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第一章
第6話:仇討ち
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城壁登りと連携を極めるために、二カ月を使いました。
サリーという新人が入った事で、全暗殺者二百人が連携を極めるためには、どうしても必要だった時間だが、彼らはその時間を無駄にはしなかった。
徹底した調査を再度した事で、リアナ殺しを確実にするための要を見つけた。
「本当に私は責任をとらなくてもいいのか?」
悪女リアナ王妃の剣であり盾でもある切り札、ダーシィがサリーに聞く。
彼女こそがリアナ殺しを成功させるための要だった。
ダーシィが最後まで抵抗したら、ライラ暗殺団にも多くの犠牲が出ただろう。
時間稼ぎをされているうちに、リアナに逃げられる可能性も皆無ではない。
それどころか、潜入早々に発見される可能性すらあった。
「恨みが全くないわけじゃないけど、あんたはやらされただけだ、だから我慢する。
でも私の目につく範囲には入らないで。
それと、私に暗殺依頼が入るような事はしないで」
ライラ暗殺団は最初にシワシン侯爵家を襲撃して、ダーシィの弟アーチーを確保し、姉弟の解放を条件に裏切りを要求していた。
シワシン侯爵家は元々裏家業をしていたので警備が厳重だったが、リアナ王妃の力を利用して悪事を重ねていたので、被害者の報復を考慮して王城の次に警備が厳重になっていた。
その為侵入ではなく強襲になったが、何とか犠牲者を出すことなくアーチーを確保することができていた。
「分かった、裏仕事でしか生きていく事はできないが、目立たないようにしよう」
ダーシィも闇の中で裏仕事を重ねてきた女だ。
自分が何を要求されているかくらいは分かっていた。
後宮内でのダーシィの権力は絶大で、リアナ王妃の寝室近くにまでは自由に入れるが、最後の最後は近づくことができない。
リアナ王妃は恐ろしく猜疑心が強く、アーチーを人質にしていても、ダーシィを警戒していたのだ。
だが、後宮の最奥まで近づくことができれば後は強襲すればいい。
ダーシィから抜け道に続く脱出口は確認してある。
その場所は、歴代の密偵が調べていた場所と同じだった。
リアナ王妃の代になって新たに作らさせていなければ、逃げ道には伏兵を置いているから心配はない。
サリーは寝室につながるドアを次々と破壊して、淫臭に満ちた部屋に飛び込んだ。
部屋の中には、獣のように愛欲に耽っている国王と王妃がいた。
「私はミネバ王妃の娘サリー王女。
母を殺し民を殺し己の欲望を満たす下種ども、死ね!」
恨む相手とはいえ、ライラに仕込まれた流儀を曲げるサリーではなかった。
苦しませることなく、一刀を左右に振るい、一撃で喉を掻き切った。
万が一のことを考え、そのまま流れるように二人の心臓を突いた。
実の父親であろうと、許しはしなかった。
サリーという新人が入った事で、全暗殺者二百人が連携を極めるためには、どうしても必要だった時間だが、彼らはその時間を無駄にはしなかった。
徹底した調査を再度した事で、リアナ殺しを確実にするための要を見つけた。
「本当に私は責任をとらなくてもいいのか?」
悪女リアナ王妃の剣であり盾でもある切り札、ダーシィがサリーに聞く。
彼女こそがリアナ殺しを成功させるための要だった。
ダーシィが最後まで抵抗したら、ライラ暗殺団にも多くの犠牲が出ただろう。
時間稼ぎをされているうちに、リアナに逃げられる可能性も皆無ではない。
それどころか、潜入早々に発見される可能性すらあった。
「恨みが全くないわけじゃないけど、あんたはやらされただけだ、だから我慢する。
でも私の目につく範囲には入らないで。
それと、私に暗殺依頼が入るような事はしないで」
ライラ暗殺団は最初にシワシン侯爵家を襲撃して、ダーシィの弟アーチーを確保し、姉弟の解放を条件に裏切りを要求していた。
シワシン侯爵家は元々裏家業をしていたので警備が厳重だったが、リアナ王妃の力を利用して悪事を重ねていたので、被害者の報復を考慮して王城の次に警備が厳重になっていた。
その為侵入ではなく強襲になったが、何とか犠牲者を出すことなくアーチーを確保することができていた。
「分かった、裏仕事でしか生きていく事はできないが、目立たないようにしよう」
ダーシィも闇の中で裏仕事を重ねてきた女だ。
自分が何を要求されているかくらいは分かっていた。
後宮内でのダーシィの権力は絶大で、リアナ王妃の寝室近くにまでは自由に入れるが、最後の最後は近づくことができない。
リアナ王妃は恐ろしく猜疑心が強く、アーチーを人質にしていても、ダーシィを警戒していたのだ。
だが、後宮の最奥まで近づくことができれば後は強襲すればいい。
ダーシィから抜け道に続く脱出口は確認してある。
その場所は、歴代の密偵が調べていた場所と同じだった。
リアナ王妃の代になって新たに作らさせていなければ、逃げ道には伏兵を置いているから心配はない。
サリーは寝室につながるドアを次々と破壊して、淫臭に満ちた部屋に飛び込んだ。
部屋の中には、獣のように愛欲に耽っている国王と王妃がいた。
「私はミネバ王妃の娘サリー王女。
母を殺し民を殺し己の欲望を満たす下種ども、死ね!」
恨む相手とはいえ、ライラに仕込まれた流儀を曲げるサリーではなかった。
苦しませることなく、一刀を左右に振るい、一撃で喉を掻き切った。
万が一のことを考え、そのまま流れるように二人の心臓を突いた。
実の父親であろうと、許しはしなかった。
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