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イスパニア本格開戦

遠征計画

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1575年1月:薩摩一宇治城・本丸義信私室:鷹司義信

 さて、どうすべきか。
 信基、義正、義剛、信実、信友、勝虎に南方の統治をしてもらうのは既定路線だ。
 義近をオーストラリアに向かわすのは中止だ。
 もっと目に見える合戦で勝利させてやらないと、汚名を注ぐことは出来ない。
 祐長と虎綱には、もう少し最前線で戦ってもらう。
 可哀想だが、義近を総大将にするなら、しっかりとした副将が必要だ。
 信嘉には、もう少し罰を受けてもらう。
 武将として、もっと矢玉を潜り抜けてもらわないと、罰にはならない。

 攻め込む場所は、インドのゴアだ。
 まだイギリスもインドを植民地化していない。
 ポルトガルのゴアを攻め落とす。
 表向きポルトガルの拠点だが、ポルトガルはスペインの影響下にあるから、絶対に見逃せない。
 正確な年は分からないが、ポルトガル王がアフリカ遠征で行方不明になり、王家が絶えたはずだ。
 その後は、ポルトガルはスペイン王家の支配下に入ったと思う。
 歴史の流れは変わっているが、記憶にある流れを参考にすれば、ポルトガルとスペインは一体と考えておくべきだろう。
 アンダマン諸島とセイロン島に拠点を設けて、ゴアを占領する。
 ムガル帝国の出方次第だが、出来るだけ正面衝突は避ける。
 海上支配の為に必要な、良港とその周辺だけを確保できたら、後はスペイン・ポルトガル・イギリス・オランダを攻め滅ぼす事に力を入れる。

 問題は西伯利亜方面軍との連携だ。
 女真・モンゴル・ウィグル・チベットの支配が順調で、正規の武田軍をシベリアに集中させることが出来る。
 阿羅斯加から北米に分派した軍も、順調に亜米利加のネイティブアメリカンと友好関係を結びつつ、港や河川流域を支配下に置いている。
 だがそれでも、広大なシベリアの開発と、ウラルを越えてロシア帝国を滅ぼす事は、同時に行うのは難しい。
 南方侵攻が五年遅れた事で、武田王国の基盤は強固になったが、それでも完璧とは言い難い。
 まあ、インドで勝てたとしても、アフリカの喜望峰を越えなければヨーロッパには行けない。
 あまり焦る事もないのかもしれない。
 ウラル山脈を境界として、武田王国を発展させることに力を注ぐ方が、俺の好みには合っている。
 絶対に必要だと考えていた資源地帯は、ほぼ全て制圧出来た。
 将来石油や鉱物を他国に頼る必要はなくなった。
 
 これ以上の侵攻は、上昇志向の志願兵だけで編成した軍で行おう。
 内政が好きな者や安定志向の者は、日本・満州・阿拉斯加・台湾・西伯利亜・東南アジアに送り、内政にを中心に働かせればいい。
 疫病が苛烈な、南方やインド・アフリカには、その事を理解納得した者だけを送ろう。
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