前世水乙女の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されました。

「余はカチュアとの婚約を破棄する」
 王太子殿下に一方的に婚約を破棄されたのは、公爵家令嬢のカチュア・サライダだった。
 彼女は前世の記憶を持って転生した、水乙女という、オアシス王国にはなくてはならない存在だった。
 精霊に祈りを捧げ、水を湧かせてもらわないと、国が亡ぶのだ。
 だが事情があって、カチュアは自分は水乙女であることを黙っていた。
 ただ、愛する人や民の為に祈り続けていた。
 カチュアとの婚約解消を言い放った王太子殿下は、自分に相応しい相手は水乙女しかいないと、一人の女性を側に侍らせるのだった。
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