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第三章
第39話:非人勧進1
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「新さん、ようやく帰ってこられたんだね」
気の好い聖天長屋のおかみさんが、小まめに竈で米を炊き、七輪で脂の強い大鰯を猛烈な煙を出しながら焼いている新之丞に話しかける。
「ああ、実家の野暮用もようやく終わって、武士の柵から解放されたよ」
「そうかい、そうかい、それはよかったね。
それで、知り合いに頼んで奥勤めさせていた房さんは何時迎えにいくんだい?」
「房さんは、さる大名家の殿様に気に入られて、側室に成られたよ。
仙吉も念願が叶って、若君付きの小姓に取立てられたよ。
今更俺がどうこうできる方ではなくなったよ」
「ふぅえええええ、えらい事になっちまったんだねぇ。
あたしゃてっきり、新さんと房さんは相思相愛だと思っていたよ」
「全く想いがなかったとは言わないが、俺は堅苦しいお城勤めが苦手だし、房さんは仙吉が病になった時に薬代に困る事のないように、安定した生活を望んでいた。
仙吉は武士になって房さんを楽にする事を願っていた。
私と房さんでは求めていることが違っていたのだよ」
「新さんが奉公先を紹介しなけりゃあ、ずっと一緒に暮らせたのに、新さんも欲がないねぇえ」
「いや、いや、俺ほど強欲な人間はそうそういないよ。
望めばお城勤めができない訳でもないのに、自由気ままな長屋ぐらしがしたいと言って、実家を飛び出したんだから」
「そりゃあ我儘だ。
親御さんも心配していなさるだろうね」
「出来の悪い息子だと、もう諦めてくれているよ。
そんな事より、この辺の雰囲気が少し変わったようだけど?」
「そうなんだよ、大変だったんだよ。
蛇骨長屋の御浪人さんが何度も襲われて、お奉行所は来るは、どこぞの藩士は来るは、少し離れた聖天町まで戸締りを気を付けていたよ」
新之丞は心の中で詫びていた。
徳川宗直を罠に嵌める為に、蛇骨長屋を借り切って、わざと襲撃させたのだ。
聖天長屋には戻ってくる心算だったので、近くで借り切れる裏長屋を確保した。
「ああ、そうだ、長く留守を預かってもらっていたから、長屋の皆さんには鶴屋の米饅頭を配らせてもらうよ」
新之丞は詫びの心算で、浅草金竜山下瓦町の鶴屋で大量の米饅頭を買っていた。
鶴屋の米饅頭は、浅草寺の参拝客だけでなく、この界隈に住む人々にも愛されていたからだ。
実は聖天町と呼ばれる所は四カ所あるのだが、どこも道を挟んで集まった場所にあり、鶴屋のある浅草金竜山下瓦町とは通り一つ離れているだけだ。
「そりゃあすまないね。
家の子供達も大好きなんだよ」
そう言っているおかみさん自体が甘いものに目がないのだが、貧乏長屋に住む連中には、それほど高くない饅頭でも早々買えるものじゃない。
千代田のお城では絶対に食べられないくらい、たっぷりと脂の乗った大鰯と根菜の煮しめで飯をかき込んだ新之丞は、久しぶりに浅草寺境内を歩く事にした。
新之丞にはとても気になっている事があった。
自分の影武者が何度も刺客に狙われた件で、浅草一帯を仕切っていた香具師の元締めと幹部連中が、一斉に八丈島遠島となっていた。
それが原因で縄張り争いが起こり、懇意にしている聖天長屋の人達が困る事にならないか、心配していたのだ。
「新之丞様、境内の人混みは危険です。
影供の苦労も察してやってください」
新之丞の側を担ぎ呉服の姿で歩く伊之助が、囁くように苦言を呈する。
新之丞もここで伊之助の苦言を無視したら、もう二度と聖天長屋に来られなくなると分かっているので、人込みを避けて歩く。
何の罪もない人々が、暗黒街の権力闘争の犠牲にならないように、自分の目で確かめようと浅草に戻ってきた新之丞が見たのは、新たに築かれた秩序だった。
「伊之助、あの髷は、非人だよな?
それほど身なりが悪いわけでもないし、血色も悪くない。
俺の知る非人は、木戸番以外は酷い身なりだった。
それに、香具師の連中が非人の指図に従っているのは何故だ?
境内でやっている芝居だが、草芝居とは思えない見事なものだぞ」
新之丞は余りにも疑問に思う事が多過ぎて、立て続けに質問してしまった。
「浅草は元々車善七が非人頭として勧進をやっていました。
暗黒街の主だった者が遠島になったので、非人勧進だけでなく香具師差配も手に入れたのでしょう。
芝居を張っている連中は、元は武士だったのですが、多くの大名家がおとり潰しになり、生きていくために芝居や乞胸を始めたのです。
それが非人の縄張りを荒らす事になり、幕府の裁定で、芝居や乞胸を続ける事は許すが、武士や町人ではなく非人とされたのです」
「……家族を養うために、武士が非人となったのか、哀れな話しだな」
「まあ、車善七の祖先も、元は佐竹家の侍大将だった漢です。
家族や家臣を養うために、芝居や乞胸を始めたので、今芝居をやっている長嶋礒右衛門達となんら変わりませんよ」
「今芝居をやっているのは長嶋礒右衛門一座なのか?」
「非人の勧進芝居ですから、そんな立派な名前があるわけではありませんよ。
ですがあいつらが頑張ってくれたら、その分体の不自由な連中も生きて行けます。
身体が不自由な者や年端もいかない子供達は、辻勧進と言う名目の物乞いをして生きていますから。
そんな非人の世界でも生きていけなかった者の中で、修羅の行に耐えられた者だけが、新之丞様の知っている言語不明瞭な修験者です」
「非人達が、体の不自由な人達を助けているのか?」
「助けているというのでしょうかね……
耕す土地の無くなった百姓や、家を継げなかった次男三男が江戸に出て来ます。
ですが勝手に鳥を離れる事は許されませんので、捕まって故郷に追い返されます。
故郷に戻っても飢え死ぬだけですから、まだ江戸にでてきます。
結局、非人小屋の世話になるしかないのです。
最終的には、非人小屋の世話になるしかないのです。
体の不自由な者達も同じですよ。
親兄弟が一生面倒を見てくれるのなら別ですが、そうでないなら、物乞いをして生きていくしかありませんから。
物乞いが許されているのは非人だけです。
辻勧進は非人にしか許されていませんから」
「上様の改革で、城下は火か消えたようになっている。
木挽町の芝居小屋も、破綻した森田座を誰かが代理で興行しているのだったな?」
「はい、もっと昔に座が潰れた河原崎の二代目が代理で興行しています」
「私は城下の芝居を見た事はないが、叔父上やお抱えの役者が舞う猿楽と比べても、長嶋礒右衛門が劣っているとは思えない。
非人に勧進芝居が認められているのなら、礒右衛門にやらせていいのではないか?
そうすれば身体が不自由な者達も助かるのだろう?」
「それは、上様の改革や町奉行の支配にも関わる問題です。
それに、私の記憶が確かなら、元々長吏弾左衛門の支配下にあった歌舞伎が、町人の生業として認められ、支配下から外されたはずです。
歌舞伎の『助六』は、市川團十郎が悪辣な長吏弾左衛門の支配から逃れられた喜びを、客に伝える為に作った演目だと聞いています。
その歌舞伎をまた長吏弾左衛門の支配にするとなると、芝居小屋の関係者だけでなく、芝居好きの江戸っ子全てを敵に回す事になります」
「私は体の不自由な者達が安心して生きていける仕組みを作りたいだけなのだ」
「新之丞様が座頭と瞽女の仕組みを改められた時のようにですか?」
「ああ、目の見えない者達だけでなく、叔父上のように言語が不明瞭な者や、全く話せない者、体自体が不自由な者も、飢える事のない仕組みを作りたいのだ」
「新之丞様が将軍に成るまで待つわけにはいかないのですね?」
「それまでの間に、幾人の者が死んでいくと思っているのだ!」
「そう言われると思っていましたよ。
だったら、上様と殿を説得できる仕組みを考えないといけませんよ。
幕府の勝手向きに負担を与える事なく非人が自分達だけで生きていける仕組みを」
「父上なら、損得の天秤が釣り合っていれば許してくださるだろう。
問題は上様だ。
単に損得が釣り合っているだけでなく、改革に従う形にしなければいけない。
そのためには、今までの御定法を変えていただく必要があるかもしれない」
「新之丞様ならもうお気付きでしょうが、上様は東照神君の定められた故法に戻す政策をなされています。
しかし同時に、情に脆い所がおありです。
前回も、紀州大納言様の体の事を思って、反対が多かった子持ち後家を側室にする事を許されました」
「今回も故法と情に訴えろと言うのだな?」
「はい、新之丞様の腕の見せ所でございます」
気の好い聖天長屋のおかみさんが、小まめに竈で米を炊き、七輪で脂の強い大鰯を猛烈な煙を出しながら焼いている新之丞に話しかける。
「ああ、実家の野暮用もようやく終わって、武士の柵から解放されたよ」
「そうかい、そうかい、それはよかったね。
それで、知り合いに頼んで奥勤めさせていた房さんは何時迎えにいくんだい?」
「房さんは、さる大名家の殿様に気に入られて、側室に成られたよ。
仙吉も念願が叶って、若君付きの小姓に取立てられたよ。
今更俺がどうこうできる方ではなくなったよ」
「ふぅえええええ、えらい事になっちまったんだねぇ。
あたしゃてっきり、新さんと房さんは相思相愛だと思っていたよ」
「全く想いがなかったとは言わないが、俺は堅苦しいお城勤めが苦手だし、房さんは仙吉が病になった時に薬代に困る事のないように、安定した生活を望んでいた。
仙吉は武士になって房さんを楽にする事を願っていた。
私と房さんでは求めていることが違っていたのだよ」
「新さんが奉公先を紹介しなけりゃあ、ずっと一緒に暮らせたのに、新さんも欲がないねぇえ」
「いや、いや、俺ほど強欲な人間はそうそういないよ。
望めばお城勤めができない訳でもないのに、自由気ままな長屋ぐらしがしたいと言って、実家を飛び出したんだから」
「そりゃあ我儘だ。
親御さんも心配していなさるだろうね」
「出来の悪い息子だと、もう諦めてくれているよ。
そんな事より、この辺の雰囲気が少し変わったようだけど?」
「そうなんだよ、大変だったんだよ。
蛇骨長屋の御浪人さんが何度も襲われて、お奉行所は来るは、どこぞの藩士は来るは、少し離れた聖天町まで戸締りを気を付けていたよ」
新之丞は心の中で詫びていた。
徳川宗直を罠に嵌める為に、蛇骨長屋を借り切って、わざと襲撃させたのだ。
聖天長屋には戻ってくる心算だったので、近くで借り切れる裏長屋を確保した。
「ああ、そうだ、長く留守を預かってもらっていたから、長屋の皆さんには鶴屋の米饅頭を配らせてもらうよ」
新之丞は詫びの心算で、浅草金竜山下瓦町の鶴屋で大量の米饅頭を買っていた。
鶴屋の米饅頭は、浅草寺の参拝客だけでなく、この界隈に住む人々にも愛されていたからだ。
実は聖天町と呼ばれる所は四カ所あるのだが、どこも道を挟んで集まった場所にあり、鶴屋のある浅草金竜山下瓦町とは通り一つ離れているだけだ。
「そりゃあすまないね。
家の子供達も大好きなんだよ」
そう言っているおかみさん自体が甘いものに目がないのだが、貧乏長屋に住む連中には、それほど高くない饅頭でも早々買えるものじゃない。
千代田のお城では絶対に食べられないくらい、たっぷりと脂の乗った大鰯と根菜の煮しめで飯をかき込んだ新之丞は、久しぶりに浅草寺境内を歩く事にした。
新之丞にはとても気になっている事があった。
自分の影武者が何度も刺客に狙われた件で、浅草一帯を仕切っていた香具師の元締めと幹部連中が、一斉に八丈島遠島となっていた。
それが原因で縄張り争いが起こり、懇意にしている聖天長屋の人達が困る事にならないか、心配していたのだ。
「新之丞様、境内の人混みは危険です。
影供の苦労も察してやってください」
新之丞の側を担ぎ呉服の姿で歩く伊之助が、囁くように苦言を呈する。
新之丞もここで伊之助の苦言を無視したら、もう二度と聖天長屋に来られなくなると分かっているので、人込みを避けて歩く。
何の罪もない人々が、暗黒街の権力闘争の犠牲にならないように、自分の目で確かめようと浅草に戻ってきた新之丞が見たのは、新たに築かれた秩序だった。
「伊之助、あの髷は、非人だよな?
それほど身なりが悪いわけでもないし、血色も悪くない。
俺の知る非人は、木戸番以外は酷い身なりだった。
それに、香具師の連中が非人の指図に従っているのは何故だ?
境内でやっている芝居だが、草芝居とは思えない見事なものだぞ」
新之丞は余りにも疑問に思う事が多過ぎて、立て続けに質問してしまった。
「浅草は元々車善七が非人頭として勧進をやっていました。
暗黒街の主だった者が遠島になったので、非人勧進だけでなく香具師差配も手に入れたのでしょう。
芝居を張っている連中は、元は武士だったのですが、多くの大名家がおとり潰しになり、生きていくために芝居や乞胸を始めたのです。
それが非人の縄張りを荒らす事になり、幕府の裁定で、芝居や乞胸を続ける事は許すが、武士や町人ではなく非人とされたのです」
「……家族を養うために、武士が非人となったのか、哀れな話しだな」
「まあ、車善七の祖先も、元は佐竹家の侍大将だった漢です。
家族や家臣を養うために、芝居や乞胸を始めたので、今芝居をやっている長嶋礒右衛門達となんら変わりませんよ」
「今芝居をやっているのは長嶋礒右衛門一座なのか?」
「非人の勧進芝居ですから、そんな立派な名前があるわけではありませんよ。
ですがあいつらが頑張ってくれたら、その分体の不自由な連中も生きて行けます。
身体が不自由な者や年端もいかない子供達は、辻勧進と言う名目の物乞いをして生きていますから。
そんな非人の世界でも生きていけなかった者の中で、修羅の行に耐えられた者だけが、新之丞様の知っている言語不明瞭な修験者です」
「非人達が、体の不自由な人達を助けているのか?」
「助けているというのでしょうかね……
耕す土地の無くなった百姓や、家を継げなかった次男三男が江戸に出て来ます。
ですが勝手に鳥を離れる事は許されませんので、捕まって故郷に追い返されます。
故郷に戻っても飢え死ぬだけですから、まだ江戸にでてきます。
結局、非人小屋の世話になるしかないのです。
最終的には、非人小屋の世話になるしかないのです。
体の不自由な者達も同じですよ。
親兄弟が一生面倒を見てくれるのなら別ですが、そうでないなら、物乞いをして生きていくしかありませんから。
物乞いが許されているのは非人だけです。
辻勧進は非人にしか許されていませんから」
「上様の改革で、城下は火か消えたようになっている。
木挽町の芝居小屋も、破綻した森田座を誰かが代理で興行しているのだったな?」
「はい、もっと昔に座が潰れた河原崎の二代目が代理で興行しています」
「私は城下の芝居を見た事はないが、叔父上やお抱えの役者が舞う猿楽と比べても、長嶋礒右衛門が劣っているとは思えない。
非人に勧進芝居が認められているのなら、礒右衛門にやらせていいのではないか?
そうすれば身体が不自由な者達も助かるのだろう?」
「それは、上様の改革や町奉行の支配にも関わる問題です。
それに、私の記憶が確かなら、元々長吏弾左衛門の支配下にあった歌舞伎が、町人の生業として認められ、支配下から外されたはずです。
歌舞伎の『助六』は、市川團十郎が悪辣な長吏弾左衛門の支配から逃れられた喜びを、客に伝える為に作った演目だと聞いています。
その歌舞伎をまた長吏弾左衛門の支配にするとなると、芝居小屋の関係者だけでなく、芝居好きの江戸っ子全てを敵に回す事になります」
「私は体の不自由な者達が安心して生きていける仕組みを作りたいだけなのだ」
「新之丞様が座頭と瞽女の仕組みを改められた時のようにですか?」
「ああ、目の見えない者達だけでなく、叔父上のように言語が不明瞭な者や、全く話せない者、体自体が不自由な者も、飢える事のない仕組みを作りたいのだ」
「新之丞様が将軍に成るまで待つわけにはいかないのですね?」
「それまでの間に、幾人の者が死んでいくと思っているのだ!」
「そう言われると思っていましたよ。
だったら、上様と殿を説得できる仕組みを考えないといけませんよ。
幕府の勝手向きに負担を与える事なく非人が自分達だけで生きていける仕組みを」
「父上なら、損得の天秤が釣り合っていれば許してくださるだろう。
問題は上様だ。
単に損得が釣り合っているだけでなく、改革に従う形にしなければいけない。
そのためには、今までの御定法を変えていただく必要があるかもしれない」
「新之丞様ならもうお気付きでしょうが、上様は東照神君の定められた故法に戻す政策をなされています。
しかし同時に、情に脆い所がおありです。
前回も、紀州大納言様の体の事を思って、反対が多かった子持ち後家を側室にする事を許されました」
「今回も故法と情に訴えろと言うのだな?」
「はい、新之丞様の腕の見せ所でございます」
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