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第一章
第68話:婚姻政策
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宗教闘争も勝利した私は、じっくりと腰を据えて領地改革をする事にしました。
食糧生産力こそが、国を治める事の中でも一番大切なのです。
前世で食糧生産力を上げるなら、治水して水田を増やすことが大切でした。
洪水などが起こらないように治水事業をする事で、民の信頼と忠誠心を獲得しましたが、この世界では魔力で食糧生産力を向上させる事が全てなのです。
だから私は魔力に任せて年間六期作を成し遂げたのです。
「お嬢様、そろそろ王城に向かう時間でございます」
父上と兄上は王城に常駐されています。
父上は国王としてこの国を治めなければいけませんし、王家直轄領に魔力を注がなければいけませんので、王城を離れられないのです。
兄上も魔力で父上の補助をしなければいけませんから、王城に常駐されています。
母上は公爵家の当主になられているので、公爵邸から遠く離れた公爵領に魔力を送らなければいきませんし、父上の手綱を取らなければいけません。
だから母上は王城と公爵邸を行き来されています。
私は大量の魔力を王家直轄領に注ぐとき以外は公爵邸にいます。
王城には公爵家に仕えていた信頼できる家臣が入っていますが、まだまだ無条件で信じる事などできません。
私まで王城内に常駐するようになったら、遠距離大魔術で王城を完全破壊して、私たちを皆殺しにしようとするかもしれません。
ですが、そのような遠距離大魔術を展開するには莫大な魔力が必要です。
しかも私達がその魔力を上回る防御魔術を展開したら無意味になってしまいます。
私が公爵邸にいると、敵も大規模な攻撃はできないはずです。
私がそこまで細心の注意を払っているというのに、父上が愚かな事をしてくれるので、こうして王城に行かなければいけなくなります。
ただ、父上の気持ちも全く分からない訳ではありません。
敵対状態にある皇国と和平を結びたいのでしょう。
アルバート皇帝の次男が養嗣子に入って国王となっているカサブラン王家が、兄上に正室を送りたいという婚姻政策を打診してきたのですから。
十中八九謀略だと分かっていますが、特使に会って皇国の本音を探ってからでなければ、返事をするわけにはいきません。
私達の肩には、全国民の命が乗っているのですから。
「父上は王都から離れたのでしょうね」
私はクローディアに確認しました。
皇国が激しい支配欲を持っている事は、カサブラン王家を皇帝の次男が乗っ取った事でも明らかですから、細心の注意が必要です。
私なら防御魔術で防げるとは思いますが、アルバート皇帝が我が家を全滅させようと遠距離大攻撃魔術を放つ可能性もあるのです。
送り込んでいる特使を自爆させる事もありえるのです。
「はい、それは間違いなく行っております。
国王陛下だけではなく、王妃殿下もアレックス殿下も、騎士団と徒士団に護られて公爵領に向かっておられます。
遠距離魔術攻撃を受けようと、自爆攻撃を受けようと、ヴィンセント殿が護り切ってくれますので、ご心配には及びません」
ヴィンセントは公爵家の密偵や護衛騎士を差配していた漢です。
クローディアを育て上げた父親でもあります。
彼が指揮してくれているのなら大丈夫でしょう。
それに父上も王族級の魔力持ちですから、家族を護るだけならできるでしょう。
むしろ問題は私の方かもしれませんね。
食糧生産力こそが、国を治める事の中でも一番大切なのです。
前世で食糧生産力を上げるなら、治水して水田を増やすことが大切でした。
洪水などが起こらないように治水事業をする事で、民の信頼と忠誠心を獲得しましたが、この世界では魔力で食糧生産力を向上させる事が全てなのです。
だから私は魔力に任せて年間六期作を成し遂げたのです。
「お嬢様、そろそろ王城に向かう時間でございます」
父上と兄上は王城に常駐されています。
父上は国王としてこの国を治めなければいけませんし、王家直轄領に魔力を注がなければいけませんので、王城を離れられないのです。
兄上も魔力で父上の補助をしなければいけませんから、王城に常駐されています。
母上は公爵家の当主になられているので、公爵邸から遠く離れた公爵領に魔力を送らなければいきませんし、父上の手綱を取らなければいけません。
だから母上は王城と公爵邸を行き来されています。
私は大量の魔力を王家直轄領に注ぐとき以外は公爵邸にいます。
王城には公爵家に仕えていた信頼できる家臣が入っていますが、まだまだ無条件で信じる事などできません。
私まで王城内に常駐するようになったら、遠距離大魔術で王城を完全破壊して、私たちを皆殺しにしようとするかもしれません。
ですが、そのような遠距離大魔術を展開するには莫大な魔力が必要です。
しかも私達がその魔力を上回る防御魔術を展開したら無意味になってしまいます。
私が公爵邸にいると、敵も大規模な攻撃はできないはずです。
私がそこまで細心の注意を払っているというのに、父上が愚かな事をしてくれるので、こうして王城に行かなければいけなくなります。
ただ、父上の気持ちも全く分からない訳ではありません。
敵対状態にある皇国と和平を結びたいのでしょう。
アルバート皇帝の次男が養嗣子に入って国王となっているカサブラン王家が、兄上に正室を送りたいという婚姻政策を打診してきたのですから。
十中八九謀略だと分かっていますが、特使に会って皇国の本音を探ってからでなければ、返事をするわけにはいきません。
私達の肩には、全国民の命が乗っているのですから。
「父上は王都から離れたのでしょうね」
私はクローディアに確認しました。
皇国が激しい支配欲を持っている事は、カサブラン王家を皇帝の次男が乗っ取った事でも明らかですから、細心の注意が必要です。
私なら防御魔術で防げるとは思いますが、アルバート皇帝が我が家を全滅させようと遠距離大攻撃魔術を放つ可能性もあるのです。
送り込んでいる特使を自爆させる事もありえるのです。
「はい、それは間違いなく行っております。
国王陛下だけではなく、王妃殿下もアレックス殿下も、騎士団と徒士団に護られて公爵領に向かっておられます。
遠距離魔術攻撃を受けようと、自爆攻撃を受けようと、ヴィンセント殿が護り切ってくれますので、ご心配には及びません」
ヴィンセントは公爵家の密偵や護衛騎士を差配していた漢です。
クローディアを育て上げた父親でもあります。
彼が指揮してくれているのなら大丈夫でしょう。
それに父上も王族級の魔力持ちですから、家族を護るだけならできるでしょう。
むしろ問題は私の方かもしれませんね。
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