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第一章
第45話:実戦指揮訓練
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「左後方遅れているぞ、全体的に速度を落とせ」
傭兵団が全体的に行軍速度を落としています。
味方を置き去りにする事など許されませんし、最初から分かっていた遅れです。
普通なら行軍は一列か二列で道を進むモノです。
ですが大魔境に道などありませんから、道なき道を進むことになります。
さらに周囲を警戒しながら臨戦態勢で進むのです。
ですが今回は、五千人が一塊になって陣を整えながら大魔境の中を進むのです。
これには大きな理由があります。
私が援軍に行くには、長い行軍では間に合わなくなるかもしれないのです。
私を中心に前後左右を等距離に保ちながら行軍するのです。
当然ですが、進みやすい足場と進みにくい足場があります。
進みにくい所の部隊に無理をさせれば、戦闘時に十分な力が発揮できません。
毒を持つ危険な魔獣や魔蟲を見逃してしまう可能性もあります。
「分かった、左翼が動きやすいように全体的に右に移動。
周囲の警戒を怠るなよ、拠点を確保したら小休止」
団長は的確な指示を出しています。
周囲の事をよく見渡して、傭兵団の状況も把握しています。
戦闘中でも同じように冷静に指揮できるなら、傭兵団が負ける事はないでしょう。
ちょうどいい時に魔狗と魔狼の群れが襲ってきてくれました。
鉤竜を相手にするなら即死の恐れがありますが、魔狗や魔狼が相手なら腕や脚を負傷する程度ですみますから、団長の指揮ぶりを見させてもらいましょう。
「隊長、前方から魔狗の群れ百です」
左最前列から索敵役が隊長に報告している声が聞こえます。
「千人隊長、前方から魔狗百です」
百人隊長が大声で千人隊長に報告しています。
前方の指揮を一任されているのは千人隊長です。
まずは彼がどうするか決める事になります。
「盾隊は魔狗を陣内に入り込ませるな。
槍隊も槍衾を作って魔狗を陣内に入り込ませるな。
弓隊と投げ槍隊は射程に入り次第魔狗を狩れ」
傭兵団全体の注目が前方に向かっています。
こんな時に後方や左右から襲われたら慌ててしまうかもしれません。
他の部隊が襲われてる時こそ、周囲の警戒を厳重にしなければいけないのです。
自分が受け持つ場所にこそ集中しなければいけません。
その事を誰が一番先に気が付くでしょうか。
「油断するな!
今こそ自分の担当に集中しろ、
前後左右どこから襲われても即座に対応するのだ。
後方、前にばかり気を奪われるな」
団長が一番先に気が付きましたか。
それとも幕僚の誰かが進言してくれたのですか。
団長だろうと幕僚だろうと構いません。
司令部全体としては合格です。
「後方魔狼百です、後方から魔狼百が近づいてきます」
後方部隊が魔狼を発見する時間が少し遅いですね。
団長が注意喚起していなければ奇襲を許していたかもしれません。
ですが今回はわずかな遅れですみましたから、負傷者も出ないでしょう。
後方担当の千人隊長が悔しそうな表情をしていますから、もう同じ失敗はしないでしょうから、私からの叱責は止めておきましょう。
何も言われない方が堪える事も有りますからね。
傭兵団が全体的に行軍速度を落としています。
味方を置き去りにする事など許されませんし、最初から分かっていた遅れです。
普通なら行軍は一列か二列で道を進むモノです。
ですが大魔境に道などありませんから、道なき道を進むことになります。
さらに周囲を警戒しながら臨戦態勢で進むのです。
ですが今回は、五千人が一塊になって陣を整えながら大魔境の中を進むのです。
これには大きな理由があります。
私が援軍に行くには、長い行軍では間に合わなくなるかもしれないのです。
私を中心に前後左右を等距離に保ちながら行軍するのです。
当然ですが、進みやすい足場と進みにくい足場があります。
進みにくい所の部隊に無理をさせれば、戦闘時に十分な力が発揮できません。
毒を持つ危険な魔獣や魔蟲を見逃してしまう可能性もあります。
「分かった、左翼が動きやすいように全体的に右に移動。
周囲の警戒を怠るなよ、拠点を確保したら小休止」
団長は的確な指示を出しています。
周囲の事をよく見渡して、傭兵団の状況も把握しています。
戦闘中でも同じように冷静に指揮できるなら、傭兵団が負ける事はないでしょう。
ちょうどいい時に魔狗と魔狼の群れが襲ってきてくれました。
鉤竜を相手にするなら即死の恐れがありますが、魔狗や魔狼が相手なら腕や脚を負傷する程度ですみますから、団長の指揮ぶりを見させてもらいましょう。
「隊長、前方から魔狗の群れ百です」
左最前列から索敵役が隊長に報告している声が聞こえます。
「千人隊長、前方から魔狗百です」
百人隊長が大声で千人隊長に報告しています。
前方の指揮を一任されているのは千人隊長です。
まずは彼がどうするか決める事になります。
「盾隊は魔狗を陣内に入り込ませるな。
槍隊も槍衾を作って魔狗を陣内に入り込ませるな。
弓隊と投げ槍隊は射程に入り次第魔狗を狩れ」
傭兵団全体の注目が前方に向かっています。
こんな時に後方や左右から襲われたら慌ててしまうかもしれません。
他の部隊が襲われてる時こそ、周囲の警戒を厳重にしなければいけないのです。
自分が受け持つ場所にこそ集中しなければいけません。
その事を誰が一番先に気が付くでしょうか。
「油断するな!
今こそ自分の担当に集中しろ、
前後左右どこから襲われても即座に対応するのだ。
後方、前にばかり気を奪われるな」
団長が一番先に気が付きましたか。
それとも幕僚の誰かが進言してくれたのですか。
団長だろうと幕僚だろうと構いません。
司令部全体としては合格です。
「後方魔狼百です、後方から魔狼百が近づいてきます」
後方部隊が魔狼を発見する時間が少し遅いですね。
団長が注意喚起していなければ奇襲を許していたかもしれません。
ですが今回はわずかな遅れですみましたから、負傷者も出ないでしょう。
後方担当の千人隊長が悔しそうな表情をしていますから、もう同じ失敗はしないでしょうから、私からの叱責は止めておきましょう。
何も言われない方が堪える事も有りますからね。
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