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第三章:天下統一
第130話:日本統一と将来1
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天文十九年(1551)4月2日:越中富山城:俺視点
晴景兄上だけでなく、四万兵以上を指揮する侍大将達が頑張ってくれた。
高齢にもかかわらず、良く戦ってくれた朝倉宗滴殿には、肥前までで侵攻を終えてもらい、築後国司に任じた。
朝倉宗滴殿を従五位上筑後守に任じた。
国司権限として、嫡男を筑後権守、信頼する家臣を正六位下筑後介や筑後権介に任じられる。
他にも正七位下筑後掾一人と筑後権掾一人を任じられるようにした。
従八位下筑後目と官位のない筑後史生は人数制限なしに任じられるようにした。
更に続けて、 正五位上筑紫大宰府大弐に任じた。
九州全域と壱岐対馬多禰の三国、合計十二国の軍事と政治を任せた。
ただし、筑紫太宰帥である俺の代官として指揮する立場だ。
色々考えたが、太政大臣や摂政関白としてこの国を治めるのなら、征夷大将軍のような令外官を使わない方が良いという結論になった。
律令制の範囲で公家と武家を治める方法を考えた。
それが、日本を幾つかの軍管区に分けて、その全てに大宰府を置く事だ。
同じように地方に府を置いて治めるが、征夷大将軍、征東大将軍、征西大将軍、鎮守府将軍では、幕末の徳川家のような滅び方をしかねない。
問題は、軍の指揮をするうえで使い勝手の悪い五畿七道制だった。
五畿では他の道が叛乱を起こした時に国力兵力が足りない。
東海道と東山道では東西に細長過ぎる。
南海道には海を挟んだ淡路と紀伊が含まれていて、軍の単位に相応しくない。
将来の遷都も考えて、新しい道割を真剣に考えた。
特に重視したのが天正地震、慶長大地震、関東大震災、東南海地震、三河地震、阪神淡路大震災、東日本大震災、中南海地震だ。
京都は意外と大地震の損害を受けている。
津波の心配はないが、首都に相応しくない。
東京も同じだ、関東大震災と富士山の噴火を考えれば、首都に相応しくない。
副都を複数置くにしても、首都は天災の少ない場所が良い。
特に天正地震のような、広範囲に甚大な破壊をもたらす地震を想定すべきだ。
天正地震は越中、加賀、越前、飛騨、美濃、尾張、伊勢、近江、若狭、山城、大和にまたがって甚大な被害を及ぼし、豊臣秀吉は小牧長久手の戦いの雪辱に集めた軍勢を失い、徳川家康の討伐を諦めるくらい歴史を変えた大地震だ。
天正の地震は、確か一五八六年に発生していたと思う。
内裏の有る山城は勿論、大内裏のある越中にまで大きな被害を与えるだろう。
俺が覚えている被害では、近江長浜城が全壊して山内一豊の娘が圧死している。
越中では、木舟城が倒壊して城主の前田秀継夫妻以下多数の人間が死んでいる。
京でも東寺の講堂、灌頂院が破損し、三十三間堂では仏像六百体が倒れたはずだ。
地震と津波に加えて、第二次大戦の空襲も考えた。
東京や大阪を焼け野原にした大空襲に原爆の投下。
ドーリットル爆撃隊が日本本土を空襲して中国大陸に逃げた事も覚えている。
東西南北の高い場所にレーダーを設置して空襲に備えなければいけない。
同じように高い場所に高射砲群を設置して、敵の重爆撃機が首都を空爆できないようにする、どのような状況でも原爆の投下を阻止できるようにしなければならない!
日本で地震の心配がない場所などない、それは分かっている。
だが、俺が知る範囲で地震、噴火、津波の損害が少ない場所に首都は置きたい。
守り易く、発展できるだけの平野部も欲しい。
日本地図を思い出して、真剣に悩みに悩んで決めた場所、そこは岡山だ。
噴火の心配は少ないし、地震の被害も少ない。
中国山地と四国山地にレーダーと高射砲の基地を設置できる。
そういう基準で新しい道割をした。
九畿 :大和、山城、摂津、河内、和泉、近江、若狭、紀伊、伊賀
西海道:筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、薩摩、大隅
:壱岐、対馬、多禰
南海道:長門、周防、石見、安芸、出雲、備後、備中、備前、伯耆、美作
:土佐、伊予、阿波、讃岐、
南山道:丹波、丹後、但馬、因幡、播磨、淡路
東海道:伊勢、志摩、尾張、美濃、三河、遠江、駿河、伊豆、甲斐
北陸道:越前、加賀、越中、能登、越後、佐渡、飛騨、信濃
関東道:相模、武蔵、上総、下総、安房、上野、下野、常陸
東山道:岩城、磐城、羽前、羽後、陸前、陸中、陸奥
北海道:渡島、後志、胆振、日高、石狩、天塩、北見、十勝、釧路、根室
千島道:色丹、国後、択捉、得撫、新知、幌筵
樺太道:豊原、大泊、留多加、真岡、本斗、泊居、鵜城、敷香、元泊
:倍加留、奥端、鉾部、縫江、弥勒、落石、対毛、
信濃は木曽と伊奈を分けて別の国にしたかったのだが、諦めた。
日本海と太平洋の近さ、木曽山脈や赤石山脈を考えて、諏訪郡と伊那郡は甲斐の国に編入させたかったのだが、後の世の課題とした。
北海道と千島、樺太は前世の知識だけで大雑把な国割をした。
実際には現地で暮らしているアイヌと話し合わなければならない。
河川や山脈だけで国割するのではなく、部族の縄張りを考えないといけない。
南方から来る南蛮人に対抗するだけでは未来の日本は守り切れない。
北から襲いかかってくるロシア人にも対抗しなければいけない。
大陸にまで侵攻する気はないが、樺太と千島は死守したい。
その為にも、水軍改め海軍には頑張ってもらわなければならない。
アイヌを始めとした北の民との友好を築き、平和裏に開拓団を送りたい。
その為にも、天災が起きたら壊滅するような場所に首都は置けない!
首都は南海道の備中国倉敷に築く。
日本全体では西に、南海道では東に寄り過ぎているが、敵の爆撃機だけでなく潜水艦の奇襲まで考えれば、一番良いと思う。
晴景兄上だけでなく、四万兵以上を指揮する侍大将達が頑張ってくれた。
高齢にもかかわらず、良く戦ってくれた朝倉宗滴殿には、肥前までで侵攻を終えてもらい、築後国司に任じた。
朝倉宗滴殿を従五位上筑後守に任じた。
国司権限として、嫡男を筑後権守、信頼する家臣を正六位下筑後介や筑後権介に任じられる。
他にも正七位下筑後掾一人と筑後権掾一人を任じられるようにした。
従八位下筑後目と官位のない筑後史生は人数制限なしに任じられるようにした。
更に続けて、 正五位上筑紫大宰府大弐に任じた。
九州全域と壱岐対馬多禰の三国、合計十二国の軍事と政治を任せた。
ただし、筑紫太宰帥である俺の代官として指揮する立場だ。
色々考えたが、太政大臣や摂政関白としてこの国を治めるのなら、征夷大将軍のような令外官を使わない方が良いという結論になった。
律令制の範囲で公家と武家を治める方法を考えた。
それが、日本を幾つかの軍管区に分けて、その全てに大宰府を置く事だ。
同じように地方に府を置いて治めるが、征夷大将軍、征東大将軍、征西大将軍、鎮守府将軍では、幕末の徳川家のような滅び方をしかねない。
問題は、軍の指揮をするうえで使い勝手の悪い五畿七道制だった。
五畿では他の道が叛乱を起こした時に国力兵力が足りない。
東海道と東山道では東西に細長過ぎる。
南海道には海を挟んだ淡路と紀伊が含まれていて、軍の単位に相応しくない。
将来の遷都も考えて、新しい道割を真剣に考えた。
特に重視したのが天正地震、慶長大地震、関東大震災、東南海地震、三河地震、阪神淡路大震災、東日本大震災、中南海地震だ。
京都は意外と大地震の損害を受けている。
津波の心配はないが、首都に相応しくない。
東京も同じだ、関東大震災と富士山の噴火を考えれば、首都に相応しくない。
副都を複数置くにしても、首都は天災の少ない場所が良い。
特に天正地震のような、広範囲に甚大な破壊をもたらす地震を想定すべきだ。
天正地震は越中、加賀、越前、飛騨、美濃、尾張、伊勢、近江、若狭、山城、大和にまたがって甚大な被害を及ぼし、豊臣秀吉は小牧長久手の戦いの雪辱に集めた軍勢を失い、徳川家康の討伐を諦めるくらい歴史を変えた大地震だ。
天正の地震は、確か一五八六年に発生していたと思う。
内裏の有る山城は勿論、大内裏のある越中にまで大きな被害を与えるだろう。
俺が覚えている被害では、近江長浜城が全壊して山内一豊の娘が圧死している。
越中では、木舟城が倒壊して城主の前田秀継夫妻以下多数の人間が死んでいる。
京でも東寺の講堂、灌頂院が破損し、三十三間堂では仏像六百体が倒れたはずだ。
地震と津波に加えて、第二次大戦の空襲も考えた。
東京や大阪を焼け野原にした大空襲に原爆の投下。
ドーリットル爆撃隊が日本本土を空襲して中国大陸に逃げた事も覚えている。
東西南北の高い場所にレーダーを設置して空襲に備えなければいけない。
同じように高い場所に高射砲群を設置して、敵の重爆撃機が首都を空爆できないようにする、どのような状況でも原爆の投下を阻止できるようにしなければならない!
日本で地震の心配がない場所などない、それは分かっている。
だが、俺が知る範囲で地震、噴火、津波の損害が少ない場所に首都は置きたい。
守り易く、発展できるだけの平野部も欲しい。
日本地図を思い出して、真剣に悩みに悩んで決めた場所、そこは岡山だ。
噴火の心配は少ないし、地震の被害も少ない。
中国山地と四国山地にレーダーと高射砲の基地を設置できる。
そういう基準で新しい道割をした。
九畿 :大和、山城、摂津、河内、和泉、近江、若狭、紀伊、伊賀
西海道:筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、薩摩、大隅
:壱岐、対馬、多禰
南海道:長門、周防、石見、安芸、出雲、備後、備中、備前、伯耆、美作
:土佐、伊予、阿波、讃岐、
南山道:丹波、丹後、但馬、因幡、播磨、淡路
東海道:伊勢、志摩、尾張、美濃、三河、遠江、駿河、伊豆、甲斐
北陸道:越前、加賀、越中、能登、越後、佐渡、飛騨、信濃
関東道:相模、武蔵、上総、下総、安房、上野、下野、常陸
東山道:岩城、磐城、羽前、羽後、陸前、陸中、陸奥
北海道:渡島、後志、胆振、日高、石狩、天塩、北見、十勝、釧路、根室
千島道:色丹、国後、択捉、得撫、新知、幌筵
樺太道:豊原、大泊、留多加、真岡、本斗、泊居、鵜城、敷香、元泊
:倍加留、奥端、鉾部、縫江、弥勒、落石、対毛、
信濃は木曽と伊奈を分けて別の国にしたかったのだが、諦めた。
日本海と太平洋の近さ、木曽山脈や赤石山脈を考えて、諏訪郡と伊那郡は甲斐の国に編入させたかったのだが、後の世の課題とした。
北海道と千島、樺太は前世の知識だけで大雑把な国割をした。
実際には現地で暮らしているアイヌと話し合わなければならない。
河川や山脈だけで国割するのではなく、部族の縄張りを考えないといけない。
南方から来る南蛮人に対抗するだけでは未来の日本は守り切れない。
北から襲いかかってくるロシア人にも対抗しなければいけない。
大陸にまで侵攻する気はないが、樺太と千島は死守したい。
その為にも、水軍改め海軍には頑張ってもらわなければならない。
アイヌを始めとした北の民との友好を築き、平和裏に開拓団を送りたい。
その為にも、天災が起きたら壊滅するような場所に首都は置けない!
首都は南海道の備中国倉敷に築く。
日本全体では西に、南海道では東に寄り過ぎているが、敵の爆撃機だけでなく潜水艦の奇襲まで考えれば、一番良いと思う。
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