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第1章
第63話:暗殺未遂
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神歴1817年皇歴213年7月20日バカン辺境伯家領都領城:ロジャー皇子視点
「クソが、直ぐに皇都に戻る、母上を毒殺しようとしやがった!」
「え、グレイシーが、妃殿下が狙われたのですか?!」
スレッガー叔父上の顔色が一瞬で変わった。
「俺は病気で寝込む、適当な奴に影武者をさせても良い。
他の連中にはここにいると思わせろ」
「分かりました、任せてください!」
怒りのままに、ソニックムーブを起こさないギリギリの時速1000kmで駆け、山も川も中小の魔境も突っ切って皇都に向かった。
魔境、山、川を迂回して造られた街道を使わなければ、皇都まで1000kmくらいなので、時間を短宿できる。
邪魔するモンスターは周囲に展開させている風魔術で瞬殺した。
死骸など確認する事もなくストレージに自動収集されていく。
1時間で皇都の城壁を飛び越えて皇城の城門前にたどり着いた。
「第14皇子ロジャーである、母上と弟が刺客に襲われた!
急ぎ解毒剤を渡さねばならない、直ぐに城門を開けろ!
邪魔する者は、キャバン選帝侯たちの手先として殺す!」
「殿下、殿下はバカン辺境伯領に行かれているはずです!」
「俺の顔を見ても邪魔するか、死ね!」
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
俺は選帝侯たちの影響が強い正門を選んで城内に入ろうとした。
最初から邪魔されるのが分かっていて正門を選んだのだ。
ここで問題を起こせば内々で済ます事ができなくなる。
短剣を持った刺客に襲われただけでなく、毒まで盛られたのだ。
怒りの余りもう手加減などできない、手先は小者であろうと殺す!
側妃と皇女と2人の皇子を殺そうとしたのだ。
貴族士族内だけでなく、皇都の平民にも知られたら隠しようがない。
皇国の歴史に主殺し一味として記録され、子々孫々永遠に蔑まれろ!
「殿下、お怒りはごもっともなれど、少しだけお待ちを!」
「下がれ卑怯者、主殺しの手先など目の端に捕らえるのも汚らわしい!」
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
屍山血河という四文字熟語を現実に当てはめた状況を作りながら、皇城を奥へ奥へと押し入り、少しでも前をさえぎる者は殺した。
今回は、どこか冷めた頭で、風魔術を使って殺している。
焼死体や魔力塊で叩き殺した死体では、脅しに欠けると思っていた。
四肢と首を切断された、大量の身体が血の海に沈んでいる。
これこそが、憶病な皇帝と卑怯下劣な選帝侯たちへの脅しなる。
そう計算して風魔術で邪魔する連中を皆殺しいる。
「ヒィイイイイイ、逃げろ、殿下が、ロジャー殿下が復讐に来られた」
「復讐だ、ロジャー殿下の復讐だ!」
「近づくな、選帝侯たちに近づいたら巻き添えを食うぞ!」
「選帝侯一味を追い出せ、選帝侯一味を部屋から追いだせ!」
皇城に詰めている貴族や士族で、日頃から選帝侯たちにすり寄って利益を得ていた連中が、上手く立ち回れなかった連中に部屋から叩き出されている。
この機会を利用して、これまで利益を得ていた者を俺に殺させるつもりなのだ。
どいつもこいつも腐り切ってやがる。
だがそれも当然といえば当然で、誇り高く賄賂を贈らない者は、利がある役や楽な役にはつけないのだ。
皇城内の役目についている時点で、立ち回りが上手いか下手の差があるだけで、選帝侯たちの誰かに賄賂を送っている、恥さらしな連中なのだ。
それでも、間違って誇り高い漢を殺してしまわないようした。
以前から何度も確かめていた、選帝侯一味の顔と一致するか慎重に思い出す。
わずかでも不安がある者は見逃して殺さない、後で殺せばいいだけだ。
確実に顔や特徴が一致する者だけを風魔術で虐殺する。
それに、慎重に確かめても10人に9人は殺している。
「「「「「ヒィイイイイイ!」」」」」
「待て、待たないと殺す、皇帝陛下は後宮に逃げ込まれたのか?」
後宮に近い場所を守っている近衛騎士たちに聞いた。
「はい、はい、はい、後宮に逃げ込まれました!」
「グレイシー妃殿下のところです、ロジャー殿下のお怒りからかばってもらおうと、妃殿下の所に逃げ込まれました!」
いい年をした男が、それも皇帝ともあろう者が、女のスカートの影に隠れるとは、恥知らずにも程がある!
そんな奴が実の父親とは、情けなくて涙も流れない!
「選帝侯たちはどこにいる、まさか後宮に逃げ込んだのではないだろうな?!」
「……」
「バカ者、それでもお前たちは後宮を守る近衛騎士か!
選帝侯であろうと、男を後宮に入れたら不義の疑いがかけられるのだぞ!
これから生まれる皇子皇女が、不義の疑いをかけられるのだぞ!
今直ぐ後宮に入って、選帝侯たちを殺すか追いだせ!」
「クソが、直ぐに皇都に戻る、母上を毒殺しようとしやがった!」
「え、グレイシーが、妃殿下が狙われたのですか?!」
スレッガー叔父上の顔色が一瞬で変わった。
「俺は病気で寝込む、適当な奴に影武者をさせても良い。
他の連中にはここにいると思わせろ」
「分かりました、任せてください!」
怒りのままに、ソニックムーブを起こさないギリギリの時速1000kmで駆け、山も川も中小の魔境も突っ切って皇都に向かった。
魔境、山、川を迂回して造られた街道を使わなければ、皇都まで1000kmくらいなので、時間を短宿できる。
邪魔するモンスターは周囲に展開させている風魔術で瞬殺した。
死骸など確認する事もなくストレージに自動収集されていく。
1時間で皇都の城壁を飛び越えて皇城の城門前にたどり着いた。
「第14皇子ロジャーである、母上と弟が刺客に襲われた!
急ぎ解毒剤を渡さねばならない、直ぐに城門を開けろ!
邪魔する者は、キャバン選帝侯たちの手先として殺す!」
「殿下、殿下はバカン辺境伯領に行かれているはずです!」
「俺の顔を見ても邪魔するか、死ね!」
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
俺は選帝侯たちの影響が強い正門を選んで城内に入ろうとした。
最初から邪魔されるのが分かっていて正門を選んだのだ。
ここで問題を起こせば内々で済ます事ができなくなる。
短剣を持った刺客に襲われただけでなく、毒まで盛られたのだ。
怒りの余りもう手加減などできない、手先は小者であろうと殺す!
側妃と皇女と2人の皇子を殺そうとしたのだ。
貴族士族内だけでなく、皇都の平民にも知られたら隠しようがない。
皇国の歴史に主殺し一味として記録され、子々孫々永遠に蔑まれろ!
「殿下、お怒りはごもっともなれど、少しだけお待ちを!」
「下がれ卑怯者、主殺しの手先など目の端に捕らえるのも汚らわしい!」
「「「「「ギャアアアアア」」」」」
屍山血河という四文字熟語を現実に当てはめた状況を作りながら、皇城を奥へ奥へと押し入り、少しでも前をさえぎる者は殺した。
今回は、どこか冷めた頭で、風魔術を使って殺している。
焼死体や魔力塊で叩き殺した死体では、脅しに欠けると思っていた。
四肢と首を切断された、大量の身体が血の海に沈んでいる。
これこそが、憶病な皇帝と卑怯下劣な選帝侯たちへの脅しなる。
そう計算して風魔術で邪魔する連中を皆殺しいる。
「ヒィイイイイイ、逃げろ、殿下が、ロジャー殿下が復讐に来られた」
「復讐だ、ロジャー殿下の復讐だ!」
「近づくな、選帝侯たちに近づいたら巻き添えを食うぞ!」
「選帝侯一味を追い出せ、選帝侯一味を部屋から追いだせ!」
皇城に詰めている貴族や士族で、日頃から選帝侯たちにすり寄って利益を得ていた連中が、上手く立ち回れなかった連中に部屋から叩き出されている。
この機会を利用して、これまで利益を得ていた者を俺に殺させるつもりなのだ。
どいつもこいつも腐り切ってやがる。
だがそれも当然といえば当然で、誇り高く賄賂を贈らない者は、利がある役や楽な役にはつけないのだ。
皇城内の役目についている時点で、立ち回りが上手いか下手の差があるだけで、選帝侯たちの誰かに賄賂を送っている、恥さらしな連中なのだ。
それでも、間違って誇り高い漢を殺してしまわないようした。
以前から何度も確かめていた、選帝侯一味の顔と一致するか慎重に思い出す。
わずかでも不安がある者は見逃して殺さない、後で殺せばいいだけだ。
確実に顔や特徴が一致する者だけを風魔術で虐殺する。
それに、慎重に確かめても10人に9人は殺している。
「「「「「ヒィイイイイイ!」」」」」
「待て、待たないと殺す、皇帝陛下は後宮に逃げ込まれたのか?」
後宮に近い場所を守っている近衛騎士たちに聞いた。
「はい、はい、はい、後宮に逃げ込まれました!」
「グレイシー妃殿下のところです、ロジャー殿下のお怒りからかばってもらおうと、妃殿下の所に逃げ込まれました!」
いい年をした男が、それも皇帝ともあろう者が、女のスカートの影に隠れるとは、恥知らずにも程がある!
そんな奴が実の父親とは、情けなくて涙も流れない!
「選帝侯たちはどこにいる、まさか後宮に逃げ込んだのではないだろうな?!」
「……」
「バカ者、それでもお前たちは後宮を守る近衛騎士か!
選帝侯であろうと、男を後宮に入れたら不義の疑いがかけられるのだぞ!
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