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第12話:第三者視点・救国への旅立ち
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セイラは一カ月かけて領地戻っていた。
王太子達を皆殺しにしたコスタラン馬達は、多くの馬を配下に加えて戻ってきた。
ウルスラとサリバンは、コスタラン馬達が王太子を殺しただろうと予測はしていたが、確証はもてないでいた。
それに、この件は御嬢様に知らせずに行ったことだったので、最初から確かめる事もしなかった。
全ては盗賊団を撃退した時の事故にする予定だった。
予定以外の大事件は、コスタラン馬達が一万を超える馬を集めてきてしまったことだった。
フェロウシャス・ビルをはじめとするコスタラン馬達は、御嬢様を護るため、御嬢様に喜んでもらうため、全ての馬を集めた。
確かに、御嬢様を襲う貴族士族盗賊の馬を奪うのはいいことだ。
だが庶民が農耕に使う馬を奪ってはいけなかった。
だが今更農耕馬に帰れと言っても、やっと農民から解放され自由を得た馬が聞くはずがなかった。
大きな体を縮めるようにしてセイラに叱られるコスタラン馬達は、とても可愛く見えた。
セイラを迎えたコスタラン伯爵家一族は当初困惑した。
セイラだけでなく、ウルスラとサリバンの話も聞いたコスタラン伯爵家の一族は、王国への忠誠心と貴族の誇りの折り合いをつけるのに悩んだが、直ぐに王家に仕える前から守ってきた家訓、貴族の誇り優先する決断をした。
王家が攻め込んで来たら領民を護るために戦う決意をしたのだ。
だが王家も王家の命を受けた諸侯軍も攻め込んでこなかった。
それどころか、近隣の領民がコスタラン伯爵領に逃げ込んできた。
話を聞くと、領主やその家臣が獣に襲われ、皆殺しになっていると言う。
領主や家臣だけでなく、盗賊や悪徳商人、素行の悪かった農民まで獣に襲われ喰い殺されていると言うのだ。
セイラがコスタラン伯爵領に逃げ戻ってから半年が過ぎると、王都から遠く離れたコスタラン伯爵領にも王都の噂が伝わってきた。
聖獣によって王族や貴族士族が皆殺しされ、王都は無政府状態になっていると言うのだ。
だからといって民が略奪に走っているというわけでもない。
確かにこれ幸いと略奪を始める者はいたが、そんな人間はことごとく獣に食い殺されるのだと言う。
王家と貴族が滅んだと言う噂を聞いた隣国が攻め込んできたが、全ての軍馬に裏切られた。
騎士が落馬させられた上に踏み殺され、さらに獣の襲撃で全滅させられた。
それは隣国の正規軍に留まらず、盗賊団や盗賊と化した傭兵団も同じだった。
「父上、母上、兄上、王都に行って参ります」
「無理をするのではありませんよ。
生きていなければ、民を救う事はできないのです。
民を救うため、必ず生き残れる策を選ぶのです」
「はい、母上」
セイラは、民を救うため、王都に向けて旅立つ。
王族と呼べる血族は根絶やしになっていた。
唯一王族と言えるのは、王太子の婚約者だったセイラだけだった。
王太子や王には婚約破棄されていたが、民は誰もその事を知らない。
成獣が認めれば、女王に戴冠できるのだ。
女王になれば、多くの民を救う事ができる。
セイラに付き従うのはウルスラとサリバン、五人の修道女。
そして五頭のコスタラン馬と馬車を牽く輓馬達だった。
王太子達を皆殺しにしたコスタラン馬達は、多くの馬を配下に加えて戻ってきた。
ウルスラとサリバンは、コスタラン馬達が王太子を殺しただろうと予測はしていたが、確証はもてないでいた。
それに、この件は御嬢様に知らせずに行ったことだったので、最初から確かめる事もしなかった。
全ては盗賊団を撃退した時の事故にする予定だった。
予定以外の大事件は、コスタラン馬達が一万を超える馬を集めてきてしまったことだった。
フェロウシャス・ビルをはじめとするコスタラン馬達は、御嬢様を護るため、御嬢様に喜んでもらうため、全ての馬を集めた。
確かに、御嬢様を襲う貴族士族盗賊の馬を奪うのはいいことだ。
だが庶民が農耕に使う馬を奪ってはいけなかった。
だが今更農耕馬に帰れと言っても、やっと農民から解放され自由を得た馬が聞くはずがなかった。
大きな体を縮めるようにしてセイラに叱られるコスタラン馬達は、とても可愛く見えた。
セイラを迎えたコスタラン伯爵家一族は当初困惑した。
セイラだけでなく、ウルスラとサリバンの話も聞いたコスタラン伯爵家の一族は、王国への忠誠心と貴族の誇りの折り合いをつけるのに悩んだが、直ぐに王家に仕える前から守ってきた家訓、貴族の誇り優先する決断をした。
王家が攻め込んで来たら領民を護るために戦う決意をしたのだ。
だが王家も王家の命を受けた諸侯軍も攻め込んでこなかった。
それどころか、近隣の領民がコスタラン伯爵領に逃げ込んできた。
話を聞くと、領主やその家臣が獣に襲われ、皆殺しになっていると言う。
領主や家臣だけでなく、盗賊や悪徳商人、素行の悪かった農民まで獣に襲われ喰い殺されていると言うのだ。
セイラがコスタラン伯爵領に逃げ戻ってから半年が過ぎると、王都から遠く離れたコスタラン伯爵領にも王都の噂が伝わってきた。
聖獣によって王族や貴族士族が皆殺しされ、王都は無政府状態になっていると言うのだ。
だからといって民が略奪に走っているというわけでもない。
確かにこれ幸いと略奪を始める者はいたが、そんな人間はことごとく獣に食い殺されるのだと言う。
王家と貴族が滅んだと言う噂を聞いた隣国が攻め込んできたが、全ての軍馬に裏切られた。
騎士が落馬させられた上に踏み殺され、さらに獣の襲撃で全滅させられた。
それは隣国の正規軍に留まらず、盗賊団や盗賊と化した傭兵団も同じだった。
「父上、母上、兄上、王都に行って参ります」
「無理をするのではありませんよ。
生きていなければ、民を救う事はできないのです。
民を救うため、必ず生き残れる策を選ぶのです」
「はい、母上」
セイラは、民を救うため、王都に向けて旅立つ。
王族と呼べる血族は根絶やしになっていた。
唯一王族と言えるのは、王太子の婚約者だったセイラだけだった。
王太子や王には婚約破棄されていたが、民は誰もその事を知らない。
成獣が認めれば、女王に戴冠できるのだ。
女王になれば、多くの民を救う事ができる。
セイラに付き従うのはウルスラとサリバン、五人の修道女。
そして五頭のコスタラン馬と馬車を牽く輓馬達だった。
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おお…新作。
大丈夫、赤ワインのシミは白ワインで落ちるからね。
ところでこの国の高位貴族バカなの?
聖獣教会ってつまり国教な訳ですよね?
それをバカにしている訳ですから、そりゃ神様(聖獣)に見捨てられるわ!
感想ありがとうございます。
シミ抜き方法知りませんでした。