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第一章
第57話:穏やかな日々
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「起立、礼、着席」
私は王立魔術学園で穏やかな日々を送っています。
王家が国を捨てて逃げ出した事で、ただ独り残った王族級魔力を持つ父上が王位を継ぐことになり、今まで色々と問題のあった政治が正されたのです。
王家の直轄領は父上と母上が管理され、私か兄上が学園卒業時に王族級魔力があれば、順当に王族となり後継者の一人に指名されます。
皇国が文句を言ってくるかと思いましたが、何も言ってきませんでした。
ブルーデネル公爵家の家督と領地は、母上と私が管理する事になりました。
母上は公爵級の魔力を持っておられるので、臨時で公爵位を継ぐことに問題はありませんし、私も魔力の事前測定で王族級と判定されています。
本当は皇帝級を超える桁違いの魔力を持っているのですが、内緒です。
実力を披露し過ぎると、余計な敵を作ってしまいますからね。
何より大陸連合魔道学院で実験材料にされるのは嫌ですから。
「では今日も最初に、高等部三年生としての心構えを言っておく」
皇国軍を壊滅させて王都に戻った私は、王族の逃げ出した王城を接収しました。
最初は王族派の貴族士族も味方につける気だったのですが、多くが私の事を恐れて逃げだしていました。
私が皇国軍から人質を取らずに皆殺しにした事が、彼らに危機感を植え付けてしまったようで、取るものも取り敢えず逃げてしまいました。
愚かな王族派の貴族が、帰路に私を激怒させた事も影響しているようです。
逃げた貴族の事を調べた結果、全員が処刑されるくらいの罪を犯していました。
恥知らずに残った連中も、同様に処刑されても仕方がない罪を犯していました。
お陰で最初から公爵家に味方してくれていた貴族に、予定通りの領地を分け与える事ができましたが、問題が何もないわけではありません。
領地を治め収穫を得るためには、その広さに相応しい魔力が必要なのです。
魔力失くして土地から実りは得られないのです。
逃亡してしまった貴族の分だけ魔力が不足しているのです。
その魔力をどこから持ってきて穴埋めするか、父上は頭を悩ませています。
まあ、私が力の一部を表に出すか、聖女カチュアを表に出せば済む事ですが、今暫く様子を見る事にしています。
「はい、平常心を持って魔力測定試験と実技試験に臨みます」
今年卒業を迎える同級生達が緊張した顔で担当教員に応えています。
私は飛び級を重ねて、七歳の終わりに高等部三年生になりました。
年齢が達していなくても、魔力と実技が伴っていれば卒業させてもらえるのか、父上が大陸連合魔道学院に掛け合ってくれています。
まあ、別に、どうしても今年無理矢理卒業したいわけではありません。
本当の卒業年齢に達するまで、高等部三年生を何度もやればいいのです。
毎年卒業年度の魔力持ちと交流する事ができれば、多くの魔力持ちと同級生の関係を持つことができます。
ずっと同じクラスで学んだ同級生のようにはいきませんが、広く浅く関係を築いて、圧倒的な魔力で威圧できれば、国内の争いを未然に防げるでしょう。
そのためなら、本当に同級生がいない寂しさも我慢できます。
私は王立魔術学園で穏やかな日々を送っています。
王家が国を捨てて逃げ出した事で、ただ独り残った王族級魔力を持つ父上が王位を継ぐことになり、今まで色々と問題のあった政治が正されたのです。
王家の直轄領は父上と母上が管理され、私か兄上が学園卒業時に王族級魔力があれば、順当に王族となり後継者の一人に指名されます。
皇国が文句を言ってくるかと思いましたが、何も言ってきませんでした。
ブルーデネル公爵家の家督と領地は、母上と私が管理する事になりました。
母上は公爵級の魔力を持っておられるので、臨時で公爵位を継ぐことに問題はありませんし、私も魔力の事前測定で王族級と判定されています。
本当は皇帝級を超える桁違いの魔力を持っているのですが、内緒です。
実力を披露し過ぎると、余計な敵を作ってしまいますからね。
何より大陸連合魔道学院で実験材料にされるのは嫌ですから。
「では今日も最初に、高等部三年生としての心構えを言っておく」
皇国軍を壊滅させて王都に戻った私は、王族の逃げ出した王城を接収しました。
最初は王族派の貴族士族も味方につける気だったのですが、多くが私の事を恐れて逃げだしていました。
私が皇国軍から人質を取らずに皆殺しにした事が、彼らに危機感を植え付けてしまったようで、取るものも取り敢えず逃げてしまいました。
愚かな王族派の貴族が、帰路に私を激怒させた事も影響しているようです。
逃げた貴族の事を調べた結果、全員が処刑されるくらいの罪を犯していました。
恥知らずに残った連中も、同様に処刑されても仕方がない罪を犯していました。
お陰で最初から公爵家に味方してくれていた貴族に、予定通りの領地を分け与える事ができましたが、問題が何もないわけではありません。
領地を治め収穫を得るためには、その広さに相応しい魔力が必要なのです。
魔力失くして土地から実りは得られないのです。
逃亡してしまった貴族の分だけ魔力が不足しているのです。
その魔力をどこから持ってきて穴埋めするか、父上は頭を悩ませています。
まあ、私が力の一部を表に出すか、聖女カチュアを表に出せば済む事ですが、今暫く様子を見る事にしています。
「はい、平常心を持って魔力測定試験と実技試験に臨みます」
今年卒業を迎える同級生達が緊張した顔で担当教員に応えています。
私は飛び級を重ねて、七歳の終わりに高等部三年生になりました。
年齢が達していなくても、魔力と実技が伴っていれば卒業させてもらえるのか、父上が大陸連合魔道学院に掛け合ってくれています。
まあ、別に、どうしても今年無理矢理卒業したいわけではありません。
本当の卒業年齢に達するまで、高等部三年生を何度もやればいいのです。
毎年卒業年度の魔力持ちと交流する事ができれば、多くの魔力持ちと同級生の関係を持つことができます。
ずっと同じクラスで学んだ同級生のようにはいきませんが、広く浅く関係を築いて、圧倒的な魔力で威圧できれば、国内の争いを未然に防げるでしょう。
そのためなら、本当に同級生がいない寂しさも我慢できます。
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