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村3
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「あんたいったい何者だ!」
「元アリステラ王国の部屋住み士族だよ」
「なんだと!?」
「何を驚いている」
「アリステラ王国のような豊かな国の士族が、何を好き好んでネッツェ王国の傭兵になどなったのだ」
「一旗揚げたいのさ」
「仕官先ならアリステラ王国にもあるだろう」
「アリステラ王国は平和だから、中々仕官先などないのさ」
「だが仕事ならあるのだろう」
「命懸けではあるが、魔境やダンジョンに入る冒険者や狩人の仕事ならいくらでもある」
「だったらアリステラ王国に残っていればいいだろう。他の国の戦争に手を貸して領地を得ようなどとしたら、国の親兄弟に類が及ぶのではないのか?」
「王国には許可をもらっているよ。王国の方でも、ネッツェ王国に貸しを作っておきたいようだ」
「それは、イマーン王国にも影響力を持っておきたいという事か」
「そうだよ。だからこの村に力を貸すのさ」
「では我々も割り切って考えていいのだな」
「ああ、そうだ。借りを作ったとは思ってもらいたいが、重く考えすぎなくてもいい」
「だが、国を売ることになる」
「その前に国がこの村を、いや、多くの国民を切り捨てている」
「そう、だな。我々より先に国が我々民を見捨てたのだったな」
「理解してくれたのなら、急いで移民する準備をしてくれ」
「分かった」
俺は村長達の前で土魔法を駆使した。
村の周囲の地面を大きく移動させたのだ。
直径百メートルの円形敷地を中心に残し、その外側に空濠と土塁を創り出した。
空濠の幅と深さは三十メートルもあり、どこの巨城の濠かと見間違うほどだ。
空濠を創り出すために移動させた土は、高さと幅が三十メートルある土塁にした。
崩れないように多少圧縮強化したので、土塁より外側にあり、量が多かった土が減っている。
土塁の外側は、敵に攻め込まれないように垂直に切り立っている。
一方内側は味方が駆け登れるように、なだらかな階段がいくつも設けられている。
そんなものを目の前で一瞬に創り出されたのだから、村長以下の村人が腰を抜かさんばかりに驚くのは仕方がない。
まあだからこそ、俺の提案に素直に応じてくれたともいえる。
どれほど飢えに苦しんでいたとしても、普通はなかなか村を捨てる決断などできない。
だがこれほどの魔法を目の前で見せられたら、俺の言う事を信じたい気持ちになるのだろう。
例えそれが信じられないくらい好条件だったとしてもだ。
俺が彼らに与えるのは金と安全だ。
当面の生活資金を一般的な金利で貸し、俺の冒険者クランのメンバーに加え、冒険者としての基礎訓練をしてやる。
一方彼らが俺に渡す物は、彼らが逃げた後の村だ。
まあ、当然だか俺が貸した金の元利金は返済してもらう。
冒険者クランメンバーとして会費も納めてもらうが、これは一般常識だ。
大切なのは、俺達傭兵団が独力でイマーン王国内の村を切り取ったという実績だ。
そう、俺達がネッツェ王国軍として初めて、イマーン王国の領地に拠点を築いたのだ!
「元アリステラ王国の部屋住み士族だよ」
「なんだと!?」
「何を驚いている」
「アリステラ王国のような豊かな国の士族が、何を好き好んでネッツェ王国の傭兵になどなったのだ」
「一旗揚げたいのさ」
「仕官先ならアリステラ王国にもあるだろう」
「アリステラ王国は平和だから、中々仕官先などないのさ」
「だが仕事ならあるのだろう」
「命懸けではあるが、魔境やダンジョンに入る冒険者や狩人の仕事ならいくらでもある」
「だったらアリステラ王国に残っていればいいだろう。他の国の戦争に手を貸して領地を得ようなどとしたら、国の親兄弟に類が及ぶのではないのか?」
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「それは、イマーン王国にも影響力を持っておきたいという事か」
「そうだよ。だからこの村に力を貸すのさ」
「では我々も割り切って考えていいのだな」
「ああ、そうだ。借りを作ったとは思ってもらいたいが、重く考えすぎなくてもいい」
「だが、国を売ることになる」
「その前に国がこの村を、いや、多くの国民を切り捨てている」
「そう、だな。我々より先に国が我々民を見捨てたのだったな」
「理解してくれたのなら、急いで移民する準備をしてくれ」
「分かった」
俺は村長達の前で土魔法を駆使した。
村の周囲の地面を大きく移動させたのだ。
直径百メートルの円形敷地を中心に残し、その外側に空濠と土塁を創り出した。
空濠の幅と深さは三十メートルもあり、どこの巨城の濠かと見間違うほどだ。
空濠を創り出すために移動させた土は、高さと幅が三十メートルある土塁にした。
崩れないように多少圧縮強化したので、土塁より外側にあり、量が多かった土が減っている。
土塁の外側は、敵に攻め込まれないように垂直に切り立っている。
一方内側は味方が駆け登れるように、なだらかな階段がいくつも設けられている。
そんなものを目の前で一瞬に創り出されたのだから、村長以下の村人が腰を抜かさんばかりに驚くのは仕方がない。
まあだからこそ、俺の提案に素直に応じてくれたともいえる。
どれほど飢えに苦しんでいたとしても、普通はなかなか村を捨てる決断などできない。
だがこれほどの魔法を目の前で見せられたら、俺の言う事を信じたい気持ちになるのだろう。
例えそれが信じられないくらい好条件だったとしてもだ。
俺が彼らに与えるのは金と安全だ。
当面の生活資金を一般的な金利で貸し、俺の冒険者クランのメンバーに加え、冒険者としての基礎訓練をしてやる。
一方彼らが俺に渡す物は、彼らが逃げた後の村だ。
まあ、当然だか俺が貸した金の元利金は返済してもらう。
冒険者クランメンバーとして会費も納めてもらうが、これは一般常識だ。
大切なのは、俺達傭兵団が独力でイマーン王国内の村を切り取ったという実績だ。
そう、俺達がネッツェ王国軍として初めて、イマーン王国の領地に拠点を築いたのだ!
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