでは皇帝の権威が低下し、上皇が皇帝に成り代わるだけだと気がついた。
よって朕の隠居とルーカスへの皇位の譲位は中止じゃ。
だがルーカスに権力を集めることは当初の予定通り行う。
今までの皇太子に加え、丞相の地位を与え、司徒・司空・太尉の上位とする。
さらに今までの皇太子領に加え、ガイルランド領を与え王に封じる」
皇帝陛下のお言葉に圧倒されます。
皇国はヴェイン王国と違って盤石な体制だと思っていたのですが、そうではないのかもしれません。
それとも、盤石な体制を維持するために、実害がでる前にてこ入れしようとされておられるのでしょうか?
どちらにしても、ルーカス様は今まで以上に力を持たれることになります。
今までは皇帝陛下の権威と力を背景にした、皇太子としての力でした。
ですがこれからは、皇太子としての力に加えて、ガイルランドの王としての権威と戦力を保有することになります。
皇国に入る前に勉強した知識では、ガイルランド地方の総生産力は三千万石だったはずです。
三千万石の国が防衛戦争に動員できる戦力は、百五十万兵にも及びます。
長期外征に動員できる兵力は三十万兵です。
この数はヴェイン王国の三倍です。
豊かな地方とはいえ、皇国の一地方がヴェイン王国の三倍の国力を誇るのです。
だからといってヴェイン王国が弱小国というわけではありません。
周辺国の中では平均的な国力を誇っています。
辺境の小国の中には、生産力が百万石に満たない国もあります。
国王を自称してはいませんが、どこにも臣従していない独立独歩の地方領主の中には、十万石程度の領主もいるのです。
「それとだ!
朕はまだ耳も眼も達者なのだ。
諸侯の中に、聞こえよがしにイザベラに悪口陰口を叩いていた者がいる事、この耳で聞きこの眼で見ておる。
その者の顔は覚えておるし、名も分かっておる。
反省しているのなら、朕に処断される前に謹慎せよ。
家族や一門の中に悪口陰口を口にした者がいるのなら、その者を処分したうえで、皇太子妃イザベラに詫びを入れよ。
さもなくばゴンサロどうよう朕直々に処断してくれる!」
ああ、皇帝陛下が私をかばってくださっているのでしょうか?
それとも私に敵意や憎しみが向くように仕向けられておられるのでしょうか?
何とも判断に困ります。
ルーカスに皇位を譲るのは、ゴンサロのような分を弁えぬ愚か者が増えたから、上皇となって成敗してやろうと思ったからじゃ。
だがそれでは皇帝の権威が低下し、上皇が皇帝に成り代わるだけだと気がついた。
よって朕の隠居とルーカスへの皇位の譲位は中止じゃ。
だがルーカスに権力を集めることは当初の予定通り行う。
今までの皇太子に加え、丞相の地位を与え、司徒・司空・太尉の上位とする。
さらに今までの皇太子領に加え、ガイルランド領を与え王に封じる」
皇帝陛下のお言葉に圧倒されます。
皇国はヴェイン王国と違って盤石な体制だと思っていたのですが、そうではないのかもしれません。
それとも、盤石な体制を維持するために、実害がでる前にてこ入れしようとされておられるのでしょうか?
どちらにしても、ルーカス様は今まで以上に力を持たれることになります。
今までは皇帝陛下の権威と力を背景にした、皇太子としての力でした。
ですがこれからは、皇太子としての力に加えて、ガイルランドの王としての権威と戦力を保有することになります。
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三千万石の国が防衛戦争に動員できる戦力は、百五十万兵にも及びます。
長期外征に動員できる兵力は三十万兵です。
この数はヴェイン王国の三倍です。
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だからといってヴェイン王国が弱小国というわけではありません。
周辺国の中では平均的な国力を誇っています。
辺境の小国の中には、生産力が百万石に満たない国もあります。
国王を自称してはいませんが、どこにも臣従していない独立独歩の地方領主の中には、十万石程度の領主もいるのです。
「それとだ!
朕はまだ耳も眼も達者なのだ。
諸侯の中に、聞こえよがしにイザベラに悪口陰口を叩いていた者がいる事、この耳で聞きこの眼で見ておる。
その者の顔は覚えておるし、名も分かっておる。
反省しているのなら、朕に処断される前に謹慎せよ。
家族や一門の中に悪口陰口を口にした者がいるのなら、その者を処分したうえで、皇太子妃イザベラに詫びを入れよ。
さもなくばゴンサロどうよう朕直々に処断してくれる!」
ああ、皇帝陛下が私をかばってくださっているのでしょうか?
それとも私に敵意や憎しみが向くように仕向けられておられるのでしょうか?
何とも判断に困ります。
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