持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

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第二章貴族偏

研究

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 ドウラさんの一言で、厄竜研究家と呼ばれる人をはじめ、皇国のありとあらゆる研究者が集まり、二頭目の属性竜を研究を始めました。
 確かに厄竜の災害を防ぐためには、同等と呼ばれる属性竜を研究することは、とても重要な事です。
 初日は魔都にいる研究者だけでしたが、緊急の使者が皇都にも派遣されました。

 私達は気力を引き絞って、研究者の質問に答えました。
 いえ、研究者に答えた時には、ほぼ気力も回復していました。
 最初に答えたのは、魔都の公式記録係です。
 書記とか祐筆と呼ばれる人達です。
 できるだけ詳細に、細大漏らさず、誇大に表現せずに、正しく記録したようです。

 答える事で、私達も属性竜との戦いを振り返る事ができました。
 三度目の属性竜と戦う前に、どうすれば今回よりも簡単に狩ることができるか、改めて見つめ直すことができました。
 今後使うべき武器、新たな武器も思いつきました。
 その武器を有効的に使う戦い方も検討しました。

 新兵器と新戦法に関しては、レオン第四皇子も真剣に聞いておられました。
 聞いていただけではなく、積極的の試作すべく、皇国お抱えや御用の職人に強制命令をだされていました。
 今迄ゲイツクランでコツコツと造っていたのとは、全く違う速度と生産数でしたが、個々の性能までは負けるわけにはいきません。
 実際にルカも反骨心をもって製作してくれています。

「では皆がどれだけ身体強化したか披露してくれ。
 正直とても楽しみだよ」

 レオン第四皇子がとてもご機嫌です。
 私達が二頭目の属性竜を斃した翌日、もう大魔境検分という体裁を捨てて、私達の能力がどれほど向上したのか知りたいと、亜竜狩りを行いました。
 ですがレオン第四皇子を同行する以上、ぶっつけ本番というわけにはいきません。
 前夜に予習しています。
 身体強化した能力と頭を同調させ、連携も見直して数十頭の亜竜を狩っています。

 身体能力が向上しても、それを上手く使えなければ、今迄より弱くなってしまう事もあるのです。
 頭と体がバラバラでは、思わぬ攻撃を受けてしまう事があるのです。
 特に重要なのは、味方の動きを推測して、自分の行動を変える事です。
 想像以上の速さや強さで動かれてしまうと、全く連携していないのと同じです。
 パーティーとしては戦闘力が半減してしまう事すらあります。

 だからその微調整をするのに、睡眠時間を削って、事前調整したのです。
 個人の調整とパーティーの連携調整は、とても一晩でできる事ではありません。
 ですから、レオン第四皇子を死なさない事に重点を置いて調整しました。
 とても属性竜の相手ができる状態ではありませんので、探索はせず、確実ん狩れる亜竜種だけを狩る事にしました。
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