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第1章
第34話:ダンジョン・アタッカー
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ガニラス王国歴二七三年八月二三日
王都・西地区・ダンジョン内
田中実視点
俺はルイジャイアンの願い通り、騎士団員全員に呪いの印を刻んだ。
団員の大半が拒んで退団するだろうと思っていたのだが、違った。
「ミノルはまだこの世界の事が分かっていないな。
弱小とはいえ、貴族家や騎士家に生まれたのに、金や実力の問題で爵位を失って平民にならなければいけないと諦めていた連中が、騎士になれたのだ。
給料は多くの騎士団と同じなのに、肉が食べ放題の食事がただで支給される。
住む場所も広い個室が与えられ、家族が増えたら更に広い部屋に替われる。
団規を破らない限り発動しない呪いなど、何の問題もない。
そもそも、多くの騎士団では、団規を破ったら処刑されるのだぞ」
ルイジャイアンはそう言ったが、俺には理解できなかった。
肉が食べ放題というが、小型魔獣の素材を取る時に出る余り物だ。
騎士団員が交代でひき肉にしたり細切れにしたりして、食べ易くしているだけだ。
その小型の魔獣肉は、保管場所に困るくらい沢山ある。
祝福上げのために範囲魔術で皆殺しにした魔獣でも、価値の低い奴ばかりだ。
ミノル・タナカ城とドーナツ城の横穴を氷室にして保管していたが、ドーナツ城の横穴を商店と騎士団員の部屋にする事になり、保管場所に困るくらい余っていた。
慌ててルイジャイアン・パッタージ村に城壁を創って、何とか保管場所を確保しなければいけなかったくらい余っていた。
騎士団員に与えた部屋も、城壁内側の横穴でしかない。
それも、何かあった時に、直ぐに城壁回廊に駆け付けられるように、九階の縦横奥行五メートル四方を貸し与えているだけだ。
結婚して二人になった騎士団員には、夫婦それぞれに個室を与えられるように、八階の縦横五メートル奥行十メートルの部屋を与えているだけだ。
子供が二人以上生まれたり、一人っ子でも個室を与えるくらい大きくなった場合は、七階の縦横五メートル奥行十五メートルの部屋を与えるだけだ。
子沢山や両親と同居する者、弟妹を引き取って世話するような孝行者には、六階の縦横五メートル奥行二十メートルの部屋か、五階の縦横五メートル奥行二十五メートルの部屋を与える、たったそれだけの事だ。
まあ、多くの騎士団で団規を破ったら処刑されるというのなら、俺の呪いを刻むというのは、それほど障害にならないかもしれない。
だが、それでも、四千人がほぼ全員残るのには驚いた。
それだけの兵力があれば、安心してダンジョンに行ける。
江戸時代では、加賀前田家の大名行列が二千人ていどだ。
加賀前田家の正式な軍役が九七〇〇兵だから、その四割になる。
四十万石の大名に匹敵する兵力を持っている事になる。
そう思ったら、もう大丈夫だと安心できたのだ。
俺が不老不死ドロップを手に入れるためにダンジョンに潜っても、何の問題ないと理解できた。
「誰がミノルを独りで行かせると言った。
ちゃんと護衛と教師役を付ける。
ヴィオレッタはもちろん、レアテスも正式な騎士にして付ける。
弓騎兵から正式な騎士になったセオドアたちも付ける。
ヴィオレッタの身の回りを世話する女従騎士は四人に増やす
騎士団の平民兵士の中から、見所のある奴を二〇人ほど従騎士にして付ける。
ダンジョンで経験を積ませてやってくれ」
「教師役のセオドアたちを付けてくれるのはうれしい。
見所の有る平民を鍛えると言うのも良いだろう。
だが、同じ騎士家に嫁がせると言っていたヴィオレッタは問題があるだろう。
それに、レアテスはまだ十五歳と言っていなかったか?」
「ミノル、少しはこの世界の事、王侯貴族の事を覚える気になれ。
今の自分の立場をよく考えてみろ」
「王侯貴族と付き合う気はない、全部ルイジャイアンに任せる」
「任せると言うのなら、俺の言う通りにしろ」
「大抵の事は言う通りにするが、孫のようなヴィオレッタとレアテスの命と将来に責任はもてない!」
「ミノル、よく覚えておけ。
王城よりも堅固なミノル・タナカ城とドーナツ城を支配下に置き、辺境で一番繁栄するアーロン・パッタージ村まで支配しているんだ。
毎日王家よりも多くの利益があるんだ。
王侯貴族全てがミノルと縁を結ぼうとしているんだ。
最初に知り合って友となった俺が、何を企んでいるか分からない連中に、ミノルの妻の座を渡すと思っているのか?」
「……ちょっと待て、まさかヴィオレッタを俺と結婚させる気じゃないだろうな?」
「その気だが、何か問題でもあるのか?」
「ヴィオレッタは十七歳と言っていただろう、俺は六十前だぞ?!」
「だから、それがどうしたと言うのだ?」
「年齢が離れ過ぎている、非常識にも程がある。
こんな爺さんに嫁がされるヴィオレッタが可哀想すぎる!」
「最初に言っただろう、この世界の常識を覚えろ、王侯貴族の常識を覚えろ!
貴族の後妻が遥かに年下なのは普通の事だ。
老齢の夫が死んだら、そのまま安楽に暮らしても好いし、手切れ金をもらって気に入った男と結婚してもいい。
ましてミノルは不老不死になるのだろう。
五十歳どころか百歳二百歳年下でも問題ない」
「……それはそうかもしれないが、ヴィオレッタの気持ちはどうなる」
「王侯貴族に限らず、娘の結婚相手は親が決める。
親のいない娘は、親代わりの兄か親戚が結婚相手を決める。
家の利益を最優先する者もいるが、普通は娘が幸せになれる相手を選ぶ。
俺もヴィオレッタが幸せになれる相手としてミノルを選んだ、文句があるか?!」
そこまで言われたら俺も男だ、ヴィオレッタを連れて王都に行く決意をした。
そうして今、ダンジョンの深部でサブ・ドラゴンを狩っている。
王都・西地区・ダンジョン内
田中実視点
俺はルイジャイアンの願い通り、騎士団員全員に呪いの印を刻んだ。
団員の大半が拒んで退団するだろうと思っていたのだが、違った。
「ミノルはまだこの世界の事が分かっていないな。
弱小とはいえ、貴族家や騎士家に生まれたのに、金や実力の問題で爵位を失って平民にならなければいけないと諦めていた連中が、騎士になれたのだ。
給料は多くの騎士団と同じなのに、肉が食べ放題の食事がただで支給される。
住む場所も広い個室が与えられ、家族が増えたら更に広い部屋に替われる。
団規を破らない限り発動しない呪いなど、何の問題もない。
そもそも、多くの騎士団では、団規を破ったら処刑されるのだぞ」
ルイジャイアンはそう言ったが、俺には理解できなかった。
肉が食べ放題というが、小型魔獣の素材を取る時に出る余り物だ。
騎士団員が交代でひき肉にしたり細切れにしたりして、食べ易くしているだけだ。
その小型の魔獣肉は、保管場所に困るくらい沢山ある。
祝福上げのために範囲魔術で皆殺しにした魔獣でも、価値の低い奴ばかりだ。
ミノル・タナカ城とドーナツ城の横穴を氷室にして保管していたが、ドーナツ城の横穴を商店と騎士団員の部屋にする事になり、保管場所に困るくらい余っていた。
慌ててルイジャイアン・パッタージ村に城壁を創って、何とか保管場所を確保しなければいけなかったくらい余っていた。
騎士団員に与えた部屋も、城壁内側の横穴でしかない。
それも、何かあった時に、直ぐに城壁回廊に駆け付けられるように、九階の縦横奥行五メートル四方を貸し与えているだけだ。
結婚して二人になった騎士団員には、夫婦それぞれに個室を与えられるように、八階の縦横五メートル奥行十メートルの部屋を与えているだけだ。
子供が二人以上生まれたり、一人っ子でも個室を与えるくらい大きくなった場合は、七階の縦横五メートル奥行十五メートルの部屋を与えるだけだ。
子沢山や両親と同居する者、弟妹を引き取って世話するような孝行者には、六階の縦横五メートル奥行二十メートルの部屋か、五階の縦横五メートル奥行二十五メートルの部屋を与える、たったそれだけの事だ。
まあ、多くの騎士団で団規を破ったら処刑されるというのなら、俺の呪いを刻むというのは、それほど障害にならないかもしれない。
だが、それでも、四千人がほぼ全員残るのには驚いた。
それだけの兵力があれば、安心してダンジョンに行ける。
江戸時代では、加賀前田家の大名行列が二千人ていどだ。
加賀前田家の正式な軍役が九七〇〇兵だから、その四割になる。
四十万石の大名に匹敵する兵力を持っている事になる。
そう思ったら、もう大丈夫だと安心できたのだ。
俺が不老不死ドロップを手に入れるためにダンジョンに潜っても、何の問題ないと理解できた。
「誰がミノルを独りで行かせると言った。
ちゃんと護衛と教師役を付ける。
ヴィオレッタはもちろん、レアテスも正式な騎士にして付ける。
弓騎兵から正式な騎士になったセオドアたちも付ける。
ヴィオレッタの身の回りを世話する女従騎士は四人に増やす
騎士団の平民兵士の中から、見所のある奴を二〇人ほど従騎士にして付ける。
ダンジョンで経験を積ませてやってくれ」
「教師役のセオドアたちを付けてくれるのはうれしい。
見所の有る平民を鍛えると言うのも良いだろう。
だが、同じ騎士家に嫁がせると言っていたヴィオレッタは問題があるだろう。
それに、レアテスはまだ十五歳と言っていなかったか?」
「ミノル、少しはこの世界の事、王侯貴族の事を覚える気になれ。
今の自分の立場をよく考えてみろ」
「王侯貴族と付き合う気はない、全部ルイジャイアンに任せる」
「任せると言うのなら、俺の言う通りにしろ」
「大抵の事は言う通りにするが、孫のようなヴィオレッタとレアテスの命と将来に責任はもてない!」
「ミノル、よく覚えておけ。
王城よりも堅固なミノル・タナカ城とドーナツ城を支配下に置き、辺境で一番繁栄するアーロン・パッタージ村まで支配しているんだ。
毎日王家よりも多くの利益があるんだ。
王侯貴族全てがミノルと縁を結ぼうとしているんだ。
最初に知り合って友となった俺が、何を企んでいるか分からない連中に、ミノルの妻の座を渡すと思っているのか?」
「……ちょっと待て、まさかヴィオレッタを俺と結婚させる気じゃないだろうな?」
「その気だが、何か問題でもあるのか?」
「ヴィオレッタは十七歳と言っていただろう、俺は六十前だぞ?!」
「だから、それがどうしたと言うのだ?」
「年齢が離れ過ぎている、非常識にも程がある。
こんな爺さんに嫁がされるヴィオレッタが可哀想すぎる!」
「最初に言っただろう、この世界の常識を覚えろ、王侯貴族の常識を覚えろ!
貴族の後妻が遥かに年下なのは普通の事だ。
老齢の夫が死んだら、そのまま安楽に暮らしても好いし、手切れ金をもらって気に入った男と結婚してもいい。
ましてミノルは不老不死になるのだろう。
五十歳どころか百歳二百歳年下でも問題ない」
「……それはそうかもしれないが、ヴィオレッタの気持ちはどうなる」
「王侯貴族に限らず、娘の結婚相手は親が決める。
親のいない娘は、親代わりの兄か親戚が結婚相手を決める。
家の利益を最優先する者もいるが、普通は娘が幸せになれる相手を選ぶ。
俺もヴィオレッタが幸せになれる相手としてミノルを選んだ、文句があるか?!」
そこまで言われたら俺も男だ、ヴィオレッタを連れて王都に行く決意をした。
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