64 / 99
第二章貴族偏
城伯5
しおりを挟む
「報告書にはなんて書いてあるんだい?」
義父からの報告書を読んでいると、ほぼ健康を取り戻されたドウラさんが話しかけてくれました。
私の築城を心配してくれています。
ありがたい話です。
「築城は順調に進んでいるようです。
とは言っても、家臣達は全員テント暮らしで、疲れがたまっているそうです。
早く主要な濠と城壁を完成させて、安全な部屋を確保したいとあります」
「義親父さんやお母さんはそっちにいるんだよな?」
「はい、二人は城代として領地に行ってくれています。
妹と弟は、こっちで文武の勉強をしています」
義父は皇室に仕える徒士でしたし、冒険者時代の実績もそれなりにありますから、冒険者を束ねることも、領地を管理することもできます。
母上も、実父義父と二つの徒士家の妻としての経験もあれば、冒険者時代の実績もありますから、十分義父の補佐くらいはできます。
築城家の指示通りに家臣を働かせて、ホセイ城伯家家臣団を束ねてくれます。
ですが、三人の妹と一人の弟を、あんなまだ何もない領地には行かせられません。
四人は皇都で文武に励んでもらいたかったのです。
ですが、それでは不用心過ぎると、皆に止められてしまいました。
特にレオン第四皇子には、人質にしようと悪巧みする者が現れると、厳しく注意されてしまいました。
ですが、私にも譲れない考えがあります。
私のせいで、店一つない築城中の辺境に、青春真っ盛り弟妹を、行かせるわけにはいきません。
私がそう言うと、レオン第四皇子が折れてくださいました。
魔都で生活させればいいという事でした。
確かに魔都なら大いに繁栄していて店も多いです。
文武の勉強をするにも最適です。
私が直接指導してあげる事もできます。
ジョージ様もマルティン様もおおいに賛成してくれて、レオン第四皇子付きの学者達から直接学べるように、色々と手配してくださいました。
レオン第四皇子が直々に許可してくださいましたから、間違いありません。
ホセイ家で新たに結成した、魔都駐屯の徒士団騎士団に預けて、魔獣を狩る実戦訓練の参加させることも可能です。
ゲイツクランで実績のある者を中心に、将来性のある若者達を魔都駐屯部隊に残しましたから、安心して弟妹を預けることができます。
「それじゃあ、そろそろ本気で属性竜を探すとするかね。
レオン殿下もかなり実力をつけている。
お付きの近衛騎士達も、逃げる時の囮くらいには使えるようになった。
私も八割は元通りに動ける」
いよいよです。
いよいよ三頭目の属性竜狩りです!
義父からの報告書を読んでいると、ほぼ健康を取り戻されたドウラさんが話しかけてくれました。
私の築城を心配してくれています。
ありがたい話です。
「築城は順調に進んでいるようです。
とは言っても、家臣達は全員テント暮らしで、疲れがたまっているそうです。
早く主要な濠と城壁を完成させて、安全な部屋を確保したいとあります」
「義親父さんやお母さんはそっちにいるんだよな?」
「はい、二人は城代として領地に行ってくれています。
妹と弟は、こっちで文武の勉強をしています」
義父は皇室に仕える徒士でしたし、冒険者時代の実績もそれなりにありますから、冒険者を束ねることも、領地を管理することもできます。
母上も、実父義父と二つの徒士家の妻としての経験もあれば、冒険者時代の実績もありますから、十分義父の補佐くらいはできます。
築城家の指示通りに家臣を働かせて、ホセイ城伯家家臣団を束ねてくれます。
ですが、三人の妹と一人の弟を、あんなまだ何もない領地には行かせられません。
四人は皇都で文武に励んでもらいたかったのです。
ですが、それでは不用心過ぎると、皆に止められてしまいました。
特にレオン第四皇子には、人質にしようと悪巧みする者が現れると、厳しく注意されてしまいました。
ですが、私にも譲れない考えがあります。
私のせいで、店一つない築城中の辺境に、青春真っ盛り弟妹を、行かせるわけにはいきません。
私がそう言うと、レオン第四皇子が折れてくださいました。
魔都で生活させればいいという事でした。
確かに魔都なら大いに繁栄していて店も多いです。
文武の勉強をするにも最適です。
私が直接指導してあげる事もできます。
ジョージ様もマルティン様もおおいに賛成してくれて、レオン第四皇子付きの学者達から直接学べるように、色々と手配してくださいました。
レオン第四皇子が直々に許可してくださいましたから、間違いありません。
ホセイ家で新たに結成した、魔都駐屯の徒士団騎士団に預けて、魔獣を狩る実戦訓練の参加させることも可能です。
ゲイツクランで実績のある者を中心に、将来性のある若者達を魔都駐屯部隊に残しましたから、安心して弟妹を預けることができます。
「それじゃあ、そろそろ本気で属性竜を探すとするかね。
レオン殿下もかなり実力をつけている。
お付きの近衛騎士達も、逃げる時の囮くらいには使えるようになった。
私も八割は元通りに動ける」
いよいよです。
いよいよ三頭目の属性竜狩りです!
0
お気に入りに追加
273
あなたにおすすめの小説
暁にもう一度
伊簑木サイ
ファンタジー
成り上がり貧乏辺境領主の後継者ソランは、金策のため、「第二王子を王太子になるよう説得できた者に望みの褒美をとらす」という王の頼みごとを引き受けた。
ところが、王子は女嫌いということで、女とばれないよう、性別を隠して仕えることになる。
ソランと、国のために死に場所を探している王子の、「死なせない」と「巻き込みたくない」から始まった主従愛は、いつしか絶対に失いたくない相手へと変わっていく。
けれど、絆を深めるほどに、古に世界に掛けられた呪いに、前世の二人が関わっていたと判明していき……。
『暁に、もう一度、あなたと』。数千年を越えて果たされる、愛と祈りの物語。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる